シン「これがお前の仮面だ。」
馬「押守!!」
シンから仮面を手渡されて受け取ったは良いものの、
馬は控えめに異議を申し立ててみる。
馬「あのー、仮面だったら私にはナギ太郎があって、彼の方が愛着があるんですけど…」
※ナギ太郎の参考画像

シン「アホ、あんな半笑いの仮面を被ってたら不気味なだけだ。
大人しくそれを付けろ。」
馬「はぁい…」
渋々受け取ったが、
馬の頭の中ではボヤキは継続中である。
馬『既に化粧した段階で不気味なのになぁ…』
馬の脳裏には、例の白粉の厚塗り、真ん丸真っ赤頬紅で仕上げられたオカメ顔が浮かび上がっている。
シン「それと、仮面舞踏会だから参加者全員が偽名を使っている。
偽名だからこそ、貴族達は他所の貴族の内情を漏らす可能性が高い!
しっかり聞いておくんだぞ、ハナコ!」
馬「えぇっ、私はまたハナコですか?
イライザとかレイチェルとか洋風の名前が良いです!」
シン「お前はどう見てもヤマト人だ、洋風の名前は似合わない。」
こうしてシンの容赦無い一声でハナコ嬢の華麗なる社交界デビューが決定した。
……………………………
馬「ナギさんの正装……………素晴らしくカッコいいです……ハァハァ!!」
ここはナギの自室。
最も時間が掛かるだろうと予想された
馬の着替えは意外にも早く済み、暇だからと食堂へ行こうとする彼女をナギが無理矢理引っ張って自室まで連れてきた。
ナギ「……………」
手持ち無沙汰な
馬を隣に控えさせ、ナギは自身の着替えを済ませていく。
馬「うっひゃー!今宵はオールバック調ですか!?
男前度が確実に上がるぅぅぅ!!」
ナギ「…………」
馬「ヒャッハァァ!!香水も使っちゃいますかぁぁ!!
くぅぅ、ナギさんの色気がうなぎ登りで私は失神寸前んんんん!!」
ナギ「…………」
ナギの動作全てに大袈裟に反応する
馬の様子は、その愛らしい見た目と相反していて酷く滑稽に見える。
ナギの着替えが全て完了した時、
馬「ハァハァ…!!そ、その精悍で美しいお姿に………私は既にノックアウトされたぁぁぁぁ!!」
興奮し過ぎて息も絶え絶えになっている
馬は、いよいよ地面に崩れ落ちていた。
ナギ「……おい!」
ナギが慌てて彼女を立たせたのだが、間近で見る愛くるしい姿に密かに胸が高鳴ってしまう。
ナギ「……服にシワが入っちまうだろ。」
わざと無骨な口調で話す言葉の最後には、 「女のドレスとかよくわかんねぇけど」 とも付け足された。
この不器用な物言いはナギなりの照れ隠しである。
馬「あっはっは!私のドレスにシワが入ろうとも、誰も気にしませんよ!」
ぎこちないナギの肩を、
馬はバシバシと叩きながら豪快に笑った。
しかし、おっさんのように笑う様子ですら、今のナギからすれば大輪の花のように輝かしく見えて……
ギュ……
部屋で2人きりというシチュエーションを良いことに、ナギは
馬を抱き締めた。
小さな彼女はすっぽりとナギの腕に収まっている。
馬「わわわわわわ…!?」
突然の出来事に
馬は素っ頓狂な声を上げてしまう。
それもそのはず、こうやってナギの方から抱き付いて来られるのは久し振りだったからだ。
シンに強いられた禁欲生活をナギは律儀に守っていたわけだが、今、この瞬間だけは目を瞑ってもらおう。
ナギ「………出来れば誰にも見せたくねぇな。」
ナギはポツリと吐き捨て、抱き締める腕に力を込めた。
馬『そ、それって、そのオカメ面を人前に晒すんじゃねぇ!って事なのかな…?』
馬はナギの腕の中で、ドキドキと胸をときめかせながら盛大に勘違いをしている。
彼女の脳内では無限にオカメ顔が再生され、よく分からないことになっているのだった…
(その2へ続く、あとがきへ)
【あとがき】
正月スペシャルで一気に書き上げてみました。 お楽しみいただけたでしょうか?
ここで各キャラクターのナギさんと主人公の恋愛についての考え方のまとめです。
主人公→結婚、結婚!
ナギ→主人公を大切にしたい。結婚はしたいけど……あわよくばヤりたい。
シン→早くヤれ。
ソウシ→主人公は純愛であるべきだよ!!
トワ→主人公に憧れるけど、尊敬するナギさんの相手だし…
ハヤテ→ナギ兄、飯はまだか?主人公、ベッドの上に船長の猥本を置くのはやめろ!
船長→自由恋愛だ。何なら俺が相手をしようか?嘘だ、冗談だ(笑)
……こんな感じでしょうか。
その2ではいよいよ舞踏会が開催されます。
相変わらずのマイペース更新ですが、少々お待ちくださいませm(_ _)m
馬ときどき魔王 管理人より。(※と、当時の管理人が申しておりました!)