モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(最終章)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「……!!」
現状を理解した馬は驚き、喜び、そして興奮し過ぎたせいで言葉が出なかった。
もう2度と会えないと思っていたナギが自分に触れていてくれている。
馬「あわわわわ……」
馬は小さく奇声を発しながらもう1度ナギの手をペタペタと触る。
恥ずかしさと緊張のせいで未だ振り向けずにいたが、とにかくナギの身体を触っておきたくて仕方がなかった。
ナギ「……動けるようになったか?」
急に動き出した馬を見て、ガスの効き目が切れたと見なしたナギが話し掛ける。
馬「は、はい////」
久々に話すからか、馬は非常に恥ずかしそうに返した。
ナギ「……もうじき国境を越えるらしい。
その時に少し話したい。」
実はナギも彼女と同様に緊張しているせいでつい無愛想な喋り方になってしまった。
馬「わ、わかりました////
何なら朝まで生討論をしましょうか?
えっと、まずはシリウスの経済問題について、」
ナギ「……んなもん『船長の酒代とハヤテの食費を安く済ます』で終わる話だろ。」
馬「な、なるほど。」
シリウス号のエンゲル係数は彼らの支出で大半が占められているらしい。
馬「『朝まで生討論』にはツッコまないんですね……いやしかし、ナギさんと徹夜で話せたら嬉しいなー♪……な、なんちゃってっ////」
そう言いながら馬は1人で悶えている。
自分の発言が恋する乙女のように感じられて照れ臭くなったのだ。
ナギ「……話すだけで良いのか?」
馬「へぃ?話す以外に何か……あ、またトランプをしましょうか!
今度は神経衰弱とかどうです?」
ナギ「……いや、徹夜でするって言ったら、」
そう言いながら馬の耳元にナギの顔が降りてきて……
ナギ「…(囁き中)…」
馬「んなっっ!?」
馬にしか聞こえない声で、少年誌には到底描けないような事を囁かれてしまった。
ナギ「……だろ?」
馬「ひ、ひぃぃぃーーー!!」
馬は恐怖の悲鳴を上げた。
ナギと馬、久しぶりの再会だったが、特に違和感もなく今まで通りに接する事が出来ていた。
馬「ちょ、ちょ、ちょっと!
どこ触ってるんですか!!」
ナギ「………別に。」
…まぁ、『今まで通り』よりも多少スキンシップが多くなっている気もするが。
……………………………
馬「そしたら着替えて来まーす。」
リュウガ「馬の花嫁姿が名残惜しいな(笑)!」
モルドー帝国側の国境砦の手前で、シリウス一行は一旦停留することになった。
移動に使っていた馬を野に放つ作業と、目立ち過ぎる馬のウェディングドレスを着替えさせるための停留だった。
ナギ「……俺も手伝って来ます。」
リュウガ「おう、行け行け(笑)」
シン「早く戻って来いよ。」
ソウシ「人手が足りなかったら私も呼んでね?」
トワ「ナギさん、頑張ってください!」
ハヤテ「確かにあんなドレス着てたら腹一杯食えなさそうだもんなー。」
1人を除いて、事情を察しているメンバー達はニヤニヤとしながらナギを送り出した。
馬「んーっと、何を着ようかな。」
馬が鞄を開けて着替えの服を選んでいると、
ナギ「……手伝いに来た。」
手伝いという名目でナギがやって来た。
馬「あ……た、助かります////」
再会したばかりのナギに脱衣を手伝ってもらうのは恥ずかしく感じるが、確かに1人でウェディングドレスを脱ぐには苦労しそうだ。
馬はナギの厚意を有難く受けることにした。
馬「そしたら、背中の紐を解いてもらっても、」
ナギ「……ちょっと待て。」
馬「ん?」
ナギ「……着替えの前に、話しておきてぇ事がある。」
そう言いながら、ナギは背中を晒していた馬の身体を前に向けた。
馬「はい?」
馬が強制的に向かい合わされた視線の先には真剣な表情のナギがいて、どうにも拒否がしづらい雰囲気が漂っている。