シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その5)
こちらで夢小説の名前設定!
本棚全体の夢小説設定このブックはドリーム機能を使用しています。 名前を入れると、登場人物に自動変換します。
名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ナギと馬が現在いる場所は一昨日からお馴染みの『アッパレ広場』である。
日中な事もあり、広場にはちらほらと人がいた。
シビアに投球練習をしていたので、ここらで一時休憩を挟もうと花畑横のベンチに二人で座る。
馬「あー、汗かきましたー!」
馬が首に巻いていたタオルを外すと、すぐに複数のキスマークが見えた。
ナギ『そういや最初はここで付けたっけな…』
ナギはシャハイ島初日の夜の様子をボンヤリと思い出した。
白い蝶のような彼女は、暗闇の中でも月明かりに照らされて儚い輝きを放っていた…
馬「ぐへへ…パンよ、貴様を丸飲みにしてやろうかー?…美味し〜〜〜い♪」
昼間の馬にはあの時の可憐さは欠片も残ってはいないが。
二人でベンチに座ってパンをかじっていると、
ひらひら〜〜
2匹の白い蝶が馬の周りを飛び交いだした。
馬「うぉっっ、邪魔だよ邪魔……しょうがないなぁ。」
顔にまで接触してくる蝶達に痺れを切らした馬は渋々立ち上がり、花畑まで歩きだす。
ナギ「………」
そんな彼女の様子をナギは黙って見守る。
馬「ヘイッ!こっちこっち。」
まるで馬が蝶に道案内をしているように見える少々神秘的な光景だ。
花畑まで行き、見事蝶達を誘導し終えた馬は地面を覗き込んでいる。
そして、
馬「おー、虫将軍もサナギになってる!」
と、嬉しそうに声を上げた。
そのまま土いじりなのか、虫観察なのかを続ける馬を横目に、ナギは食事を続けた。
……………………………
気が付けば時刻はお昼時、広場には人が少なくなっていた。
たまに吹いてくる涼しい風と、その風に吹かれ、さやさやと木々と草花が擦れ合う音の両方が、ナギの疲労した体を癒してくれていた。
ふと馬の方を見ると…… ナギはハッとさせられた。
艶やかな黒髪が風に吹かれ、その周りを蝶たちが踊るように羽ばたいている。
しゃがみこむ馬の周囲の花々も風に揺れ、こちらも歓迎しているように踊っている。
自然と調和する彼女は決して着飾っているわけでもないのだが、不思議と美しく見えた。
そんな感傷的な気分に浸っていると、
ハヤテ「おー、馬来たかー!……って、ナギ兄?!」
と、現実に引き戻されるハヤテの威勢の良い声が飛び込んできた。
馬「来ましたね、ハヤテさん!強力な助っ人をスカウトしてきましたよ♪」
ハヤテ「え!!もしかしてナギ兄!?」
ナギ「………」
黙って2人のやり取りを聞くナギだが、馬の口から出た『強力な助っ人』という単語に嫌な予感を抱く。
ハヤテ「よし…今日は勝てる!! 勝てるぞ、馬!」
馬「しかも、私、少し遠投が出来るようになりましたよ!」
ハヤテ「本当か!?偉いぞ!!」
ハヤテと馬はおっしゃぁぁ!と両手でハイタッチする。
馬「勝ちに行きましょう!今日こそ大人の偉大さを彼らに教えてやりましょう!」
ハヤテと馬の勝負熱が増す一方で、一人温度差を感じている人物がいた。
ナギ「…………なぁ。」
ナギは、意気揚々とする馬とハヤテに改めて聞かなければならない事があった。
ハヤテ「何?」
馬「何ですか?」
ナギ「……今から何をするんだ?」
ハヤテ「え!!馬、説明してないのかよ。」
馬「すっかり忘れてました。」
ハヤテ「説明無しでどうやってここまで連れて来れたんだよ、奇跡だな。」
馬「ナギさん、今から子ども達とドッジボールをするんですよ。」
ナギ「……ドッジボール?」
馬「はい。島の代表チームらしくって、めちゃくちゃ強いんです。」
ナギ「……俺、やったことないぞ。」
ハヤテ・馬「え?」
まさかのドッジボール未経験者のナギを前にして、ハヤテと馬は言葉を失った。