モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その6)
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私達の生活が一気に変わったのは8歳の時でした。
タケル「ただいまー」
タケルくんが元気よく家に入って、その後ろで私が扉を閉めます。
2人で外から帰って来た時はいつもこんな感じで家の中に入ります。
でもその日はいつもと様子が違っていて……
タケル「…………」
馬「タケルくん…?」
タケルくんは部屋の中に入らずに何かを見て固まってました。
撫子「………んっ、…や、やめ……」
馬「!?」
裸の姉ちゃんに複数の男の人がいじめてる……私にはそう見えました。
「お前、弟だっけな?
悪いけどお前の親が借金作っちまってな。
姉ちゃん達に働いて返してもらうことになったんだわ。」
1人だけ服を着た怖い顔のおじさんがタケルくんに向かって言いました。
タケル・馬「…………」
「もう1人姉貴いるだろ?そいつは何処にいる?」
撫子「ま、待って!……………タケル、トオヤを……家に帰してきな……トオヤ、2度と家に来るんじゃないよ…」
「オラ、無駄口叩いてんじゃねぇ!」
撫子「うっ…!」
「お前、トオヤか?」
怖い顔のおじさんが私の事を見て聞いてきました。
私はこの時も髪が短くて、服も全部タケルくんの服を借りてたからおじさんには男の子に見えたのかもしれません。
馬「…………」
私は黙って頷きました。
「今日見た事は忘れるんだな。」
タケル「トオヤ、行くぞ!!」
馬「で、でも、」
タケル「姉ちゃんが家に帰れって言ってんだろ、早く!!」
馬「うん…」
撫子姉ちゃんが私の事を『近所の男の子』というふうに言ってくれたので、あの人達が探してる『もう1人の姉貴』は見付からずにすみました。
『トオヤ』はお姉ちゃんの1番長く付き合ってた元カレさんの名前で、私にも優しくしてくれたおにいちゃんです。
でも死んじゃってもういません。
お姉ちゃんの口からすぐに出た名前が『トオヤ』だったのは、まだお姉ちゃんはトオヤにいちゃんの事忘れてないってことなのかな……ボーッとする頭でそんなことを考えながら公園まで逃げました。
……………………………
馬「……!!」
馬はハッと目を覚ました。
ファラオの寝袋の顔部分を閉じていたからか、大量の汗をかいている。
馬『…うぅ…』
しかし、今は汗で冷たくなった衣服の事よりも他に気に掛けなければならない事があった。
馬『き、気持ち悪い……』
馬は猛烈な嘔吐感に苛まれていた。
馬『もう……無理っっ…』
限界を感じた馬は慌ててハヤテの部屋から飛び出した。
バタンッ!!
と、強めの扉の閉まる音でハヤテも目を覚ました。
ハヤテ「ん……どうかしたか…?」
ハヤテは体を起こし、ベッドの下で寝ている馬の様子を確認すると、
ファラオ「……………」
暗闇の中、ファラオが無言で鎮座していた。
馬が器用に抜け出したため、寝袋の膨らみは潰れておらず、そのまま中で彼女が寝続けているように見える。
ハヤテ『気のせいか…』
異常無しと判断したハヤテは、再びベッドに横たわり眠りに就いた。
……………………………
ミゼル島での出来事があってからというもの、馬は古い記憶の封印が解かれたかのように、辛い幼少時代の夢を見るようになっていた。
さらに厄介なことに、それらの夢を見ると決まって彼女の体調も悪くなってしまうのだが、今宵も例外なく気分は最悪で、吐き気まで催していた。
馬『うぅぅ……いつものパワースポットに行きたい…』
吐気が収まってから洗面所を後にした馬は、ふらつく足取りで目的の部屋まで歩いていく。
馬『本人は不在だし、忘れ物を取りに来たって思えば良いよね…』
と、自分に言い聞かせながら、馬はナギの部屋の扉を開けた。