モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その3)
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馬「それにですね、皆は私とナギさんは仲が良いって言ってくれてますが、明らかに私の片想いなんですよ。」
シン「……………」
あれだけナギは態度で好意を示しているのに、何を言ってるんだこいつは……と、いう想いを込めつつ、シンは珍獣を見るような目付きで馬を見ている。
ソウシ「いやいや、それは無いと思うよ?」
ソウシに至っては直接ナギの口から馬の事が好きだと聞いているので、彼女の思い違いを正してやりたいところだ。
馬「だって99回プロポーズを断られてますから。」
ソウシ「え(笑)、数えてるの?」
ソウシは面白そうに、
シン「だからお前は極端過ぎるって言ってるだろう。」
シンは溜め息を吐きながら反応した。
馬「あと、ナギさんから……その……好きだとか、愛してるだとか、月が綺麗だ、とか言われたこともなくて。」
シン「月?」
ソウシ「ヤマトの文豪が『I love you.』を『月が綺麗ですね』って訳したんだよ。
ヤマト人からしたら『月が綺麗』イコール『愛してる』って意味になるんだ。」
シン「あぁ、そういうことですか。」
ソウシ「ナギが愛してるって言ってるのを聞いたら私は鳥肌が立つなぁ。」
シン「オレでも身震いするだろうな。」
やはり2人は冷静に返した。
馬「他にも、ちょっと前にナギさんの口から幼馴染みの事が忘れられないって聞いた事があります。」
ソウシ・シン「…………」
2人の脳裏ではソリアと楽しそうに話すナギの様子が再現されていた。
馬が聞いたという発言とナギ達のあの様子が合致して、『幼馴染みの事が忘れられないナギ』という事実が完成してしまった。
シン「失恋決定だな。」
馬「うぅ……」
ソウシ「ほら馬ちゃん!
今日は沢山飲んで忘れよう。
『神殺し』じゃなくてカクテル飲もう、カクテル!」
馬「えっ、でももう飲みたく無い、」
シン「オレのワインだ、有り難く飲め。」
シンは自分のグラスを馬の口元に持っていき、無理矢理飲ませようとした。
馬「お、おぅふ……ゴクゴク…」
馬は抗えずにゴクゴクと飲んでしまう。
少しして、
馬「あー、ちくしょーっっ、気持ち悪いっすわー、うぐぐぐぎぎぐ…」
シン「……ほら。」
隣に座るシンは馬に腕を貸してやった。
やはりまだ彼からは僅かな下心が見え隠れしているが、
馬「え、良いんですかー、ぐぅぅ…」
馬は気が付いていない。
それよりも、再びアルコールを摂取したせいで彼女の世界はグルグルと大回転している。
上体を安定させるために何か支えが欲しい……
シン「今日はナギの代わりだ、掴まっとけ。」
ソウシ「シンは紳士だ……流石シン紳士、アッパレ(笑)!」
茶化すソウシはしょうもない駄洒落を言いながら満足そうに酒を飲むという『オッサン』と化している。
馬「ぬぅ…助かります……ぐゎぁぁ、揺れてます揺れてますよ、地面がー。」
馬はシンの腕をガッシリと抱きかかえ、彼の肩に顔を押し付けて堪え忍んでいた。
ソウシ「あのさ……馬ちゃん、ぶっちゃけて聞くけど、ナギとどこまでいってるの?」
馬「へ……?どこまで行く、ですか?」
質問の意図がわからず、馬は顔を上げてソウシを見た。
彼女の瞳は酔いのせいか、潤んで蕩けている。
ソウシ「わっ!良いよ、良いよ馬ちゃん!
ちょっとシン見てみて。」
シン「は?何がです…」
シンはソウシに言われるままに自分のすぐ横の彼女の顔を覗き込んでみる。
すると、
シン「……っ…!」
シンは驚いてしまった。
あまりにも馬の顔が艶やかだったからだ。
心なしか堪らなく良い匂いまでしている……気がする。
ソウシ「ね、色気が凄いよね?
これが人魚パワーってやつかな。」
シン「だからナギはこいつに酒を飲ませないんですね。」
ソウシ「あぁ、船長が見たらその場で子作りを始めそうで危険だよ。」
馬『酷く物騒な事言ってるけど……女子供に優しいシリウス海賊団は何処に行った……』
馬はグワングワンと回る頭の中でツッコミを入れていた。