シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その6)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ナギはただ事態を見守るしか出来なかった。
トワの頭上に何か虫が落ちてきた…本当に一瞬の出来事だった。
たちまち上がるトワの悲鳴。
次の瞬間、馬が自らの腰からトングを取り出し、あっという間に虫(と少しのトワの髪の毛)を掴んだ後は、彼女自身も悲鳴を上げたのだった。
トワ「うわーーー!!」
馬「ぎゃぁぁぁあ!!な、な、な、ナギさん!!!掴んじゃったぁあ!!!!!!!助けてぇぇぇええ!!!!」
とりあえずナギはトングごと受け取り、船外に虫を投げ捨てに行った。
前から感じていたが、やはり馬はいざという時に非常に素早く動けるようだ。
再び倉庫に戻ると、そこで見た光景に唖然とした。
ナギ「……!」
虫如きで涙ぐむトワを馬が背中を擦りながら慰めているではないか。
トワ「…うぅっ……馬さん……すいません、僕……速い系の虫が……ホントにダメで……」
馬「うんうん、今ナギさんが何とかしてくれてるからね。 きっと夕飯にでも出してくれるんじゃないかな。」
トワ「ゔっ…それ励ましになって無いです…」
ナギ「…おい、トワ。船乗りのクセにフナムシぐらいで泣いてんじゃねぇ。
ほら、馬も部屋にマット置きに行くから手伝え。」
思わず2人を引き剥がしにかかる。
さっきからこの2人は距離が近い気がして苛立ちが増す一方だ。
馬「はーい、じゃあトワ君、さっきの約束お願いね。」
トワ「……うぅ……わかりました……」
ナギ「………」
やはりイライラする。
……………………………
馬「重くないですか?私も持ちますよ?」
ナギ「……………」
ナギは馬にマット運びを手伝えと言っておきながら、結局自分1人の力で部屋まで運んでしまった。
マットを敷くスペースを確保するナギと、手持ち無沙汰になる馬。
そんな馬はまだ完全に設置されていない、畳まれた状態の新マットに目を付けた。
馬「よっと!」
ポスンと新マットの上に座り、座り心地を確認する。
馬「こ、これは…!!尻が包み込まれていく!!ナギさん、これなら痔の心配は、」
ナギ「黙れ。」
馬「…………」
静かに座って待つ馬。
ナギ「……広場。」
馬「え?」
ナギ「広場に行く予定だったんだろ?」
馬「あぁ、それなら私、護衛の仕事があるから行きませんよ。」
ナギ「……俺も広場まで行く。それなら良いだろ?」
馬「 ナギさんが行くなら、勿論私も行きますけど…」
ナギ「……じゃあ、昼食後な。」
馬「だ、大丈夫っすかね…?」
勝手にナギと広場まで行く事になってしまった。
本来なら大喜びしているはずの馬なのだが、今は不安の方が勝る様子だった。
……………………………
昼食時、船内食堂ではシリウスメンバー全員が揃っていた。
各自必要な用事は既に済ませており、後は出航を待つのみのようだ。
皆が揃うと、いつものハイパーナギ給仕を見る事が出来る。
馬はおかずを頼むどころか、そのナギの給仕姿をおかずに米を食べていた。
ハヤテ「お前…、米しか食わねぇのかよ……」
食に関してうるさいハヤテがそんな馬の様子に驚いている。
馬「はい、皆さんイケメン達をおかずに美味しく白米をいただいております。
ハヤテさんを見ながら食べると口の中で肉汁が広がる気がして最高ですよ!」
ハヤテ「………ぁ、ああ。良かったな。」
ハヤテは急速に馬から心の距離を取っている。
トワ「馬さん、この後どうなりそうですか?」
隣の席に座るトワが馬にだけ聞こえる声量で話し掛けてきた。
馬「ドッジボールをした広場にナギさんと行ってくるね。トワ君は尾行をお願いね。」
トワ「わかりました。何か武器を持って行こうかな…」
トワと馬の秘密会議である。
ナギ「………」
ナギはさっきから2人でコソコソとされているのが気になって仕方がなかったのだが、もう1点気になったことがある。
ナギ「……馬、ちゃんと食え。なんで白米だけを食べてるんだ。」
馬「………」
馬はじーっとナギを凝視しながらまた白米だけを口に運んだ。
馬「へへっ、今日は皆さんが私のおかずなんです♪」
ナギ「…………」
なかなかに気持ちの悪い回答を聞いたナギは絶句してしまった。
ソウシ「馬ちゃん!私の卵焼きあげるからちゃんと食べなさい。」
馬「はーい。ありがとうございます!」
こういう時に頼りになるのがソウシである。
馬の扱いにはすっかり手慣れている。