モルドー帝国・後編~死刑囚と純白の花嫁~
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スタンレー「ほら、ここを見てみろ!」
スタンレーは馬車の破損部分を指差した。
貴族流のこだわりがあるようで、彼の馬車は市民の交通馬車とは異なり、かなり華美な装飾がなされているのだが、その車輪近くの黄金飾りが少しばかり欠けていた。
スタンレー「これはな、貴様らが一生働き続けてもお目に掛かる事ができないような金で出来ているんだぞ!!」
スタンレーはソリアだけではなく、周囲の聴衆にも聞こえるようにわざとらしく叫んだ。
どうやら彼は金がどれだけ貴重な物なのかをアピールしているようだ。
しかし、
馬『金ならこの指輪もそうなんだけど…』
馬が常に持ち歩いているナギの為の結婚指輪も金で出来ていた。
馬『結局、このおっさんは何が言いたいんだろう…』
馬は静かに様子を伺っている。
ソリア「だからと言ってこんな幼い子どもを殺せと言うの!?」
裕福な貴族令嬢から庶民になったソリアは金銭面において随分苦労をしてきた。
今まさにスタンレーから金銭的な要求をされるかもしれないと怯えながらも、それでもソリアは言い返した。
スタンレー「フン、貴様は余程その子どもを殺して欲しくないみたいだな。」
ソリア「そんなの当然よ!」
馬「当然だ当然だー!
よ!ソリアさん!!」
スタンレー「ならば貴様がその子どもの代わりに弁償するのはどうだ?」
ソリア「……え、」
馬「どういうことだ、悪代官っ!」
スタンレーの悪役ぶりが次第に発揮されてきたのと同じくして、段々馬の野次もノリに乗ってきた。
スタンレー「(あくだいかん…?) なぁに、簡単な話だ。
破損した部分の弁償を、貴様がワシの屋敷で労働することによって返すのだ。
何度も言うがワシは優しいからな、それで許してやるぞ。」
スタンレーのニヤニヤ具合は最高潮に達している。
その顔付きからして、実態は労働だけでは済まされない事を表している。
ソリア「……………」
ソリアにもスタンレーの意図が読めたのだろう、彼女の額に嫌な汗が浮かぶ。
ところが、
馬「え!本当に優しいじゃないですか!!」
その条件に馬の方が食い付いた。
スタンレー「はぁ!?」
ソリア「えぇっ!?」
馬はすっくと立ち上がり、
馬「労働と言うことはメイドって事で良いんですかね?」
自らスタンレーの元まで近付き、詳しい労働条件を尋ねだした。
スタンレー「な、なんだ貴様は…」
馬の怒濤の食い付きぶりに、スタンレーでさえ引き気味になっている。
馬「なんだ、と言われましても、私はちょうどメイドの仕事を探してたんですよ、悪代官様!」
スタンレー「だからあくだいかんとは何のことなのか……ん?貴様もなかなか…」
馬の顔を間近で見たスタンレーはソリアの時と同様、舐めるような眼差しで彼女の全身をくまなく凝視した。
馬「もう、ジロジロ見過ぎですよ、スケコマシ大名!!」
スタンレーがヤマト言葉に強く無いことを良いことに、馬は好き放題に吐き捨てている。
スタンレー「スケコマシだいみょーとは何のことだ?」
挙げ句の果てに、
馬「私が被害者の代わりに弁償分働くって言ってるんですよ!
雇うんですか?雇わないんですか?
さっさと決めてください、助平大名!!」
馬の方から強気で迫っていた。
過度な寝不足が馬のテンションをおかしくさせているため、今の彼女の勢いは大きな波に乗っていた。