シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その6)
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ふとナギが身じろいだ気配がしたので、馬も目を開けた。
窓から射し込む陽光の様子から、まだ早朝だと窺える。
馬「もう起きるんですか?大将。」
馬は声を掛けると同時にナギの当面の予定も聞いてみた。
ナギ「………迷ってる。」
迷っている割には非常に眠たそうな彼の雰囲気が伝わってくる。
馬『また今夜からは船の床だし(※最近の馬はナギと共に床で寝ている)、 今のうちにこのダブルベッドを満喫しとこ。
さぁ2度寝するぞー!』
と、気合いを入れた途端、 グィッ と腕を掴まれた。
馬「あぃ?」
ナギ「……………」
犯人は寝ぼけているナギだった。
ナギ「……ヤらせろ。」
馬「無理です!おやすみなさーい………スピー……」
寝ぼけたナギのセクハラ発言を華麗に退けた馬は、あっという間に二度寝した。
本日はシャハイ島最終日。
出港に備えて馬は体力を温存しておきたいのだ。
シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その6)
ナギ「………忘れ物は無いかしっかり確認しろよ。」
ナギはベッドの上に置いた荷物をどんどん鞄に詰めていく。
そして、馬はそのナギの鞄にどんどんチリ紙を詰めていく。
ナギ「……何してんだ?」
馬「はい、ナギさんが夜に使うであろうチリ紙を、」
ナギ「全部出しておけ。」
ナギ「…よし、荷物を置きに行くぞ。」
馬「合点承知!!」
船に荷物を置きに行った後の予定だが、ナギは最後の買い出しに、馬は虫達の様子を見に行く予定にしている。
馬「あ、ナギ様!ちょいとお待ちを!」
ナギ「………?」
馬はナギの手を取り、
馬「ハァハァ!ホテルで最後に愛でるナギ様の手!!悲しいけれど嬉しい一時……この手の温もりフォーエバー!!!」
鼻息荒く、目を輝かせて語る彼女は本気でそう思っているのだろう。
馬はナギの手に頬をすり寄せ、幸せそうな顔をしている。
つい先日まではこんな馬の行動に引きに引いていたナギだったが、あまり嫌とは思わなくなってしまった。
慣れとは恐ろしいものである。
ナギも空いている方の手を使い、馬の頭を自分の胸に寄せる。
馬「なんと!!出血大サービス!?」
馬は舞い上がる一方である。
ナギ「…………」
寡黙なナギは一言も喋らず、馬の頭を軽くポンポンと撫でてやるとすぐに解放してやった。
馬「ナギ先輩は仕草も全部おっとこまえやでぇぇぇ////」
イケメン動作に陥落した馬を残し、ナギは先に部屋を後にした。
……………………………
シン「……お前ら、一緒だったのか。」
船に戻って部屋に入る直前に、シンが声を掛けてきた。
彼はたまたま居合わせたわけではなく、何やら馬に用があって待ち構えていたようだ。
ナギ「……………」
馬「おっ、久々のシンさん!
そうですよ~、ナギさんに道案内をしてもらったり、ボールの投げ方も教えてもらいました!」
馬はニコニコと嬉しそうにしながら今まであった事をシンに報告した。
シン「……ますますナギのペット化に磨きが掛かったな。 それで、抱いてもらえたのか?」
あまりにもストレートな質問に馬は色んな物を吹き出した。
馬「ビュホッ!!! ちょっ、何言ってんっすか!? 私、鼻水出ましたよ!!!」
反射的に馬は言い返したが、
シン「…その様子だとまだのようだな。 まぁ、ナギもこんな鼻水垂らした女を抱きたいとは思わないか。」
凄く楽しそうに言葉責めで返すシンの方が上手である。
シン「俺の部屋でも片付けて女を磨くんだな。」
要約:私の部屋を片付けてください。
馬「くっ…セクハラ航海士め……すっとこどっこい!」
要約:わかりました、すっとこどっこい。
シンとの会話を終えた馬はナギの部屋に入り、荷物の整理をしなければならない。
馬「ナギさん、ここのスペースに私の荷物を置かせてもらっても良いですか?」
今回の島での買い物で馬の荷物がそれなりに増えてしまったのだ。
スペース使用の許可を部屋主に得なければならない。
ナギ「………そこの棚も一ヶ所空いているから使って良い。」
馬「え、そのスペースにナギさんの秘蔵コレクションを隠さなくて良いんですか?ボーイズラ、」
ナギ「やっぱ貸すのは辞めだ。」
馬「すみません、調子に乗りましたぁっっ!!」
馬に余計な一言が多いのは今に始まったことではない。
馬「?」
とろとろと遅いペースで片付けをしていた時に、何故だか馬の肌が粟立った。
馬『…何だろう。』
ナギ「…どうした?」
いきなり電源が切れたように静止した馬を訝しく思ったナギが声を掛ける。
馬「ナギさ…ん!?」
振り向いた馬はナギの顔を見てまた固まってしまった。
ナギ「……何だよ。」
ナギに睨まれても馬は彼の顔を凝視し続け、
馬「この後の買い出しは止めて、ずっと船にいましょう、ね?」
と、わけのわからない提案をし始めた。
ナギ「…そんなわけいくか。皆が飢える。」
ナギは料理人として至極当然なことを答えた。
馬「じゃあ私も連れていってください!」
ナギ「………」
馬のあまりの剣幕に、ナギは頷く事しか出来なかった。
全く意味がわからなかったが。