モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ソリア「絶対駄目よ馬ちゃん、あなたが行く事なんてないわ!」
ソリアが必死の形相で馬を止めようとしているが、
馬「ソリアさんはヨシュア、ちゃん?の方を何とかしてあげてください!
それに折角ナギさんと再会して〜、からのアベックになれたんだから、住み込みのメイドなんて無理ですよ。
ここは私が適役です!」
馬は胸を張ってその制止を跳ね退けた。
ソリア「ちょ、ちょっと待って、馬ちゃん、私は、」
スタンレー「おい、何をごちゃごちゃ言ってるんだ!
黒髪の女、さっさと馬車に乗れ!
このまま屋敷に行くぞ!!」
スタンレーはすっかり馬の方にご執心のようで、ソリアと会話を続ける彼女の様子に焦れてしまっていた。
馬「はいはい、わかりましたよ。
それではソリアさん、ナギさんによろし、」
スタンレー「早く来い!!」
馬「あっ、私の荷物〜!!」
スタンレー「うるさい!!」
馬はソリアへの挨拶もままならない状態で、さらには自身の荷物を手にする隙もなくスタンレーに引き摺られるようにして馬車に押し込められた。
馬「ちょっ!!私の荷物がぁ〜………」
バタンッ!
馬の訴えもむなしく、無遠慮に馬車の扉は閉められてしまった。
ソリア「馬ちゃん!!
馬ちゃんっっ!!」
ソリアは必死になって馬の名前を叫んでいたが、無情にも馬車は蹄の音を高らかに響かせながらあっという間に遠退いてしまった。
ソリア「ど、どうしよう…」
重傷を負うヨシュアを抱えたソリアには追い掛ける術も無く、ただ呆然と馬が乗せられた馬車を見送るしか無かった。
そして、そんなソリア達のすぐ傍に、馬の大きな鞄がポツンと置かれたままになっていた。
……………………………
「あの連れていかれた娘、可哀想になー。」
「また奴隷のように扱われて、飽きたらその辺に捨てられるんだろうな。」
「全くあの侯爵は悪魔のような男だよ…」
ソウシ「何かあったのかな?」
馬の行方を探していたソウシとナギは、広場の一角に人だかりが出来ていたので、馬が何かを仕出かしたのかもしれないと予測し、やって来たのだが……
「子どもの方も心配だね、酷くグッタリしてるじゃないか。」
「あの姉ちゃんは身をもって子どもを庇ったんだな…」
さっきからちらほらと聞こえてくる会話は、不穏な内容ばかりだった。
ナギ「……誘拐、と何かの事故みたいですね。」
ソウシ「もし怪我人がいたら私の出番かもしれないな。
とにかく行ってみよう。」
ナギとソウシは目立ってしまう可能性も憚らずに、人だかりの中へと突入していった。
群衆の中に入ってすぐ、
ナギ「……ソリア!?」
ソリア「ナギ!」
一目で重傷とわかる怪我を負った子どもと、その子どもを抱えて困り果てているソリアの姿を見付ける事が出来た。
ナギ「……何でお前が、」
ソリア「あの……」
ナギとソリアは少しぶりの再会にも関わらず、お互いにどこか気まずそうにしている。
ソウシ「ソリアさん、その子どうしたの!?」
そんな2人を尻目に、ソウシは怪我人の容態を尋ねた。
ソリア「ソウシさん!
あぁ、良かった、ソウシさんはお医者さんだったわね。
ヨシュアちゃんが馬車に轢かれてしまって、私、事故自体は見て無いんだけど、馬ちゃんが頭を打ってるかもしれないから気を付けろって…それで、」
医師であるソウシの登場に余程安堵したのか、気が抜けたソリアの説明は文脈が滅茶苦茶になっていた。
ナギ「……馬がここに居たのか?」
ソリアの口から馬の名前が出てくるとナギはすぐに反応した。
ソリア「えぇ、居たんだけど、今は居なくて、それで、」
ソウシ「えっと、この子は馬車に轢かれたんだね?
で、馬ちゃんもここにいて、アドバイスをしたって事で良いのかな?」
ソウシは医師としての立場上、混乱している患者の説明を聞く事には慣れている。
今もパニックになっているソリアの言い分を的確に理解しているようだ。
ソリア「は、はい……でも馬ちゃんが馬車に乗ってた貴族の人に拐われて……」
ナギ「馬が拐われた?」
嫌な予感はしていたが、野次馬達が噂していた『連れていかれた娘』とは馬の事だったようだ。
その事実を知ったナギは全身の血液が一気に冷え渡るような感覚に陥った。