逃走中~迫り来る彦星の魔の手~
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「悪霊退散!!ナギさんに化けて拐おうとしても無駄無駄ぁ!!」
馬はどこから取り出したのか、塩を手に持ち、思いっきりナギにぶつけた。
ナギ「………ちょっ、馬、落ち着け、」
馬「まだ立ち去らないっっ!それならとっておきの!!」
と、これもまたどこから取り出したのか、馬は小さな瓶とライターを手にしている。
そして、瓶の蓋を開けて中身を口に含み、ライターに火を付けると…
ガチャッ!!
ソウシ「馬ちゃん!歩ける寝袋最高だよ!」
ご機嫌なソウシが部屋に入ってきたのと同時に、馬は口から火を吹いた。
(※正確には口から霧状に噴出させた可燃性の液体にライターで着火させた)
ソウシ「えぇぇえー!!」
歩ける寝袋で歩いているソウシ、上半身裸のナギ、さらには口から火を吹く馬…彼らのいる現場は混沌を極めていた。
……………………………
薬の効果が切れて正常に戻った馬とナギは、ソウシにこれまでの経緯を全て説明し、馬に至っては少し前にサラから薬をもらった事、ラムネ笛を落として拾い食いをした事、しかし、45秒間ルールを適用した事も話し、さらには、食べずに廃棄したラムネ笛(偽)の現物も提出した。
ソウシ「……これは多分…ヤマト製の闘愛薬だと思う。」
ソウシは、ラムネ笛に酷似した薬物の破片を見ながら告げた。
ソウシ「ほら、前に言ってた惚れ薬の事だよ。」
ナギ「……惚れ薬?」
眉唾物の薬名を挙げられたのでナギは怪訝な顔をした。
ソウシ「種を明かせば、興奮剤。
良かった、馬ちゃんは発情しちゃってただけだよ。」
馬「なーんだ、発情しちゃってただけかぁ、アッハッハッハ!!…ってソウシさん!!かなり恥ずかしいんですけど!!あぁあぁぁ〜〜////」
一応『恥ずかしい』という感情を持ち合わせている馬にとって先程の出来事は衝撃的な失態だった。
そのため、正気に戻った今は顔を真っ赤にして自分の行いを悔いて悶えている。
ソウシ「フフッ、人間も動物だから発情する事もあるよ♪」
馬「励ましになってないっすよぉぉ!!」
馬は両手で顔を覆って身悶え続けている。
ナギ「そもそも、お前はなんで落ちた物を拾ってまで食ってんだ。それにきちんと薬も保管しておかないから…」
ナギの至極正論の説教が始まってしまった。
馬「大っっ変申し訳ございませんっっ!!!」
正論過ぎて馬には猛省するしか出来ない。
ソウシ「まぁまぁ、ナギ。馬ちゃんをこれ以上怒らないであげて。
トワやシンと会ってもナギが来るまで頑張って耐えてたんだろう?
過ちが起きてないのは凄い事だ。」
ナギ「…………」
確かに馬の一途さと忍耐力は称賛に値する。
ナギの憤りは幾分かおさまった。
ソウシ「じきに七夕も終わる。馬ちゃん、このナギは本物だから安心してね。」
馬「はい……彦星様じゃなくて良かったです…」
じゃぁ私はこれで、と、ソウシはナギの部屋を後にした。
……………………………
ソウシ『そろそろ寝よう…』
歩ける寝袋を着用中のソウシの後ろ姿は、黒くてモコモコしていて人外の何かに見えて不気味だった。
洗面所を利用していたトワが倉庫に戻る時…黒くてモコモコした物体が暗い廊下を横切ったのを目撃してしまう。
トワ『も、も、も、もしかして彦星様?』
トワの七夕祭はまだまだ続きそうだ。
(終、おまけへ)
【おまけ】
その日の就寝時。
ナギ「……消すぞ」
馬「OK、OK!」
消灯。
ナギ「……………」
馬「…………」
ナギ「……今日は降ってこないのかよ。」
馬「…今日は顔を合わせられないっす。」
ナギの方が立ち上がり、馬を抱え上げた。
馬「ぎゃっ!やはりあなたは彦星様…」
ナギ「…………」
今のナギは馬と一緒に寝たい気分だった。
抱えた馬を床にある自分の寝床へと降ろす。
馬「?」
ナギ「………さっき言ってたことは本気か?」
『ナギさんじゃないとイヤ』、 彼はこの言葉が凄く嬉しかったのだ。
馬「……悪霊退散発言ですか?いやいや、ナギさんに消え去られたら私が嫌なんで本気なわけないじゃないですか。」
ナギ「………」
そこの発言でも無いし、今の言葉も火を吹いてた奴が言う台詞ではないだろう…ナギは心の中で呟いた。
馬『あれ、今トワくんの悲鳴が聞こえたような…』
呆れているナギの隣で、馬はトワの安否を心配するのだった。
(おまけ終)