シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その4)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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……………………………
馬「〜〜〜♪」
鼻唄まじりに気分良くシャワーを浴び終えた馬だが、ふと時計を見るとサラとの予定まで微妙な時刻になっていた。
遅刻しなさそうでギリギリ間に合わなさそうな…そんな状況なのに馬は欲しい物が手元に無いことに気が付いた。
馬「もう!こんな大事な時にアレが無いなんて…」
アレを探したいのだが時間の猶予が無い。とりあえず下着さえ身に着けておけばナギも気にしないだろう。
馬「失礼します!!!」
バンッッ!!
馬「ナギさん!!アレどこですか、アレ!」
いきなりシャワールームから出てきた馬は下着のみという無防備な姿だった。
ナギはあまりの出来事に固まるしか出来なかったが、馬は全く気にせずにベッドによじ上ってきた。
四つん這いでやって来る様子は愛らしく、胸元のキスマークが色気を醸し出している。
そんな彼女が何をするのかと思って眺めていると、横に置かれた自身のバンダナに手を伸ばして…
馬「あったあった。これこれ!! …お守り借りていきますね♪」
馬は素早く自身の胸当ての中にバンダナを仕舞い込んだ。
手慣れたもので、あっという間の早業だった。
ナギ「……おい!」
ナギが阻止しようとするも時すでに遅し、彼女は再度シャワールームに戻って衣服の着用を済ませにかかった。
着替えを終えた馬はそのまま扉まで行き、
馬「出来るだけ早く帰ってきますね!
でも、私が居なくて寂しくなったら私のシャツを抱き締めてもらっても良いですよ、泥付きですが!!
それではご機嫌よう!」
用件を告げ終わると嵐のように去っていった。
ナギ『…時間は大丈夫なのか?』
時計を見やると…
サラとの約束の時間まであと数分。
果たして間に合うのだろうか?
しかし、馬のことだからなんとかなるのだろう。
ナギはあまり心配せずに読みかけの料理本に目を通し始めた。
……………………………
いつの間にかうたた寝をしていたナギが目を覚ました。
時刻はとうに夜遅く。
馬は早く戻ると言っていたが…
ナギが部屋を見渡した限りでは、まだ戻って来ていないようだ。
時間も時間なので就寝の身支度を先に終わらせた後、ナギは再度本の続きを読む。
馬がリクエストしてきた『シュールストレミング』と『フォンフェ』なる料理について調べていたのだが、
ナギ『…アイツ、絶対にふざけてやがる。 こんなもん食卓に出したらパニックどころか死人が出るじゃねぇか。』
読んでいた本には、『シュールストレミングは匂いが強烈過ぎるため、シュールストレミングを開封するためだけの建物を作るべし』と、記載されており、フォンフェもまた似たような料理だった。
『口の中で便所の味が広がる』と、あまりにも正直な感想が記されているせいで、誰が得する料理なのか全くわからないものだった。
他にも馬の事だ、イナゴの佃煮やらハチノコを出せとか言い兼ねないなので、普段は手にもしないであろう『世界の珍味百選』という本を読み続ける。
ナギが『世界の珍味百選』を読み終える頃、
カチャ…
静かに扉の開く音がした。
トサッ…
そして直ぐに、何かが倒れる音も聞こえた。
音のした方へ見に行くと、 出掛けた時とは異なる服装と髪型の馬が倒れていた。
ナギ『何でコイツは普通に帰って来れねぇんだ…』
呆れながらも馬を抱き起こそうと腰に手をやる。
しかし、
馬「あ!起きてますので大丈夫!!」
と、はっきりとした口調で拒否された。
ナギ「…さっさと寝る用意、」
ナギは言葉を言い終わる前に気付いてしまった。
今の馬は泥酔状態だ、と。
起き上がった馬の顔は明らかに普段よりもピンク色に染まり艶っぽかった。
酔いのせいで目が潤み、艶が増しているのだ。
Tシャツに無地のスカートという田舎服で出掛けたはずの彼女の服装は、異国の令嬢のようなリボンとフリルがたくさん施された淡い色合いの服に変わっていた。
女の服装には無頓着なナギでもその変化には気付けるほどに、再びサラがコーディネートしたのだろう。
相変わらず馬にとても似合っていた。
馬「ちょっと……待っててくださいね……あー調子に乗り過ぎた………」
多分、飲酒し過ぎた事を後悔しているのだろう、馬の瞳はとろけきって焦点があっていない。
息苦しいのか、はぁはぁと喘ぐように絶えず吐息が漏れている。
ナギはこんな状態の馬を一人で帰らせたことに後悔した。
もし誰かに見られでもしたら… 彼の独占欲が著しく表れる。
馬「よし……!!行ける!!」
しっかりとした足取りでシャワー室まで行こうとするも、
馬「……うっ……」
途中でしゃがみこむ馬。
ナギ「……おい、大丈夫か?」
ナギが手を貸してやろうとしても、
馬「大丈夫っす!!」
またもや跳ね返されてしまった。
ナギは拒否された事に少し苛立ちを覚えたが、それ以上に馬の顔をもう一度見たくなってしまう。
ナギ「お前、酔ってるだろ。こっち向け。」
馬「いいえ、酔ってません!!私は酒は呑んでも呑まれない女です。」
頭をぶんぶん振って否定する馬は、やはりどこから見ても酔っている。
ナギ「…危ないだろ。」
馬「ナギさん!!!!!シャワーお借りします、頭冷やして来ます!!」
そう言って脱衣所に行こうとする馬を、ナギは慌てて追いかけた。