モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その3)
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……………………………
気が付けば時刻は深夜を回っていた。
マスター「ソリアちゃん、悪いけど店閉まいの時間だよ。」
バーのマスターが申し訳なさそうにソリア達に帰宅を促した。
ソリア「はーい、すぐに帰りまーす…」
マスターの言葉に従い、席から立ち上がったソリアだが、相当酔いが回っているのか、その足取りは覚束ない。
ナギ「おい、ソリア。」
マスター「ありゃりゃ、ソリアちゃん大丈夫?」
ソリア「大丈夫です!ナギもマスターも心配症なのねぇ。」
ケラケラと笑うソリアだが、何処から見ても立派な酔っ払いにしか見えない。
マスター「相当出来上がってるなぁ……お兄さん、ソリアちゃんの事頼んだよ。」
マスターは泥酔状態のソリアを誠実そうな連れのナギに託してから再び店閉まいの作業へと戻っていった。
いまいち足取りが危ういソリアのために、ナギは自身の腕を掴ませていた。
腕を絡め合う2人の様子は、端から見ると恋人同士にしか見えない。
ソリア「こっちに私の家があるわ。
昔のお屋敷に比べたら小さな屋根裏部屋みたいな家だけど、掃除もしやすいし、結構気に入ってるの。」
やはり、酒のせいでソリアはかなり饒舌になっている。
ナギ「……………」
ナギは彼女の話を黙って聞いてやりながら、
ナギ『……普通の女って、こういう感じだったな。』
と、何処となく懐かしさを感じていた。
他愛ない会話と常識的な行動を取る……ナギが過去に付き合ってきた女性達は皆、この手のタイプしかいない。
それなのに、馬ときたら全くの規格外の人間で、彼女と2人で行動していたら、やれ玩具が買いたいだの、やれ落とし穴を掘りたいだのと妙な要求ばかりしてくる。
この前のイディ島においては爆竹を取り出す始末で、馬のやること為すことナギのイメージする女性像とはかけ離れていた。
ナギ『……そういや、アイツはちゃんと帰って寝てるだろうな……また勝手に荷物を漁ってそうだ……』
ソリアの比較対象として馬を思い浮かべただけなのに、気が付けば本格的に彼女の事を心配してしまうナギだった。
……………………………
「お客さん、すいません、閉店でーす。」
馬「そ、それからシンさん…!?」
シン「その貴族の爺はな、金にものを言わせて、集めてきた娘達に延々と桃だけを食べさせ続ける。」
馬「桃…」
ソウシ「うん、わざと糖尿病にしちゃうんだよ、可哀想にね。」
「あのー、お客さーん、」
シン「糖尿病になった娘達の尿は実に甘美らしい。」
ソウシ「当時は万能薬の効果があるって言われてて、こぞって貴族の人達が飲にょ、」
「あのー!!お客さーん!!閉店ですよー!!」
馬達は猥談に花が咲いていた。
……………………………
ソリア「あのね、ナギ。」
ナギ「………あ?」
不意にソリアが足を止め、真面目な声音で話を切り出した。
ソリア「今日は遅くまで付き合ってくれてありがとう。」
ナギ「……………」
ソリア「ナギと再会出来て本当に嬉しかったわ。」
ナギ「………あぁ。」
ソリア「それに、ナギが凄くカッコ良くなっててビックリしちゃった……実はこうして話すのもちょっと緊張しちゃうくらい。」
ナギ「……………」
ナギの方も、ソリアが美しく成長していた事に驚いたクチなのだが、シャイな彼がそんな事を言葉に出来るはずもなかった。
ソリア「あの、もし良かったら……また明日も会ってくれない?
貴方の予定が空いていたらなんだけど。」
ソリアは真っ直ぐにナギの瞳を見据えながら尋ねた。