廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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……………………………
シン「老朽化した桟橋みたいなのがありますね。」
いよいよ近付いてきた地図に無い島の岸辺を、シンが双眼鏡で覗きながらリュウガに告げた。
リュウガ「って事は、昔は人がいたのかもな。」
シン「でしょうね……地図に載ってないのが本当に不可解ですが。」
リュウガ「地図絵師が描き忘れただけじゃねぇか?」
シン「複数の地図で確認しましたが、やはり載ってなかったです。」
リュウガ「へぇ…」
一方、甲板では…
馬「い、行きたくないです!!」
満月の夜に浮かび上がる孤島を一目見るやいなや、馬は及び腰になってしまった。
ハヤテ「あ?何言ってんだよ?
馬もシリウス海賊団に居続けるって決めたんなら探索ぐらい協力しろよ。」
馬「いやいや、私だけじゃなくて、出来れば皆さんにも行って欲しくないぐらいですよ、アレは…」
ハヤテ「はぁ?」
ハヤテは怪訝そうに馬の顔を見つめるが、彼女の勘の鋭さを知るナギとソウシは改めて聞いてみた。
ソウシ「私達も行かない方が良いの?」
ナギ「……どうしてだ?」
馬「いやー、ちょっと失礼しますよ…」
怯える馬だが、ソウシの瞳を凝視し始めた。
相手の瞳から危険を予知するという彼女特有の能力を使用しているらしい。
すると、
馬「おっっっふ!!」
ソウシ「な、何?」
馬は大袈裟に身体をのけ反らせて驚いてから、すぐにナギの背中に隠れてしまった。
ナギ「……何か見えたのか?」
馬「くわばらくわばら……」
ソウシ「ちょっと馬ちゃん(笑)
そんな反応されると却って気になっちゃうから。
一体何が見えたんだい?」
馬「何も見えなかったです!」
ナギ「……なら大丈夫じゃ、」
馬「真っっっ黒な黒塗り状態で何も見えなかったんです!
呪縛関連ってそう見えちゃうんですよ。」
ナギ「………」
ソウシ「えぇー…」
ハヤテ「じゅばく?ハンバーグみたいなもんか?」
馬「ハヤテさん……!!」
いつだってブレない思考をするハヤテは素晴らしいと思う馬だった。
……………………………
コン、コン…
馬はある部屋の扉を力なくノックした。
馬「たのもー…」
中に居たのは、
シン「……なんだ、行かなかったのか?」
鬼畜の縄師…は裏稼業の方で、本来の職業は頼れる航海士であるシンだった。
島上陸の際、彼は船の管理のために残る事が多く、島が無人島だった場合は先遣隊が帰還してから探索に出掛けるのが常だった。
今夜も1人、航海室に籠もって上陸したばかりの謎の島について調べようとしていた。
馬「信じてもらえないかもしれませんが、この島全体があまりよろしくないと言うか…」
シン「よろしくない?何がだ?」
馬「いやー、詳細は行ってみないとわからないんですが、多分呪われてますね、この島。」
シン「………………」
馬から聞かされる非科学的な話に、シンは顔を顰める。
馬「この島は、ヤマトで言うところの『忌み地』だと思います。」
シン「……?」
馬「『忌み地』っていうのは土地自体が呪われてて、出来れば近付かない方が良いって場所の事っす。」
シン「何でそんな事がわかるんだ?」
馬「昔、田舎の巫女…えーっと、神職に関わってたんですが、悪霊祓いもしてたんですよ。
で、悪霊に取り憑かれた人がお祓いに来るんですが、大抵は気のせいな場合が多いんです。」
シン「……………」
馬「それでも中には『ホンモノ』が憑いてる人がいて、それはもう怖いのなんのって…で、この島全体の雰囲気が『ホンモノ』が憑いちゃってる人の雰囲気と似てるんですよね。」
シン「つまり、呪われてるって根拠はお前のフィーリングだけって事か?」
馬「うぅ……その言い分だと信じてませんね?」
シン「まぁな。
まだ何も起こってないし、オレ自身が体験しない限り、そういった類いの事は信じない主義だ。」
馬「シンさんもハヤテさんと同じで、ブレない人間なんですね!クールカッコいい~!」
シン「フン、あのバカと一緒にするな。」
そう言いながらシンは書物に目を落とす。
話に区切りがついたので、馬も彼の邪魔にならないように気を付けながら、
馬「よいしょ…」
隣の紙箱机(※馬専用学習机)にちょこんと座った。
彼女は夜半に夫婦の部屋で1人だけでいるのが怖いため、人気のある航海室で待機するつもりでいる。
シン「これでも読んで大人しくしてろ。」
馬「はーい。」
馬はシンから手渡された本を早速開いてみる。
馬「えーっと、人類に昔から伝わる避妊方法は……って、なんちゅう本ですか、これ!!」
シン「今のお前に1番必要な知識だろ?」
こうしてシリウス号の留守番コンビは和やかに猥談学習を繰り広げるのだった。