モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その7)
こちらで夢小説の名前設定!
本棚全体の夢小説設定このブックはドリーム機能を使用しています。 名前を入れると、登場人物に自動変換します。
名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暫くして、
「馬、」
男性の声で名前を呼ばれた馬は、
馬『ナギさん…?』
と、期待を込めて顔を上げたが、
馬「ゲオルグ、さん……」
声の主は求めてやまないナギではなくて、婚約者のゲオルグだった。
ゲオルグ「ここでは身体を冷やしてしまう、戻るぞ。」
ゲオルグは軽々と馬を横抱きに抱え上げ、部屋まで歩き出した。
馬「……………」
この抱き方は何度もナギにしてもらった思い出がある。
無人島でもされたし、人魚になった時もしてもらった。
その時は純粋に、
馬『ドヒャー////お姫様抱っこ!!』
と、胸をときめかせていた。
ナギの逞しい腕や、間近に感じる彼の体温に非常に興奮した思い出が蘇る。
馬『ダメだ……こんな時にもナギさんを思い出すなんて、ゲオルグさん……ごめんなさい。』
やはりゲオルグに申し訳なくなり、腹部の上側がキュッと痛んだ。
パタン……
ゲオルグは後ろ手に扉を閉めた。
その後は馬をベッドの上に降ろした。
ゲオルグ「遅いから心配した。」
馬「ごめ…なさい…」
馬は涙を流しながら心配させた事を謝罪した。
ゲオルグ「……………」
ゲオルグは泣き顔の馬をジッと見つめている。
馬「すみません…涙…勝手に出て、きます。」
馬はこれ以上心配させるわけにはいかないと必死になって手で涙を拭っていた。
ゲオルグはそんな馬の頭をポンポンと軽く撫でてから、自分の胸元に頭を引き寄せた。
馬『うぅぅ……ゲオルグさんはとっても優しい……』
まだまだナギの死を乗り越えられそうに無い不安定な馬は、ゲオルグの胸を借りてひとしきり涙を流すのだった。
……………………………
ジェフ「……馬様は今日も具合が悪いのか?」
今朝も厨房に馬の姿は無かった。
それどころか彼女はここ最近の食事にほとんど手を付けていない様子だった。
先程の朝食も馬の好きなフレンチトーストを出したのだが、
『体調が悪くて食べられなかったです、ごめんなさい』
という彼女の字で書かれたメモとともにそのまま返ってきてしまった。
ダニエル「心配ですね…」
すっかりジェフに話し掛けられる事に慣れたダニエルも、馬の事を心配していた
ジェフ「……差し出がましいかもしれんが、1度顔を見に行ってくる。」
ダニエル「あ、僕も一緒にお願いします!」
こうしてジェフはダニエルを同伴して馬の見舞いに行く事した。
馬「あれ…ジェフさん、ダニエルさん? いらっしゃいませー。」
ジェフ・ダニエル「……っ…!」
2人は馬の姿を見て絶句した。
言葉では朗らかに2人を歓迎している馬だが、まるで人形かと見間違うような外見になっていた。
一言で言うと、 『全く生気を感じない』 この言葉に尽きる。
数日前まで厨房に顔を出していた馬には、愛嬌があって天真爛漫、人に元気を与えてまわる美少女(※2人は馬の実年齢を知らない)、そんなイメージがあった。
しかし、今は……
馬「ごめんなさい、まだ体調が良くなくて寝間着のままなんです。」
顔色は陶器のように真っ白で、豪快に笑っていた笑顔も儚げに微笑む程度になっていた。 元々小柄だった彼女は度重なる断食のせいでさらに小さくなったように感じる。
ジェフ『……これは…何とか栄養を摂らせないとマズいな…』
料理長ジェフは馬の栄養失調を危惧していた。
ダニエル「その…馬様、また元気になったら厨房に来てくださいね。
馬様がいたら仕事の効率が段違いに上がるんですから。」
気まずい空気を打ち砕こうと、ダニエルが馬に話を持ち掛けた。
馬「はい、また一緒に野菜を切りましょうね、ダニエルさん。」
以前みたいに立って走り回る気力の出ない馬は日中ベッドに座りきりだった。
当然、いつものようなハツラツとした喋り方も出来ずに、楚々とした口調になる。
ジェフ・ダニエル「……………」
その仕草からも今の彼女はやはり生気の感じられない人形のようだと、2人は言葉を失っていた。