モルディ市国~貴族と軍人と海賊~(その4)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬『とりあえず、風邪を引かないようにしとこう……』
馬は肩に羽織っていたショールを気絶しているリチャードに掛けてやった。
剥き出しになった馬の肩が夜の寒気に晒されて、少しだけ鳥肌が立つ。
馬『さぁ、ここからおさらばしないと。』
馬は倒れているリチャードをそのままに捨て置き、再び室内に戻ろうとした。
その時、
「そこで何をしている?」
馬「……っ!!」
突然声を掛けられ、馬は肩を竦めた。
ゆっくりと振り返ると……
馬『ナギさん!?………じゃなかったぁぁぁあ!!』
こういうシチュエーションになった時、いつも登場してくれるはずのナギの姿はそこには無く、代わりに城の警備関係者と思しき長身の男性が立っていた。
馬が男性を警備関係者だと認識出来たのは、彼が仮面を未着用で兵士の装いをしていたからだ。
馬『うわぁ、かっこいぃ…』
改めて男性の顔を眺めた馬は、その整った顔立ちに見惚れていた。
金髪碧眼の男性はまさに王子様といったルックスなのだが、短く切り揃えられた髪型の影響で浮わついた印象を抱くことは全く無かった。
鼻筋の通った高い鼻に、二重を通り越して三重に見えるその瞳を覆う睫毛は長く… と、身体的な美点を挙げたらキリがない。
馬『この人はシリウスメンバーにいても違和感がないイケメンっぷりだわ!!
いや〜、今年の私はイケメン遭遇率が高過ぎる!!』
馬が自身の幸運さに感動していると、
「失礼だが……何処か怪我をされているのか?」
馬の泥だらけのドレスを見て警備の男性は慎重に尋ねてきた。
デリケートな問題だと判断したのだろう。
馬「あ、いえ…私の方は大丈夫なのですが、」
馬は倒れているリチャードの方をチラリと見やった。
後でバレて騒ぎになるより、今すぐ自白する方がマシな結果になると予測しての事だった。
「…ライアン!?」
警備の男性はリチャードと知り合いのようで、彼の倒れている姿を見て非常に驚いていた。
馬「(あぁ、リチャードさんの本名はライアンさんって言うんだ。) …申し訳ございません、護身のためとはいえ度を逸してしまいました。」
「命には別状は無さそうだが、」
男性は手慣れた様子でリチャードもとい、ライアンの身体を確認している。
「……何か針の様なもので刺した跡がある。
毒物では無さそうだが、何を使った?」
ライアンの手の甲を見ながら質問というよりも調書を取るような口調で馬に尋ねた。
馬「あの…イディ島産の麻酔薬です。」
「……あぁ、ならライアンがこうなってもおかしくないな……正当防衛なんだろう?」
馬「アハハ……」
馬は苦笑しながらコクリと頷いた。
「不肖の弟が申し訳ない。」
ふいに男性が自分の身分を明かしてきた。
馬に手を出そうとしたライアンの兄だという。
馬「お兄様でしたか!?
てっきり警備の方だと……あ!ごめんなさい!」
馬が間違うのも仕方がなかった。
彼はライアンのような正装をしておらず、代わりにこの城の警備関係者が着用している衣服と同じ物を身に纏っているのだから。
「見た目がこれだからな、仕方がない。
それに自分は軍の関係者だから最初から警備係のつもりでこの場にいるんだ。」
馬「あの、ライアン様のお兄様なら貴族なのでは…?」
「興味がない。」
男性は即答した。
「ライアンがいるから、家の跡継ぎには困っていない。
だから自分は好きな道を進んでいる。」
馬『跡継ぎって長男がなるもんじゃないのか……』
馬は少しだけ引っ掛かったが、他所の家庭事情には首を突っ込むべきではないと思い、口には出さなかった。