シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その3)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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…………………………
ナギにとってはかなり疲弊する一日となった。
特に最後の街中での馬との追いかけっこは心身ともに堪えた。
山賊時代は疲れなど微塵も感じなかったが、海賊となった今は勝手が違う。
船上にいたら筋力は使えど持久力は殆ど使わないし、久しぶりの陸地でそれなりの距離を走るとこんなに身体に響くものなのか…そう思いながらナギはシャワーを浴びている。
シャワーを終えて、ベッドルームに戻ると馬があり得ない姿勢で眠っていた。
うつ伏せの状態で、頭は地面に付いているのだが、両手はベッドに掛かったまま、片足は地面、もう片足は辛うじてベッドに残っている…つまりは殆どベッドから落ちているし、ナギの知っている言葉では到底表現出来ない姿勢で彼女は器用に眠っているのだ。
ナギ「……何でそんなことになってんだ。」
あまりの状態に思わず本人に尋ねてみても勿論反応はない。
近付いてみると、
馬「かー……かー……」
間の抜けたカラスのような声を出して寝ているので、つくづく馬の神経を疑ってしまった。
ナギ「…………」
流石にこの姿勢では頭に血が上ってしまうだろう、仕方なくベッドまで戻してやることにした。
ナギ「……!」
戻す過程で馬の体重が意外な程に軽い事を知り、ナギは驚いてしまった。
そう言えば馬はあまり量を食べていない。
シンからもらったという菓子ばかり食べて食事の時には少ししか食べないのだ。
ナギ『一度シンと馬を注意しねぇとな。』
2人に対して幼児に注意するような内容を思い浮かべながら、抱きかかえた馬をベッドに降ろしてやる。
そのタイミングで彼女の首元にふと目が行く。
首筋に残るであろう自分が付けたキスマークの存在が気になったのだ。
馬は襟元があまり開いていないシャツを着ている。
そのシャツを少しだけずらしてみると、そこには複数の紅い印がちゃんと残っていた。
全部自分が付けたのだけれど、その事実が信じられなかった。
男女間のそういう雰囲気になった時の馬を見ていると最近のナギは歯止めが効かなくなる。
普段は全く女だということを意識させないクセに、ああいう時は急に色気付く。
そのギャップにまんまとハマってしまったのか、自分しか知らない彼女の姿は自分のモノだと示したくて、つい多くの印を刻んでしまったのだ。
ナギは捲ったシャツを元に戻し、そのまま彼女の横に寝転がった。
明日は船の早番だし、これ以上難しい事は考えずにもう寝るべきだ…ナギは目を閉じた。
……………………………
早朝、ナギが起きると気配を感じた馬も一緒に起きてきた。
馬の寝起きの切り替えは驚くほど早い。
馬「船に戻るんですか?」
ナギ「……あぁ、ドクターと交代する。」
その後は夕刻まで船番をしなければならない。
馬「じゃあ、私も市場が開く時間まで船で待機しますね。」
ナギ「……そうだな。」
馬をホテルに残しても良いのだが、もし行動が行き違ってしまえば、鍵のないナギは部屋に入れなくなってしまう。
それに馬が船の自室にいると思えば船番も少しは退屈じゃなくなる… ナギはぼんやりと考えていた。
馬「用意出来ました!!!」
馬の朝の身支度も早い。
ものの数分でいつもの彼女の装いが完成している。
ナギ「……あぁ、ちょっと待ってろ。」
今日はナギの方が用意に時間が掛かってしまっている。
ベッドにシリウス号まで運ぶ物資を並べ、袋に詰めていく。
突如、腰に何かがのし掛かってきた…まあ、何かと言っても彼女しかいないのだが。
馬「あぁ素敵……この魅力的な腰の角度が誘惑してくるぅ〜素晴らしいっっ!!」
ナギの腰に抱き着き頬擦りする馬の変態気質は今日も絶好調である。
ナギ「……………」
ナギは馬を腰から離し、振り向いた。
馬「お!回転ナギさん!!」
よく考えたら、今なら誰にも邪魔されない。
ナギは馬の首筋に垂らされている黒髪を掻き上げた。
馬「…?」
そこには昨日の紅い印がそのまま残っていた。
ナギは同じ場所にキスを落としてみる。
馬「ぅげっっ!」
予想外のナギの行動に馬は後ろに跳びはね、 ドンッ と壁にぶつかった。
馬「あ、あの……ナギさん?」
彼女の顔は笑ってはいるものの、怯えているのも見て取れる。
ナギは馬に近付き、結果、彼女は壁に追い詰められる。
壁に追い詰められた馬。
ナギとの距離はかなり近い。
馬「あ………あの……」
馬は再度昨夜と同じ雰囲気になったことに焦りを感じている。
ナギ「…………」
デジャヴの如く無言のナギ。
こんな間近で彼の顔を拝めるなんて普段なら泣いて喜ぶべき奇跡なのに、今は状況が違う。
馬「な、ナギさ……」
ナギの大きな手が伸びてきたと思ったら、 バッ!とシャツを上部まで捲し上げられてしまった。
馬「……!」
そんな突然の蛮行に馬は声を出すことも出来なかった。
ナギ「……今日はバンダナくすねてないな?」
ナギは意地悪そうに問いかける。
馬「………」
馬は一言も喋れずコクコクと頷くのみ。
さらにナギは服の襟元を開き、
ナギ「……まだ痕残ってんな。」
昨日の印を確認した。
より濃く残す為に馬の鎖骨周辺にちりばめられた印の一つに重ねるように口付ける。
昨日と同じ、チリッとした痛みが馬を襲った。
馬「んッッ…!」
ナギが口を放すと濃い紅色の花が咲き、それに満足した彼は馬の乱れたシャツを元に戻してやった。
ナギ「ドクターが待ってる、行くぞ」
いつものナギに戻って、馬は安心した。