……………………………
某日、国際連同軍モルドー支部要塞内部にて。
タケル「ランバート大将、ヴァイカートです。」
ゲオルグに呼び出されたタケルは大将室の扉を叩いていた。
タケル「
馬と会った……?」
ゲオルグ「あぁ、
馬嬢はお前の姉御殿で間違いないな?」
タケル「間違いないですが、一体何処で会ったんです?」
ゲオルグ「彼女はランバート家主催の仮面舞踏会に参加していた。」
タケル「は、仮面舞踏会? 何やってんだよ、アイツは…」
ゲオルグからの情報を聞いたタケルは目を丸くして驚いている。
ゲオルグ「お前達ヴァイカートの人間は神出鬼没で面白いな。 」
タケル「それは……褒め言葉と受け取って良いでしょうか?
……ありがとうございます。」
ゲオルグ「……ところで、だ。
次の『
LC』艦船の公開式は中止しようと思う。」
タケル「え!?これまた急ですね。」
ゲオルグ「不安定な天候と、あと、お前の姉御殿に忠告されたのが大きい。
大型大砲3台を搭載させた船に注意しろと言われてしまった。」
タケル「あー、それなら止めて正解ですね。」
ゲオルグ「……どうしてそう言い切れる?」
タケル「アイツの予言は確実だからです。」
タケルは肩を竦めながら根拠とは言い難い根拠を述べた。
ゲオルグ「……そうか。」
タケル「用というのは以上ですか?」
ゲオルグ「いや、最後にもう1つだ。
ヴァイカート、お前の姉御殿に求婚しても良いだろうか?」
タケル「ぶふぉっっ!!…ゲホッゲホ…」
ゲオルグの発言に驚かされたタケルは盛大にむせてしまった。
翌日、観測史上最大の海上嵐が発生したという記事が国際新聞の一面を飾っていた。
また、この嵐は突発的に起こったもので、観測士も予測不可能だったとも書かれている。
その日に処女運転予定だった新型艦船『LC』……『LC』の公開式は若き大将の明断により、前もっての中止が決定されていたため、そのおかげで多くの犠牲者を出さずに済んだ、との言葉で記事は締め括られていた。
……………………………
航海室にて、リュウガは日課である海上新聞を読んでいた。
リュウガ「……………」
ふと顔を上げ、近くで作業をしているシンに声を掛ける。
リュウガ「おい、シン!」
シン「はい。」
リュウガ「やっぱり昨日の雷雲は大きな嵐どころか、大き過ぎる厄災になったみたいだぜ。」
シン「へぇ……勘が当たって良かったです。」
シンは羅針盤を確認しながらあまり興味が無さそうに答えている。
昨日の出来事よりも、これからの航海予定の事を考える方が重要だからだ。
リュウガ「史上最大の嵐だってよー、いやぁ、危ない危ない(笑)」
シン「……
馬に後押しされたのも良かったです。 」
リュウガ「そうだったな、シンの予測と
馬の予言で乗り切ったようなもんだな!」
シン「……アイツの前世はナマズかもしれませんね。」
リュウガ「ハハッ、違いねぇ(笑)!」
ナマズは地震等の自然災害を事前に予知すると言われている。
昨日の内にシリウス号はモルドー帝国に渡るつもりでいたが、その日、シンは朝から違和感を感じていた。
微妙ではあるが、気圧が変化したと感じた瞬間に、慌てた様子の
馬が航海室に飛び込んできて、
馬「シンさん!多分嵐が来まーす!
すぐに船を動かしてください!!」
と、シンに指示を出したのだ。
航海術を知らない
馬の発言には説得力が無いはずだが、今までの彼女の予言の的中率を考えると言われた通りにするしか無かった。
結果、記録的な大嵐となったわけだ。
リュウガ「結局、モル帝に着くのは何時頃だ?」
シン「この分だと……夜半は過ぎるでしょうね。」
リュウガ「あちゃー、そんな時間になるのか……まぁ仕方ねぇな、1日延ばすよりかはマシか。」
シン「はい。」
現在のシリウス号はモルディ市国の親国、モルドー帝国を目指している。
昨日の嵐の影響で波はやや高めだが、それ以外は天気も快晴で景色もハッキリと見渡す事が出来ており、このまま順調に進めそうだ。
シン「今回も長めに停泊するんですか?」
シンはリュウガを一瞥しながら尋ねる。
対するリュウガは即答で 「勿論!」と答えた。
リュウガ「モルドーは他の島に比べて色宿のレベルが段違いだしな!
俺を待ってる美女が山ほどいるのに2日3日で発つわけにはいかねぇだろ(笑)!」
ガハハと豪快に笑いながらシンの肩を叩いた。
シン「……はぁ、そんなので大丈夫なんですか?」
シンは欲望に忠実なリュウガの指針に一抹の不安を感じている。
後に彼の不安が的中することになるのだが、
馬達シリウスメンバーはまだ知らない。
船はゆっくりと、しかし確実に波乱に向けて進行していくのだった。
(終、あとがきへ。)
【あとがき】
いよいよ次回からはモルドー帝国編です。
粗方の内容は考えておりますが、いつもより話が長くなること必至ですので、ご了承くださいませm(_ _)m
(※2025年追記)
この章で重要人物ゲオルグさんが登場しましたが、馬小説の裏側では『どうしたゲオルグさん!?』という祭が行われていました(笑)
2025年の現在こそ沢山の貴族漫画が流行して、イケメン貴族のイメージがすぐに思い浮かぶでしょうが、当時はそこまで流行っておらず、結果、私の友人の中でゲオルグさんのイメージがとんでも貴族で定着していた事が祭のきっかけでした(笑)
いやぁ、懐かしい……!
進化する梅さまゲオルグさん~今、この男が熱い~!!↑
当時の祭をまとめたページです♪
現時点での馬小説よりも少し先のネタが含まれてます。
馬ときどき魔王 管理人より。