ガチャンッッッッ!!
ナギは思わず皿を落として割るくらいの衝撃を受けた。
馬「うわゎゎっっ!お怪我はニャいですか?」
……
馬に…… 耳が生えている………
(シャハイ島~蝶とファラオの花畑~その4)
ソウシ「…
馬ちゃんの食事だけ豪華だね。」
トワ「本当だ!ナギさんの心境に何かあったんですかね。」
馬「ちょっと食べきれなさそうだから二人とも手伝ってくださいな…」
馬はナギに気付かれないようにこっそりと協力を要請した。
猫耳着用の
馬がナギに昼食を作ってくれと頼んだところ、彼女の好きな料理ばかりを品数豊富に用意してくれた。
しかし、品数もだがその量はと言うと
馬が普段食べる量の倍はあった。
到底食べ切る事が出来ないので、静かにトワとソウシの皿に食べ物を移した。
トワ「午前中はどうでした?」
馬「楽しかったよ。Tシャツとかファラオとか(笑)ソウシさんのは歩けるし(笑)」
ソウシ「ゲホッゲホッ、
馬ちゃん! 思い出してむせちゃったじゃないか(笑)」
トワ「へぇー、ソウシ先生が思い出し笑いをするって事はよっぽど面白かったんでしょうね。
午後からはどうする予定ですか?」
馬「うん、バイトの予定なんだ!」
トワ「え、バイト?」
ソウシ「あぁ、言ってたね。何をするの?」
馬「ちょっとしたガーデニングの手伝いで、今日だけで終わるような簡単な作業です。」
トワ「そんなのあるんですね、頑張ってください!」
トワの声援を受け、午後からのバイトに励むためにも
馬は急ぎつつ、ナギが折角自分の為だけに作ってくれた料理を味わって食べた。
……………………………
馬「ナギさん、ごちになりました、とっても美味しかったです!そしてすみません、急ぎの用があるのでもう行きますね!」
ナギ「行くってどこに?」
馬「バイトです!!! ナギさんの船番終了時間までには戻って来るので、またホテルまで連れて行ってください! それでは………ドロン!!!」
ドロンと言いつつ、全速力で走り去る
馬。
彼女の手には小サイズのスコップと、それに見合ったサイズのバケツが握られていた。
ナギ「……………」
また彼女が良からぬ事をしでかしそうで、ナギは気が気でなかった。
しかし、船番を担当する身でもあるので追い掛けることも出来ない… 一人もどかしい気持ちになるだけだった。
……………………………
馬は道行く人に尋ねに尋ねて、やっと昨日の『アッパレ広場』の『アッパレ花畑』まで辿り着いた。
馬「よーし、バイト頑張るか〜。」
馬は持参したスコップで花畑の片隅の土を掘り返す。
ザクッザッザッザッ……
馬『やっぱり石なんかよりスコップの方が掘りやすい!!
この考え抜かれたフォルム!! どんな土にも合わせられるしなやかなカーブ!! そして、的確な場所にジャストフィットで付けられた持ち手!!
…っくぅー、スコップ職人達の魂の叫びが聞こえてくるー!』
スコップ職人の努力の結晶に感動しながら作業を続けていった。
ザッ………… ヒョイッ。
馬『……22匹目ー』
馬は黙々とミミズを掘り起こしてはバケツに入れて集めている。
昨日見た募集要項には、『家庭菜園で使いたいのでミミズの量り売り希望!』…と、記されていた。
馬『このペースだったら予定より早く終わりそう♪』
ザリッザリッザクッ…
馬はせっせと堀り続けた。