モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~(その3)
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馬「そうだね、ゲオルグさんは優しいよね。」
ランバート城で彼に果実を採ってもらったり、道案内をしてもらった経験から、馬もゲオルグの性根の優しさはわかっているつもりだ。
高貴な身分で容姿端麗、さらには文武両道で性格にも非の打ち所のないゲオルグからの求婚は世の女性の憧れだろう。
しかし、
馬「でもね、私はナギさんとしか結婚したくないな。
ナギさん以外の人と結婚するってなったら頭を全剃りして出家するよ……」
馬は呟いた。
タケル「……………」
姉の頑なな態度に、タケルはある話を持ち掛けた。
タケル「あのな、馬。」
馬「ん?」
タケル「『恩赦』って言葉、知ってるか?」
馬「『恩赦』…?」
その言葉はシンの学科の授業で聞いた事がある。
馬『確か……帝国法の勉強の時に聞いた気がする。』
馬が思い返していると、タケルの方から軽く説明がなされた。
タケル「王族の中でめでたい事があると、犯罪者にも恩典で刑が軽くなるって事な。」
馬「そうだった、少し聞いた事がある。」
タケルの補足を受けて、馬は完全に思い出すことが出来た。
タケル「多分、ランバート大将の婚礼でも適用されると思う。」
馬「……………あっっ!!」
少し考えてから、馬はタケルの言いたい事を理解した。
(※タケルの言う『恩赦』はモルドー帝国内での話です。実際の意味は『裁判によって確定した刑の内容を国家的慶事などの計らいによって軽減・免除すること』です。)
モルドー帝国は世界屈指の軍事国家である。
それ故、軍事関連の祝い事も国家的慶事として扱われるという。
『恩赦』制度が適用されたのは今から数年前、帝国の第3王子の婚礼の時だった。
この時は、第3王子が以前訪問した牢獄の囚人達が減刑対象になったという。
第3王子の婚礼で適用されるなら、帝国軍のナンバー2、家柄も『公爵』と、位の高いゲオルグの結婚でも国家的慶事として扱われるだろう、というのがタケルの見解だった。
タケル「公開処刑のアイツに恩赦が適用されたら……そうだな、『終身刑』ってところか。」
馬「…………」
馬の中で思考がグルグルと渦巻いていく。
タケル「一生表には出られねぇけど、処刑されるよりかはマシなんじゃね?」
馬「タケルくん、そんな話を聞かされると……」
タケル「あぁ、決めるのは馬だ。
それと、ランバート大将は賢い。
俺がこの話を馬にすると見越して部屋に2人きりにさせたんだと思う。
それほど大将はお前と結婚したいって事だろうな。」
馬「…………」
タケルの言葉には、ゲオルグは馬がナギの事を好きなままでも良いから結婚したいという意味が含まれていた。
馬『ナギさんが処刑されずに済む…』
ますます馬の気持ちは揺らぐのだった。