モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その7)
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リュウガ「馬達は朝から盛大に、帝国の王族と貴族、さらには各国の軍事関係者を呼んでの派手な式を挙げるらしい。」
ハヤテ「それならナギ兄救出の時より警備が厳重になってんじゃないですか?」
リュウガ「だろうな。」
ナギ「……………」
2人の会話を聞いていたナギだが、自分1人で特攻してでも馬を奪いに行こうと考えている。
トワ「今回はナギさんもいますけど…怪我してますし、大丈夫でしょうか?」
保守派のトワは戦力的に大丈夫なのかと心配している。
リュウガ「まぁ、そこは我がシリウス団の頭脳達が考えてくれている。
な?シン、ソウシ!」
シン「はい……ですが、」
ソウシ「思いっきり罰当たりな内容ですけどね。」
馬の奪還作戦はこうだった。
新郎新婦はまずは誓いの言葉を教会で交わし、次にお披露目を目的とした披露宴を帝国広場で行う段取りになっていた。
その最初の『誓いの言葉』の最中を狙って奇襲を掛ける予定らしい。
シン「モルディルト教の教えでは教会内での武器の持ち込み、使用は禁止されてます。
教会外の警備は厳重でしょうが、馬の周囲の人間は丸腰のはず。」
帝国の国教であるモルディルト教は信仰する神に対して忠実で、決して反抗する姿勢を見せてはいけないという教えがある。
それ故、軍事主義の帝国だが、教会内だけは絶対に武器の持ち込みは不可とされている。
例えそれが軍人だとしても。
今回、馬達はモルドー帝国イチ巨大なモルディルト教会で『誓いの言葉』を交わすらしいので、間違いなくモルディルト教典に則ったスタイルになるだろう。
ソウシ「信仰心を突いて、私達は武器を持って突入する……と。
少し心が痛みますけどね。」
リュウガ「良いじゃねぇか、俺達は信者じゃねぇし。
罰当たり?んなもん天下の海賊王リュウガ様からしたら誉め言葉みてーなもんだぜ!」
リュウガはガハハと笑ってすぐ横にいたハヤテの背中をバシッと叩いた。
ハヤテ「イテっっ!」
他にも、シンとソウシは『海賊らしからぬ奇襲法』についても説明した。
とにかく、鍛えぬかれた軍事関係者達の中を少数精鋭すぎる人数で切り抜けなければならないのだ。
普通の奇襲では馬を拐うことは難しいだろう。
リュウガ「面白ぇ作戦だな、気に入った!!」
奇抜で派手な事を好むリュウガは不敵な笑みを浮かべながら作戦の実行を了承した。
……………………………
深夜……
馬「………っ!!」
悪夢を見ていた馬は身体をビクッと震わせながら目を覚ました。
ゲオルグ「……どうした。」
馬を抱くようにして眠っていたゲオルグも同時に目を覚ましたようだ。
しかし、彼の声は非常に気だるそうなものだった。
馬「トイレに行ってきます、寝ててください。」
ゲオルグ「……………」
馬の声を聞き届けたゲオルグは再び眠りに就いた。
連日の激務に加えて、昨日は一晩中馬が取り乱していたせいでほとんど眠れていない。
屈強な彼でも疲労はたまっている。
パタン…
馬はそっと部屋から抜け出した。
馬「……………」
方向音痴な馬でも、トイレの場所だけはきちんと覚えていた。
嘔吐感に苛まれていた彼女は、そこで胃液を吐き出してきた。
何も食べてないのに、それでも人間は吐くことが出来るのか……そう認識しながら馬はトイレを後にした。
馬『ナギさんに会いたい…ナギさんに会いたい…ナギさんに会いたい…』
馬はぼんやりと考えながら広い廊下の隅に腰を下ろした。
彼女は今、ナギを失った喪失感と、ゲオルグに対する罪悪感とで精神的に押し潰されそうになっている。
ナギの命を救うためにゲオルグとの結婚を決意した。
それなのにナギはもうこの世にいない……自分は何のために結婚するのだろう……けれどもゲオルグはこんな優柔不断な自分にとても良くしてくれる。
それなのに、未だ彼との結婚に躊躇う自分がとても情けない……
馬『うぅ…全部忘れてナギさんに会いたい…』
思考が纏まらずに、馬は心の中でナギに縋った。
心身共に弱り切っている彼女は普通の乙女と変わりなく膝を抱えて泣くしかなかった。