モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その3)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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……………………………
「お気を付けてお帰りくださーい!!」
ソウシ「あの店員さん、明らかに舌打ちしてたね。」
馬「いやいやいや、猥談で盛り上がってた私達が悪いですよ……って、くぅ〜、夜風が脳に響くぅ!
おっとっと、すみません!」
シン「…………」
夜風に当てられ、思わず身体がよろめいてしまった馬をシンが無言で支えてやる。
今宵の彼は密かに馬に心惹かれているので、いつもよりお触り率が高い。
加えて、彼女の保護者(ナギ)が不在というのもあって大胆に振る舞っているのだろう。
馬「シンさん、ありがとうございます。
またもや無礼を働いた私をお許しください。
藻屑コースはどうかご勘弁を……」
シン「フン、別に構わない。
ほら、船に戻るぞ。」
シンは馬の手を繋ぎ、そのまま歩き出した。
馬「おぉ、おぉ、ありがたいのぅ……最近の若い子は捨てたもんじゃないねぇ。」
馬は、シンの優しさを『老人を労る若者の優しさ』と同等のものだと履き違えている。
2人の一連のやり取りをソウシはずっと眺めていた。
ソウシ『シンってもしかして馬ちゃんのこと……』
洞察力に優れている彼は、シンに対して思案している。
酒場を出て少ししてから、
シン「ドクター。」
馬「アタッ!」
シンがソウシに声を掛けた。
いきなり立ち止まられたものだから、前を見ていなかった馬はシンの肩にぶつかってしまった。
ソウシ「どうかした?」
シン「アレ。」
シンは顎をクイと動かして前方を指し示した。
彼の視線の先を見てみると…
馬「お、ナギさんとソリアさん!」
ソウシ「しーっ、馬ちゃん。」
シン「立て込んでそうだな。」
馬「ふぉ?」
ソリア「あの、もし良かったら……また明日も会ってくれない?
貴方の予定が空いていたらなんだけど。」
ナギ「あぁ、わかった。」
ナギは反射的に答えていた。
彼自身もソリアとの再会を喜び、また、今夜共に過ごした時間が楽しかったのだろう。
ソリア「本当?嬉しいわ!」
ナギの了承を得られたソリアは満面の笑みを浮かべた。
そして、彼女も反射的に、
ギュッ……
と、喜びの抱擁をした。
ナギ「……危ねぇな。」
急に抱き付かれたナギはバランスを保つため、ソリアの腰に手を回すこととなった。
馬「うぇぉよぇぅぁっっっ……」
混乱する馬が見ている光景は、ナギとソリアの抱擁シーンだった。
ソウシ「あちゃー…」
シン「馬、残念だったな。」
馬と同じ光景を見ていたソウシとシンも、『ナギはソリアを選んでしまった』と確信したらしい。
……………………………
ナギ達に見付からない内にその場から去った馬達だったが、シリウス号への帰路はまるでお通夜のような沈んだ空気が漂っていた。
馬「…………」
ソウシ「馬ちゃん……ドンマイ☆」
先程から死人のような顔色で黙秘を続ける馬に対し、ソウシはあえて軽口で励ました。
馬「はい…」
シン「何だ、失恋したくらいで泣きそうになってるのか?
いつもの変態気質はどうした。」
シンもあえて辛口で励ました。
馬「……あの、」
真っ青な顔をした馬だったが、2人から言葉を掛けられてやっと口を開いた。
馬「部屋をどうしようかと思いまして。」
ソウシ・シン「部屋?」
馬「はい、ナギさんとソリアさんが晴れて恋人同士になったなら、私はナギさんの部屋を出ないとマズイですよね?」
ソウシ「あー、そうだね……」
馬「寝床が無くなっちゃうのなら、思い切ってモルドーで下船しようかな……とも思いまして、」
ソウシ「私の部屋を使いなさい!」
シン「オレの部屋を使えば良い。」
馬の切実な考えに、ソウシとシンは慌てて代理策を提案するのだった。
馬「おぉ、さすが、紳士で有名なシリウス海賊団の御二人ですね……ありがとうございます。」
馬は自分を気遣ってくれているソウシとシンに感謝をしながらも、その心は強く揺れ動いていた。
(その4に続く、あとがきへ)
【あとがき】
オリジナルキャラ(直接の出演予定はございません)アーバン氏を出しながら、
「アーバン……誰やねん、アーバンて!!笑」
と、毎回1人で笑いそうになっていた最低な作者でございますm(_ _)m
公式でサラッと流されていたソリアさんのご実家の陥落ぶりですが、大体こんな感じだろうと妄想を膨らませながら作ってみました。
さて、次回はさらに主人公とナギさんをすれ違わせようと思っておりますが、とにかく私自身が寝落ちしないように頑張ります。
⊂⌒~⊃。Д。)⊃眠〜い……
馬ときどき魔王 管理人より(※と、当時の管理人が申しておりました!)。