100回目のプロポーズ~私が死なせません!!~
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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……………………………
馬「……うぇっ、」
馬はトイレで嘔吐していた。
ナギが持ってきてくれた食事を頑張って食べようとしたのだが、小さくなってしまった自身の胃袋が受け付けてくれなかった。
ソウシ「スープか何か頼んで来るね。」
ナギ「……お願いします。」
とにかく何か栄養を与えないと、とソウシが馬のために宿の厨房まで消化に良いスープを頼みに行ってくれた。
馬「おやおや、ソウシさんは?」
馬が部屋まで戻ってきた。
蒼白な彼女の顔色からして未だに体調は悪そうだ。
ナギ「……また戻ってくる。」
馬「そうですか。
よし、食事の続きを!」
馬が再び肉料理に挑もうとした時、
ナギ「……無理すんな。」
ぽんと頭に手を乗せられ、穏やかに止められてしまった。
馬「折角ナギさんが持ってきてくれたんだし、全部食べないと!」
ナギ「いや……少し重かったな、悪ぃ。」
馬「そ、そんな事は無いですよ?」
ナギが思っていたよりも馬の耗弱ぶりが酷かった。
ナギは枝のように細くなってしまった彼女の腕を見ながら話す。
ナギ「……ゆっくりで良いから元気になれ、お前はいつも突っ走り過ぎる。」
ソウシ「うん、ナギの言う通り、ゆっくり体調を戻していこう。
そういうナギも骨にヒビが入ってるんだから、まずは治してから初夜に挑みなね?」
いつの間にか戻ってきていたソウシは馬にスープを、ナギには痛み止めの薬を手渡した。
馬「え、ヒビって…?」
馬はナギの負傷を初めて知り、非常に動揺している。
ナギ「……大したことねぇよ。」
しかし、彼は素っ気なく返すだけだった。
2人の初夜はソウシのドクターストップが掛かったせいで、出来なくなってしまった。
しかし、本番までは出来ないにせよ、宿に滞在している間にそれなりに親密な行為は出来たので、2人の愛はちゃんと深まったので悪しからず。
(※それなりに親密な行為についてはまた別枠で取り上げます。)
……………………………
ゲオルグの花嫁がシリウス海賊団によって誘拐された事件は一夜にして帝国中に広まっていた。
リュウガ「シン、俺らの懸賞金が跳ね上がってるぞ!!」
リュウガは満面の笑みで帝国新聞をシンに見せた。
帝国軍と睨み合う北国だが、どういうわけかこちらの領土でも帝国新聞は売られている。
定価よりかなり高額な値段でだが……
シンはリュウガから新聞を受け取り内容を確認すると、
シン「……はぁ?」
思いっきり顔を顰めた。
掲載された自分達の手配書を見て納得がいかないらしい。
リュウガ「お前は牛や羊にとっては凶悪犯なんだな(笑)」
シンの罪状欄に『動物愛護法違反』という項目が加えられていたからだ。
対するリュウガには『誘拐』の罪状が加わっていた。
意外なことにナギは特に罪に問われることなく、しかし、懸賞金だけが上乗せされていた。
変装していたソウシ・トワ・ハヤテの3人もほんの少しだけ金額が上がっていた。
リュウガ「ほら、馬も。」
そう言いながらリュウガは自分達の手配書のすぐ横の欄を指差した。
シン「あぁ、シリウスを名乗った甲斐がありましたね。」
リュウガ「…だろ?」
相変わらずリュウガはニヤニヤと笑っている。
帝国軍は馬に関しても賞金を掛けていた。
ところが彼女の場合は『情報提供料』という名目だった。
つまり、リュウガ達が『お尋ね者』扱いならば、馬の場合は『尋ね人』扱いをされているわけだ。
リュウガが大々的に名乗りを上げてから連れ去った事で帝国は、馬は有名海賊団に誘拐されてしまった悲劇の花嫁、と世間に認識させたようだ。
リュウガもシンも、馬が自分達の仲間として犯罪者扱いにされなかった事を心から喜んでいる。
女の身で懸賞金が付いてしまったら悲惨な末路しか待っていないからだ。
リュウガ「へぇ…馬の元結婚相手は悲しみに暮れる暇もなく、今日はこっちの国に視察に来るんだそうだ。」
シン「仕事熱心ですね。
船長も見習ったらどうですか。」
リュウガ「そりゃぁ無理な話だな!
ずっと仕事するくらいなら徹夜で綺麗な姉ちゃん達と遊んでたい(笑)」
シン「……でしょうね。」
シンはリュウガの発言に呆れながらコーヒーカップを手に取った。
さらに翌日の帝国新聞の一面には、 『ランバード大将の乗る飛行船墜落!!』 という衝撃の見出しが掲載されるのだった。