モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その8)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「…………」
ゲオルグ「…………」
ルイーズ「…………」
まさに三つ巴状態で3人は固まっていた。
しかし、このような気まずいシーンに慣れてしまっている人物がいた。
馬『あの時みたい…』
ナギとの情事の際に邪魔が入る事は馬にとっては日常茶飯事で、つい最近も同じような体験をした。
確か、ルイーズの立ち位置にリュウガがいて、慌てて立ち去ろうとする彼を馬は必死になって呼び止めたのだ。
そうだ、今もあの時と同じように助けを求めないと……
馬「ルイーズさ……助けて。」
弱々しくも、馬はルイーズに助けを求めた。
ルイーズ「馬様っ…!?」
馬のあられもない姿を見て、ルイーズは目の前の2人がどういう状況だったのかを察した。
ゲオルグ「ルイーズ、ノックくらいしろ。」
ルイーズ「も、申し訳ございません!!」
馬を心配するあまり、最低限のマナーを忘れていた。
使用人としてあってはならない事態を引き起こし、ルイーズは反射的に謝罪していた。
ゲオルグ「馬の事は心配ない、お前の処罰も考えてはいない。
だから今すぐ出ていけ。」
ルイーズ「で、でも…」
馬「ルイーズさんっっ、行かないで……んぐッ…!」
ルイーズを留めようと懇願する馬の言葉はゲオルグの手により遮られてしまった。
ゲオルグ「早く出ていけ!」
馬「んんーー!!」
ルイーズ「…………」
ルイーズは絶対であるゲオルグの命令と、大切な馬の懇願と、どちらの言うことを聞くべきか迷っているようだ。
しかし、意外と早くに答えが出た。
ルイーズ「ゲオルグ様!畏れ入りますが。」
先ほどとは打って変わって、ルイーズは毅然とした態度でゲオルグの目を見据えながら口を開いた。
そして、
ルイーズ「馬様を置いてすごすごと出ていくわけにはいきませんわ。」
ルイーズは解雇覚悟でゲオルグの命に背いたのだった。
ゲオルグ「ルイーズ?」
自分に忠実なはずのルイーズが初めて反抗した事実にゲオルグは戸惑い、馬を拘束する手を緩めてしまった。
その僅かな隙を突いて、馬はベッドから抜け出し、ルイーズの元まで駆け寄った。
馬「……ふぇっ……ルイーズさ……ルイーズさんっ…」
ルイーズ「馬様、あぁ、泣かないでくださいませ…」
ルイーズはゲオルグから庇うようにして馬の身体を抱き締めた。
ゲオルグ「どういうつもりだ、ルイーズ?」
馬『ゲオルグさん、怒ってる…』
ゲオルグの声は明らかに怒気を含んだもので、馬はルイーズの腕の中で縮こまっていた。
ルイーズ「ゲオルグ様、明日が式なのに…泣き腫らした顔の馬様を公衆の面前に晒されるつもりですか?」
ルイーズはゲオルグに向かって詰問した。
ゲオルグ「……………」
ルイーズ「それに、昨日まで立つ事もままならなかった馬様が…その…夜中に無理をなさいますと、明日の式でお倒れになるかもしれません。
目を腫らした花嫁が体調不良で途中退場、そんなゲオルグ様の式を見た人々はどう思うのでしょう?」
ルイーズの言うことは尤もだった。
今宵、欲望に駆られて馬の身体を無理に抱いたとしても、彼女の体調が悪化するだけだろう。
それ以前に、ゲオルグには確かめなければならない事があった。
ゲオルグ「馬、」
馬「は、はい。」
ゲオルグ「明日の式は予定通りに行うのか?」
馬「…はい。」
ゲオルグ「それはアイツよりも、自分の妻になる人生を選ぶということだな?」
馬「………はい。」
ゲオルグ「……わかった。」
馬の口から『YES』の答えが聞けただけで充分だった。
ゲオルグ「ルイーズ、」
ルイーズ「はい。」
ゲオルグ「今夜はもう何もしない、だからお前は心配せずにこのまま下がれ。」
ルイーズ「かしこまりまし、」
馬「ルイーズさんと一緒にいたいです!!」
馬は、母親に縋る子どものようにルイーズにしがみついて離れようとはしなかった。
そんな彼女の反応を見て、
ゲオルグ「…………」
ルイーズ「馬様…」
ゲオルグとルイーズは困ったように顔を見合わせた。