モルディ市国~貴族と軍人と海賊~(その3)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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シン「フン、お前にしては最後までよくついてこれたと思う。」
柄にも無く馬を称えているのも、これがコーチとして最後の言葉だとシン自身がわかっているからだろう。
馬「コーチ…」
馬の脳裏にシンと特訓した日々が思い出される。
身体を固定するために荒縄で縛られた日もあった。
頭のブレを無くすためだと言って、頭部に赤い蝋燭を括りつけられた日もあった。
勿論その蝋燭には火が灯され、熱で溶ける蝋が垂れてこないように必死になって馬は上体を安定させた。
舞踏会用のヒールのある靴で練習した時には興奮したソウシが「ハイヒールで私を踏んでみてくれない?」と言い出し、その時はシンが容赦なく踏んづけていた。
そんな彼らの横で、『ソウシと自分の嗜好が被っているかもしれない』と、愕然としたことも今となっては良い思い出だ。
また、学科の時間で歴史上の人物の猥談に花を咲かせた日もあった。
シンの出す問題に答えられなかった時は「銃が良いか?ムチが良いか?」と、どちらで罰せられるのが良いか泣く泣く選ばされた日もあった。
馬「うぅぅっ……ムチしか選べないじゃないですか…」
涙して項垂れる馬に向かって遠慮なく銃口を向けるシンは、まさに『鬼を通り越して阿修羅コーチ』と仮称されるにふさわしかった。
他にも色々と酷い目に遭わされた日々が馬の頭に走馬灯のように過ぎる。
結果、
馬『あれ、碌な目に遭ってないぞ?』
馬の寂しさや感動といったものは冷めやりそうになっていた。
シン「後はプロポーズだけだな。」
馬「あ、はい!」
シン「最後に、成功祈願にこれをくれてやる。」
シンは自分の胸元のポケットに挿していた1輪の紫のバラを馬の髪に飾り付けてやった。
馬『コーチが大事に育てていた紫のバラを私にくれた!!』
現実に戻りそうだった馬の思考は、シンの紳士的な振る舞いを受けたおかげで、再び感情的になっていく。
馬「コーチ、最後だなんておっしゃらないでください!今後も私に特訓を、」
リュウガ「おぉー、馬発見!
次は俺とペアだったよな、シン、借りてくぞ~!」
馬は急に出現したリュウガによって、シンへの熱い感謝の想いを伝え切る事が出来なかった。
それどころか、荷物のようにリュウガの小脇に抱えられてしまった。
馬「えっっ!!ちょっと……え、エドガー様!?」
リュウガ「俺のダンステクは凄いからな、楽しみにしとけよ、ガハハ!!」
大口を開けて笑うリュウガの息は見事に酒臭かった。
シン「……はぁ、相当酔ってますね、ミスターエドガー。
それとちゃんと偽名を使ってください。」
シンはリュウガの様子を見て呆れつつ、周囲に配慮しながら注意をした。
リュウガ「あぁ、そうだったな!大丈夫だ、任せとけ!」
リュウガはやはりガハハと盛大に笑ってからダンスホールの中央へと向かって行くが、その足取りは見事な千鳥足である。
そして抱き抱えられたままの馬はじたばたともがいているという滑稽な光景が繰り広げられている。
シン『あれでいて船長のダンスが上手いのがいまいち納得がいかない…』
シンは眉間に皺を寄せてリュウガ達の後ろ姿を見送った。