モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その6)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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……………………………
馬「………………」
馬は声を出すこともなく、ただ瞳から涙をこぼし続けるのみである。
外で降る冷たい雨が、彼女の涙を助長するかのようにピチョンッ、ピチョンと小さく窓を打っていた。
ルイーズ『……もう我慢出来ないっ!!』
ルイーズは情に厚いタイプの人間だった。
あまりにも悲痛な馬の姿に堪えきれず、とうとう彼女はゲオルグの言い付けを破る事にした。
ルイーズ「馬様、絶対に自害なんてしないでくださいね!」
ルイーズはベッドに上がり込み、馬の噛ませ布を解きに掛かった。
馬「……?」
ずっと監視しているだけだったルイーズが急に拘束を解こうとしたので、馬は不思議に思った。
ハラリと、噛ませ布がベッドの上に落ちた。
馬「ルイーズ…さん……?」
昨晩から混乱して泣き叫び続けていた馬の声は掠れていた。
ルイーズ「今、馬様が自害なさったら私も監督不行き届きとしてゲオルグ様に処刑されちゃいますからね?
絶対にやめてくださいね。」
馬を元気付けようとルイーズはわざと明るく話している。
しかし事情を知らない彼女は、今の馬にとって禁句の『処刑』という言葉を口にしてしまった。
馬「ふ……っ………ヒッ…わぁぁぁぁぁぁ………!!!」
再びナギが処刑されてしまった事実を思い出し、馬は声を上げて泣き出した。
ルイーズ「馬様!?」
ルイーズは慌てて馬を抱き締めた。
ルイーズ「馬様、どうしてそんなに悲しまれるのですか?
どうかルイーズに理由を話していただけませんか?」
馬「……ふっ……グスッ…」
次第に馬の涙も収まってきた。
ルイーズに抱き締められていると、ナギの時と同様に、とても心地よかった。
母性愛に飢えている馬は女性に優しくされると子どものように全てを曝け出したくなる。
何よりも、馬とルイーズ、奇人と変わり者同士の2人は、出会った当初からすこぶる相性が良かった。
馬は信頼しているルイーズを相手に、今までの出来事を話してしまおうと思った。
馬「………うっぐ………だ、……大事な……ヒッ……人がっ……ヒグッ……」
ルイーズに事情を話そうと決意したまでは良かったが、ずっと泣いていたせいで泣き癖が付き、何度もしゃくり上げてしまって話せない。
それに気が付いたルイーズは、
ルイーズ「馬様、ゆっくりで構いません。
ほら、深呼吸しましょう、深呼吸、フーッ…」
馬の背中を擦りながら深呼吸を促してやった。
馬「……ヒグッ…」
彼女の優しさに、ますます泣きたくなってしまう。
馬「る、ルイーズさん……さ、最初からっ……聞いてください……」
それを堪えて、今度は全て説明する事が出来た。
ルイーズ『まさかそんな事…』
ルイーズは口には出さなかったが、馬から聞いた話があまりにも衝撃的な内容だったので驚いていた。
馬が言葉に詰まりながらも喋った内容は…
馬はヤマトに住んでいたが、誤って乗る予定の無かった船に乗ってしまった事。
その船の乗組員達は親切にしてくれて、彼らの中でも特に仲良くなった人物がいる事。
モルドー帝国で、仲の良い、つまりは馬の恋人が捕まってしまった事。
彼を捕まえたのは馬の弟と、その上司のゲオルグだという事。
恋人はすぐに処刑される予定だったが、ゲオルグと結婚すれば処刑は免れるという話を持ち掛けられた事。
結婚を承諾したのに、昨晩、恋人の死をゲオルグの口から聞かされた事……馬はこれらの内容を全てルイーズに伝えたのだった。