シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その4)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬『…ふぅ、どんなもんだろ。』
小一時間ほど集中して採集すると、小さなバケツにはうじゃうじゃとした(自主規制により略)、とにかく順調に集まっていた。
馬『よし、この調子で集め続ければお菓子の一つでも買える額は稼げるはず!
少しでもお小遣い稼ぎ出来るのは嬉しい事だわ♪』
馬が心を弾ませながら次のエリアに移動しようとした時、
?「なぁなぁ、お前さー。」
?「何してんの?」
?「さっきからずっといるね、不審者??」
?「うわっっっ、ミミズだらけ!!! ちょー、皆来いよー!!」
?「何ー?」
?「どうしたー?」
?「どうしたの?」
『アッパレ広場』界隈を拠点とするお子様(♂)達が馬の行動に興味を持ち、仲間が仲間を呼び、わらわらと人が集まってきた。
馬『うわー、ドンドン増殖していくー。』
気が付けば馬の周りに7人の男児達。
全員歳が近そうで10歳未満といったところか。
弟のいる馬からすれば、このくらいの歳の子は初動が肝心ということを知っている。
最初から『敵』のような対応をしてしまうと7人全員から集中砲火を喰らうだろう、毅然とした態度で子どもたちを味方に付かせる言動を心掛けるのが正しい対応だ。
馬「今ね、ミミズを集めるバイトをしてるんだ。」
?「え、そんなバイトあんのかよ!」
馬「そう、立派なお仕事。面白いよね♪」
?「変なのー、よく見付けたな!」
馬「でしょー?変で面白いからすぐにやろうって思ったよ!
あ、もし時間があったら君達も手伝ってくれない?お礼もちゃんとするよ〜。」
?「えー!でもミミズだしな〜。」
?「俺は平気!!」
馬「ミミズは苦手?無理にとは言わないよ。でも手伝ってくれたら凄く助かるな♪
平気な子もいるんだね、カッコいい♪」
?「俺たちが手伝ったら助かるの?」
馬「うん!助かる♪」
?「じゃあちょっとだけやろうかな。」
?「そのバケツに入れんの?」
?「なぁ、手で堀んの?」
?「つぅか、おねーさん、ナニモンだよ?」
子供たちが一斉に質問をぶつけて来るが、馬は全ての質問を漏らさずに応対する。
馬「よろしくね!このバケツいっぱいにしたいんだ。手より石か棒で堀った方が良いよ。 私は馬、ヤマト人の観光客だよ。皆の名前も教えてね。」
馬は猫を被った言葉遣いと営業スマイルを使いこなして話し続ける。
子供たちを相手にするにはこれぐらいわかりやすい方が親しまれるのだ。
?「俺たちはね…」
彼らの名前は、リン、コウ、ハル、カズト、アルー、ネスル、シアンと言うらしい。
こうして馬と7人の即席ミミズ猟友会が結成された。
ザクザクザクッ…
カズト「なぁ、ヤマトってどんなとこ?」
馬「ヤマトは自然がいっぱいで虫も多いよー。」
ザリザリッ………ヒョイッ。
カズト「マジかよ!ヘラクレスとかいんの?」
馬「あー、そんな派手なのは蛾くらいしかいないなぁ。黒とか緑とか地味なのが多いかな。」
ザクッザクッザリザリッ
カズト「なんだつまんねぇの。」
ザッザッザッ……ヒョイッ。
カズトもかなり発掘作業が上手くなっている。
先程から馬よりもミミズヒット率が高い。
馬「そう言えばカズトって名前はヤマトの名前だねぇ。親戚とかいるの?」
カズト「…………」
馬「……まぁ、色々あるよねー。私も色々あってシャハイ島でミミズ掘ってるし。
あー、ホント、何で外国まで来てこんなにミミズを捕らなきゃいけないの!!」
カズト「馬が言うなよ(笑)」
単純作業は誰かと話しながらすると意外と捗るものだ。
7人の子ども達の協力を得ることによって、予定していた時間よりもさらに早い時間で終わってしまった。
馬「みんな本当にありがとう! 今からカーリヤ邸まで届けに行ってくるね。」
リン「俺んち、そこの家の斜め前なんだ! 馬ねーちゃん、連れてってやるよ。」
馬「ありがとうリンリン!君は将来男前になること確実だね♪」
リン「リンリンってのがカッコ悪ぃよ(笑)」
……………………………
リンに案内され、結局は全員で大きな庭のあるカーリヤ邸まで足を運んだ。
「こんなに持ってきてくれたんだね。」
カーリヤ邸の執事がミミズの測量をしてくれた。
執事は近所の子ども達も手伝ってくれたということも配慮して、良い値段で買い取ってくれた。
馬「はーい、今からお礼を渡すね!」
馬は買い取ってもらった金額を誤魔化す事無くキッチリと8等分にして一人ずつに手渡した。
シアン「こんなにもらって良いのか?」
馬「うん、私と同じくらい皆頑張ってくれたからね!ちゃんと労働に見合った金額だよ。」
子ども達は馬の言葉に従い、素直に手伝ってくれた。
そんな子ども達にはちゃんとした報酬を支払わなければならない。
馬にはお駄賃レベルの儲けしかなくなるが、彼らと楽しく話しながらミミズを掘った経験を考えると十分な利益に感じた。
シアン「なぁ、馬ちゃん。俺らとまだ遊べる?」
馬が懐中時計を取り出して時刻を確認したところ、時間にはまだまだ余裕があった。
馬「うん、一緒に遊ぼう! 何する?」
7人全員が、 鬼ごっこ!!と、口を揃えて叫んだ。