シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その3)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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……………………………
施錠されていたシリウス号の出入り口をソウシが開けてくれた。
ソウシ「ナギ、おはよう。あれ?馬ちゃんも一緒?」
ナギ「………」
馬「おはようございます!」
あえてナギは一緒にいる理由を語らない。
馬の方が、自分が宿を取っていなかったせいで一緒にいる事情をソウシには知られたくないので、慌てて話題を変えた。
馬「えっと昨日は自分の物を買えなかったんですよね。
だから今日こそ買いに行こうと思ってるんですが、まだお店が開いてないみたいで〜、あはは…」
ソウシ「そうなんだ。私も商店街に用があるから開店時間になったら一緒に行かない?」
馬「是非とも迷える子羊馬の道標となってください!!!」
自分でも道には迷う自信があったので、ソウシの申し出を非常に有り難く受け入れた。
ソウシとなら男性の前で買いにくい物(女性の日用品)でも気兼ねなく買えるし、何より変な趣味の物※を買っても笑って許してくれそうだ。
(※後の統計から、馬とソウシの組み合わせで買い物に行くと、独特な趣味と悪ノリの相乗効果で、とんでもない物を買ってしまう傾向にあるということが判明した。)
買い物の約束を取り付けている間に、ナギは既に船内に入っており、馬はソウシと共にナギの部屋まで向かった。
……………………………
ソウシと二人でナギの部屋に入る。
部屋主のナギは厨房で野菜を長期保存するための作業を行っているようだ。
馬「久しぶりのナギさんのお部屋!! くぅー!微かに残るナギさんの匂いが私の五臓六腑に染み渡る、フーーッ!!」
たった一晩しか部屋を空けていないのに、久しぶりに帰って来た気分になった馬は個性的な表現で部屋の空気を満喫している。
そんな彼女に向かって、
ソウシ「…馬ちゃん。」
と、ソウシが真剣な眼差しで話し掛けてきた。
馬「はい?なんでござんしょ?」
いつものトーンで返事をしてから、喉が渇いていた馬は持参していたボトルの水を口に含んだ。
ソウシ「その首の紅いのは、ナギがやったの?」
ブフォァッッッッ!!
馬の口に含まれていた水が綺麗な放物線を描いて噴射された。
馬「あわわわ…え、えっと、」
言葉は出ずとも頭を横にブンブン振って否定する馬を見ると、明らかに動揺している様子が窺える。
ソウシ「やっぱりナギなんだね。」
困ったように微笑むソウシ。
馬「あ、でもナギさんは悪くないし、われわれは最後まで致してませんよ?
えっと…コミュニケーションですよ!」
馬は、 『自分達のせいでシリウス号の風紀を乱したくない』 そんな思いで必死にナギを庇う。
ソウシ「二人の同意の上でなら良いんだよ。
でも、万が一ナギが馬ちゃんに無理強いをしていたら話は別。正直なところはどう?」
馬「……無理強いなんてそんな事は絶対無いんですけど…本音を言うとほんのちょびっとだけ怖いです…」
俯いて語る馬の様子を見て、ソウシはさらに尋ねた。
ソウシ「失礼なこと聞くけど、馬ちゃんは経験者じゃないよね?」
馬「………はい、多分…」
ソウシ「多分?」
馬「あ、私の意識のある内ではってことで、まぁ、言葉の文です、ハイ…」
ソウシ「うん、じゃあ尚更自分の身体は大事にしてあげて。 初めての性交が辛いものだったら心に傷が残ってしまうからね。」
馬はしっかりとソウシの目を見据えながら頷いた。
ソウシ「いくらナギの部屋に置いてもらってるって負い目に感じてても、嫌な時は嫌って言って良いから。」
馬「はい……あ、でも、ソウシさん!
私はナギさんにどんなことされても忠誠具合は変わらない自信がありますよ、イェィッ♪」
いつも通りにおちゃらけて言い直す馬。
ソウシ「うん、そうだろうね。ナギも馬ちゃんの厚意は嬉しいと思うよ。」
優しく微笑むソウシは、馬の武道もとい座薬入れ師の師匠でもあり、女性の事を理解してくれる良き相談相手でもある。
今の心境を彼に聞いてもらえて少し心が軽くなった馬であった。