廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その2)
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シンが部屋から去った後……
馬「さ、ナギさん祓いましょうか!」
ごく自然な流れで馬は非現実的な提案をしてきた。
ナギ「……はぁ?
いや、そんな訳分かんねぇこと言う前に話しておく事があるだろ。」
と、意識は無かったとは言え、シンとベッドインしそうになっていた馬に対し、ナギは苦言を呈するつもりでいた。
しかし、
馬「あ、そーれっっ!!」
バシッッ!!
ナギ「……っ!?」
ナギの承諾無くして、馬の『お祓い』が始まってしまった。
彼女はナギに向かって粒子的な何かを力一杯投げ付けている。
馬「まだまだぁー!!」
バシッバシッッ!!
ナギ「……おい、何やって、」
馬「浄めたまへー!!よいしょぉっっ」
バシャッッ!!
ナギ「…………」
大量に投げ付けられる謎の粒がナギの唇にまで付着したので、彼は粒の正体を知るべく、舐めて確認をした。
ナギ『……塩か。』
その味はしょっぱく、ナギはすぐに塩だと確信し、さらには粒の大きさからして荒塩のようだ。
馬「ふぅー、ささ、お次はこれを飲んでください。」
ひとしきり部屋中を塩まみれにした馬は、ナギにいつもの小瓶を手渡した。
ナギ「これは…」
無人島でも見た記憶のある例の…
馬「清酒ですね♪
1口、2口の量で構わないので飲んでください。」
唐突過ぎる馬の行動にナギはついていけなくなっている。
ナギ「今は飲む気分じゃねぇよ。
そんな事より、」
と、ナギは部屋を塩浸しにされた事を咎めようとしたが、
馬「早く飲んでください!!」
ナギ「……!?」
馬が無理矢理口に含ませてきたものだから、思わず1口飲み込んでしまった。
……………………………
バタンッ…
ナギが自室に戻ってくるやいなや、
ナギ「さっき何を飲ませた?」
と、怪訝な眼差しを向けながら馬に尋ねた。
馬「おかえりなさい!
あ、もう大丈夫そうですね♪」
馬は散らかした荒塩を箒で集める作業をしながら特に気にする様子も無く答えた。
しかし、それはナギの求める答えでは無かった。
馬に小瓶の中身を無理矢理飲ませられたナギは、直後に猛烈な嘔吐感に苛まれて急ぎ手洗い場へと駆け込んだのだが……
ナギ「……何かどす黒いもんが出てきた。」
ナギは今しがた自分の身に起きた事を馬に説明すると、
馬「でしょう? だって、この塩も。」
彼女はそう言いながら塵取りの中の収集した塩を見せてきた。
ナギ「………………」
ナギは塩の有り様に絶句する。
馬が投げ付けてきた荒塩は白色だったと記憶しているが、見せられた塩は先程自分が吐き出した得体の知れない物とよく似た黒色に変色していたからだ。
馬「ちょっと障っただけなら塩と清酒で何とか出来るんですよ。
さぁ、他の探索メンバーも祓わないと!
ついてきてくださーい!!」
ナギ「あ、あぁ…」
実は、ずっと怠く感じていた身体は、宴時の酒が残っているせいだとナギは思っていたが、気が付けば正常に戻っている。
それは馬の胡散臭い処置のおかげかもしれない、と、合理主義のナギですら実感するのだった。