モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その6)
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ナギの脱獄が成功し、シリウス号まで無事に帰還出来たその日まで話は遡る……
ソウシの手当てを受けていた時に、ナギは初めて馬が結婚する事を知った。
自分の事を愛していると言っていた彼女の突然過ぎる鞍替え婚に、ナギは違和感を感じずにはいられなかった。
牢獄で聞いたタケルの言葉も気に掛かるし、きっと何か理由があっての結婚だろう。
絶対に馬を1人で帝国に残しては行けない……と、ナギは単独でも彼女を連れ戻しに行こうと決心したのだが、ソウシに止められてしまった。
さらにそこに、
リュウガ「話は聞かせてもらったぜ!!」
と、リュウガまで加わって来たのだった。
リュウガ「本当に馬を連れ戻すつもりか?」
ナギ「………はい。」
ソウシ「しかし、船長、馬ちゃんの事を思えばこのままの方が……」
リュウガ「だよな。
海賊船なんかに乗ってるよりも、帝国軍のエリート軍人と結婚する方がぜってー将来は安泰だぞ?
……それでもか?」
ナギ「はい。」
ナギの答えは即答だった。
リュウガ「ふぅん……お前がそこまで言うなら俺も全面的に協力するしかねぇな!」
ソウシ「船長!?」
リュウガ「ただし、連れ戻した後はちゃんと馬の事を責任取ってやれよ?」
リュウガはジッとナギの眼を見据えながら告げた。
ナギ「はい。」
対するナギも、リュウガを真っ直ぐ見返しながら答えた。
リュウガ「良い返事だな。
よっしゃ、決まりだ!
ソウシ、馬を迎えに行くぞ。」
ソウシ「ですが、」
ナギ「ドクター、もしかしたら馬は結婚相手と何か取り引きをしてるかもしれない。」
ソウシ「え、」
リュウガ「…そりゃ、あれだろ。
ナギが捕まったっていう号外新聞と思いきや、アイツの結婚記事だったしな。
きっとそれ関連の契約を裏でやってるんだろ。」
ソウシ「……………」
ソウシも思うところがあるのだろう、真剣な顔付きで何かを考えているようだった。
……………………………
ジェフ「おい、馬様は?」
今回の昼食時にも馬の姿は厨房に無かった。
毎食の調理時間に必ず現れていた彼女がいないと、料理人達は違和感を感じてしまう程になっていた。
ダニエル「さ、さぁ…来てませんね。」
朝寝坊の理由は考えられたが、現在の不在の理由はダニエルには出てこなかった。
馬の分の食事を用意せよとジェイガンから申し付けられたからには、邸内にいるはずなのだが……
シリウス号に乗船した当初から馬はナギの調理補助として密かに活躍していた。
また、無人島でナギとの仲を深めてからというもの、ますます彼の欲しい材料や調理器具を絶妙なタイミングで渡したり、言われなくとも的確に材料を切っておいたりと、まさに阿吽の呼吸で馬は手伝いをこなしてきた。
ゲオルグ邸の厨房でもその時の勘を遺憾なく発揮しており、ジェフの手元に塩が無かった際は、
ジェフ「………おい、」
弟子達に尋ねようとした瞬間に、背後でメモを取っていた馬が、
馬「あ、塩です!」
と、彼が『塩』の言葉を発する前に渡すのだった。
このような事が幾度も続き、実はここの厨房でも馬の存在は大きくなりつつあった。
ジェフ「………馬様の好物って何だ?」
ダニエル「え…」
普段は口数の少ないジェフが今日に限ってたくさんダニエルに話し掛けてくる。
ジェフからすればダニエルが1番馬と接していたから、という理由で尋ねたに過ぎなかったが、厨房の中で1番下っ端のダニエルにとっては料理長かつ、かつて世界で認められていた超一流の料理人ジェフはまさに雲の上の存在だった。
ダニエル「な、なんだったかなー…」
ジェフと話す機会が滅多に無かったので、ダニエルはどうしても気後れしてしまう。
ダニエル「えーっと、前に住んでた所で食べたハンバーグが好きらしいです。
それと、料理長のフレンチトーストの事をよく話されてましたね。」
ダニエルは、馬と横に並んで材料を切っていた時の会話をなんとか思い出しながら答えた。
ジェフ「……そうか。」