シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その5)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ナギが目を覚ますと馬の姿は既に無かった。
耳を澄ませてみるとシャワー室の方から音がする。
馬は現在着替え中のようだ。
自分もそろそろ起きて準備をしよう、と、ナギが立ち上がったタイミングで朝の準備を済ませた馬が出てきた。
馬「あ、おはよーございます!」
珍しいことに、いつもの彼女は長いスカートかズボンを好んで着用しているのに、この日はやたらと短いズボンを穿いていた。
そして首にはタオルを巻いている。
多分キスマーク隠しの意味もあるのだろうが、それにしても今日は動きやすそうなスポーティーな装いをしている。
馬「あぁ!寝起きのイケメンと遭遇する悦び////ナギさん朝からありがとう!!」
ナギ「…………脚。」
馬「…脚? ……は!ナギ様の脚を触れと言うことですね!! よろこんでっっ////今すぐここに座って、」
ナギ「…違う、お前の脚。」
何だ、違うのか…と、馬は残念そうにしつつ、ナギの言い分を理解しようとする。
馬「私の脚がどうしました?」
ナギ「……出てる。」
馬「はい!!今日はハヤテさんと二人きりですからね!!それは張り切って脚も出しますよ。
昨日のは本番じゃなくて、今日こそ本番してきます!!!」
馬のガッツポーズが炸裂するが、ナギにはこの会話の意味が理解出来なかった。
馬は自分から『お触りOK、本番はなし』と言っていたのに、ハヤテとは本番? ハヤテと二人きりだから脚を出した…?
ナギ『…まぁ、また馬が変な風に言ってるだけだろう。』
馬の紛らわしい発言にいつもハヤテが巻き込まれている悲劇をナギはハヤテ本人から聞いている。
……………………………
今日はナギの予定も無く、これからどうしようかと考えていた。
馬「ナギさんは遠くに物を投げれますか?」
唐突に馬がおかしな質問をしてきた。
それでもナギはちゃんと答える。
ナギ「……一応狙撃手やってるからな。」
なんと言っても所持武器が鎖鎌という事もあり、ナギが遠投を得意とするのは必然だった。
馬「ナギさん、私に投げ方を教えてください!!!!」
馬はナギの手を掴み取り、鼻息を荒くしながら教えを請うた。
……………………………
二人で朝食を求めて街へ行く。
本日もナギは普段着ではない軽い変装スタイルをしており、シャハイ島を満喫する観光客として街並みに溶け込んでいる。
馬「ハヤテさんとはお昼に広場に集まる約束をしてます。
私はそれまでに遠くに投げれるようになってないといけないんです。」
ナギは二人が何をしでかすつもりなのか、全く見当が付かなかった。
適当に立ち寄った商店で軽食のパン等を購入し、馬に至っては子ども向けのボールも一緒に購入していた。
買った直後、彼女は店主にペンを借りてボールに大きく『馬』と名前を書いていた。
その様子を見ていたナギは、
ナギ『ペットが自分で自分のボールに名前を書いてやがる…』
と、失礼な感想を抱いたりもした。
……………………………
馬「ナギさん!!いきますよ!!!」
ナギは返事をする代わりに手を上げて合図を送る。
馬「それっ!」
馬の投げたボールはふよふよとした不安定な軌道を描き、ナギの下まで届くことなく途中で地面へと落ちてしまった。
ナギ「…………」
ナギは絶句している。本当に今のが全力の投球なのだろうか?
ナギ「……もう一度投げてみろ。」
ナギはボールを拾い上げ、馬に返してやる。
ナギが指先だけで軽く投げても届く距離に馬がいる。
馬「はい!!」
ボールを受け取った馬の顔は真剣そのものだ。
決してフザけた様子の無い状態でもう一度ボールが放たれた。
馬「せーいっっ!」
放たれたボールは、ふよんふよん…ポテッ…と、またすぐに落下した。
ナギ「……………」
馬「…………」
見つめ合う二人。
その後、ナギコーチによる特訓が始まった。
ふよんふよん…
ナギ「…体が突っ立ってるままじゃダメだろ。」
馬「……押守!!」
ふよふよふよふよ…
ナギ「手のひらで投げてんじゃねぇ、肩を入れて投げろ!」
馬「肩?」
ふよふよふよふよー…
ナギ「…違う!こうだ、こう!」
ナギが見本を見せるとあっという間に遠くまでボールは飛んでいった。
馬「……男の子って…ズルーイ☆」
ナギ「ふざけてないで早く取ってこい!」
馬「鬼コーチ…」
ナギ「…あ?」
馬「すぐにとって参ります、ナギコーチ!!」
何回、何十回と投げる頃には馬のふよふよボールも、それなりの距離を飛ばせるようになってきていた。
ナギ「…ちょっと休憩だ。」
馬「……ハァ…ハァ……了解です!」
数刻の間、延々とボールを投げ続けていたナギと馬。
気が付けばもう昼近くになっていた。