モルドー帝国·前編~花と涙のファーストキッス~(その3)
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その後、
ソリアの両親の遺体には致命傷となった刺し傷があると近隣の街から派遣されてきた医者が言っていた。
不可解な両親の死を知ったソリアが、呆然としている時に、執事のアーバンが急いで自分と結婚するべきだと持ち掛けてきた。
今なら世間にソリアの両親の死は知られていない、このままだと家は断絶してしまうが、実は婿養子を取っていたと公表すればそのまま家督を継ぐことが出来る……自分なら執事の経験を活かして何とかしてみせる、 そう囁きかけてきた。
勿論ソリアはそれを了承するはずもなく……
ソリア「お父様達が亡くなってすぐじゃない、何を言ってるの!?」
と、反射的に拒絶した。
その数日後、いつの間にかアーバンは屋敷の使用人達を勝手に総入れ替えしており、ソリアの周りに味方はいなくなっていた。
そんな状況下で、アーバンがソリアに無体を働こうとしたのを切っ掛けに、着の身着のまま彼女は屋敷を後にする事になってしまった。
両親を殺害した犯人もわからぬまま、逃げ去る事は非常に心苦しかったが、若いソリアにはこれ以上どうする事も出来なかったのだ。
ソリア「お父様達を殺したのはナギだって、アーバンが証言してたけどやっぱり嘘だった…」
ソリアはワインを一口飲む。
ソリア「私が最初に働いてたお店にね、犯人と思える男が来店したの。」
ナギ「……………」
ソリア「柄の悪い仲間を引き連れて、酷く羽振りが良くって。」
その時の事を思い出しているせいか、ソリアの顔は悲しみとも怒りとも取れるような複雑な表情をしている。
ソリア「自慢気に、『俺はとある領主を殺したことがある、領主の執事に依頼されたんだ』って話してるのを聞いちゃって………うっ…うぅ…………」
ソリアが泣き出してしまったので、そこから先の話は聞く事が出来なくなった。
ナギ「……………」
口下手なナギはソリアが泣き止むまで、黙って寄り添ってやった。
……………………………
馬「誠に申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!!」
馬はシンに向かって深々と頭を下げていた。
危機的泥酔状態からしばらく安静にしていた馬は、何とか復活し、
馬『よ〜し、もう大丈夫!!』
そう確信し、意気揚々と顔を上げた。
しかし、馬は偉大なるシン様の御手を握っている現状に気が付いた。
ダンスレッスンでは躊躇なく手を取り合っていた相手だが、それ以外での環境だと勝手が異なってしまう。
馬「ひぃぃぃ…畏れ多くも、かの大航海士様の手を触れてしまうなんて、私は斬首でしょうか?
それとも第2の人生を海中の藻屑として歩むべきなのでしょうか?」
全力で謝罪するその姿は、普段通りの奇人変人な彼女である。
シン「……チッ、もう元に戻ったか。
おい、また酒を飲め。」
シンは不満そうに馬に飲酒を命令した。
馬「ひぃぃっっ、ごめんなさい!!
私にもっとお酒を飲ませて急性アルコール中毒で死ねということですね、それぐらい怒っていらっしゃる……」
ソウシ「そうなの、シン?
それは聞き捨てならないなぁ。」
こちらの要注意人物も復活してしまったようだ。
シン「……チッ、ドクターまで復活したか。」
ソウシ「ん?何か言った?」
シン「いえ、『神殺し』はもう飲まないんですか?」
ソウシ「あ、そうだね、飲まないと!
すみませーん、『神殺し』お願いしまーす!!」
シン「……………」
ある意味マイペースなソウシにただただ呆れるシンだった。
ソウシ「シンは馬ちゃんの失恋慰労会って言ってるけど、私はまだまだ可能性はあると思うんだ。」
再び『神殺し』の入ったコップを手にしたソウシが話の軌道を元に戻した。
馬「いやぁ、それは無いっすよー。
ソリアさんが登場した時点で私の出る幕は無くなった気がします。」
アッハッハと笑いながら馬は冷めてしまった焼鳥(皮)をひと口で食べた。
シン「アイツの顔、相当嬉しそうだったしな。」
馬「そうでしょう?
私が船に乗ったばかりの頃、ナギさんあんな顔してましたか?」
ソウシ·シン「してないね(笑)/してない。」
ソウシとシンの返答が即答過ぎてタイミングが重なるくらい、あの頃のナギは心底嫌そうに馬と接していた。