100回目のプロポーズ~私が死なせません!!~
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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モルドー帝国の北に隣接する国は、帝国と犬猿の仲にあり、歴史上何度も抗争が行われてきた。
現在は和平関係にあるのかと思いきや、ただ冷戦中で膠着状態が続いているだけに過ぎない。
そんな国同士の情勢を把握しているシリウス一行は、逃亡先を北国の領土へと決めて、無事に逃げ込んだ(※警備兵は事前に買収済み)。
敵国の土地にいれば流石に帝国軍の手も届かないだろう。
リュウガ「っくしょんっっ、あ゙ー!
ちょっと北に行くだけで寒くなるなー。」
帝国と北国の国境砦から出た直後、リュウガは寒暖差のせいで体調を崩してしまったようで、オッサンのようなくしゃみをした。
馬「ほ、本当ですね、半袖だと寒い、ワッショィッッ!!」
馬もつられて祭囃子のようなくしゃみをした。
馬「あー、鼻水が…」
ナギと繋いでいる手を離した馬は、ハヤテの元へと駆けていく。
ナギ「……………」
ナギが遠目に新妻の様子を見守っていると……
ハヤテ「ギャー、止めろー!!」
鼻水を腰巻きで拭かれたであろうハヤテの悲鳴が聞こえてきた。
ナギ「……フ、…」
ゲオルグ邸で囲われていた馬だが、中身は以前と何も変わってなさそうだ。
ナギは安堵の笑みを溢した。
馬「やっぱりハヤテさんの腰巻きは極上っすわぁー♪」
ナギ「……これ着とけ。」
戻ってきた馬に、ナギは自身の長袖シャツを渡して着せてやる。
馬「あ、ありがとうございます////」
夫婦と言うよりも保護者と子どものような2人の関係も相変わらずだった。
……………………………
国境砦からずっと歩き通しだったが、暫くすると街が見えてきた。
リュウガ「宿はもうすぐだからな、頑張れよー!」
リュウガがメンバー達に向かって呼び掛ける。
ナギ「……大丈夫か?」
馬「……はい、全然イケイケです!!」
口では平気と言っているが、ずっと寝たきりだった馬にとってはこの長旅は厳しかった。
しかし、再びシリウス海賊団と共に行動出来る喜びの方が勝る彼女にはそんな弱音など吐いていられなかった。
ソウシ「顔色が悪い気がするけど…」
ナギ「……ドクター、」
馬「いや、本当に大丈夫ですから!
宿目指して頑張りましょー!!」
ソウシ「…………」
ナギ「…………」
ソウシとナギは困ったように顔を見合わせた。
……………………………
結局、馬は目的とする宿まで歩き切った。
一行が宿に到着する頃には辺りはすっかり暗くなり、彼らの頭上には煌々と輝く月が出ていた。
馬「…………」
口数は全く無くなったが、馬はずっとニコニコとしている。
しかし、宿屋の灯りの下で改めて彼女を見た時、その顔色は純粋な白色をしていた。
とどのつまり、明らかに血の気が引いて具合が悪そうにしていたのだ。
それでも、
ナギ「馬、本当に大丈夫か?」
馬「はい!勿論大丈夫です!!」
ナギ「……………」
大丈夫しか言わない馬に、ナギはほとほと困り果てていた。
リュウガ「よっしゃ、部屋の用意が出来たぞー。
今回は全員個室だが、ナギ達はハネムーンって事で豪華なツイン部屋にしといたからな(笑)」
リュウガなりに新婚夫婦に気を遣ったようだ。
今夜ばかりはホテルで1番のスイートルームを2人のために取ってくれたという。
リュウガ「夕飯もじきに出来るらしいから、各自部屋に荷物を置いたら食堂に集まるように!!」
「はい!!」
リュウガの呼び掛けに全員が了承の返事をした。
……………………………
ナギと馬に割り当てられた部屋はイディ島ホテルのVIPルームと大差無い豪華絢爛なツインルームだった。
しかし、
馬「汗かいちゃったから先にシャワー使わせてくださいねー♪」
馬ははしゃぐ事はせずに浴室へと直行するのだった。
ザァァ……
暫くしてシャワーの水音が聞こえてきた。
ナギ『……相当顔色が悪かったけど、あの状態でシャワー浴びて大丈夫なのか?』
荷物を置き終えたナギが馬の事を心配していると、
ガタンッッ!!
案の定というべきか、派手な物音が浴室の方から聞こえてきた。
ナギ「……馬!?」
慌ててナギが様子を見に行くと、浴室のドア越しに馬が踞っている姿が見えた。