魔法婆「……最後にもう一つ、
馬さんは長い髪の…何処かの民族衣装を来た人間の雌をご存知ですか?」
馬「……え……長い髪のナース服の女性ならつい最近知り合いになったけど…民族衣装?
うーん、わからないですね。」
馬の脳内の民族衣装イメージはこれ↓だ。

(※
馬の強い希望によりナギが着用)
腰みのと石槍。
そんな衣装を着こなす女性には全く心当たりがなかった。
魔法婆「…………そうですか。」
トワ「あのー、質問なんですが、この島にはお宝ってありますか?」
話に区切りがついた頃を見計らい、トワはリュウガ達に任されていた島に眠っているかもしれないお宝についての情報を尋ねた。
魔法婆「お宝?」
トワ「宝石とか金貨とか、価値のありそうな物を探してます… あ、人魚さん達の大事な物だったら別に良いんですけど!」
魔法婆やリヴラ達人魚の気分を害さないように、トワは慎重に宝の在処を尋ねている。
魔法婆「あぁ、人間達の加工石の事ですね。
リヴラ、あの忘れ物のところに案内して差しあげなさい。」
リヴラ「はーい!昨日
馬も行ったところよ、わかるわね?」
馬「あぁ、あそこですか!」
馬の頭の飾りがシャラリと揺れる。
魔法婆達はこの飾りを貰った場所を指して言っているようだ。
リヴラ「ここから近いし、今から皆で行きましょう。」
馬「うん、行きましょ~!
あ、でももう人魚じゃないから息が続かないかも…」
少しだけ不安になる
馬をリヴラが励ます。
リヴラ「大丈夫!私が潜って持ってくるから。
それに引っ張って泳いであげるわよ。」
トワ「本当ですか?助かります!」
リヴラの優しさに、トワは満面の笑みと共に礼を述べた。
リヴラ「あら…人間の雄もなかなか素敵なのね////」
トワの無邪気な笑顔にあてられて、リヴラは頬を赤らめた。
これぞ年上キラー・トワの職人芸である。
リヴラ「じゃあ行きましょう。」
リヴラ、
馬、トワ、ソウシがお宝目指して出発しようとした時、魔法婆が引き止めてきた。
魔法婆「ソウシさん、あなたはここに残ってください。」
ソウシ「え?私?」
魔法婆「宝とやらを取りに行くのは3人でも事足りるでしょう?
少しだけあなたに話したい事があるのです。」
ソウシ「わかりました。 トワ、
馬ちゃん、探索は2人に任せて良いかな?」
トワ「はい!」
馬「オッケーです!!」
若人2人は元気良く答えた。
……………………………
ソウシ「話って何ですか?」
魔法婆「
馬さんの事です。」
魔法婆はそう言いながら身に纏っているローブの袂から例の2枚貝を取り出してソウシに手渡した。
ソウシ「これは?」
魔法婆「
馬さんの中の人が暴走した時に使ってください。」
ソウシ「え……?」
あまりにも理解不能な言葉の数々に、聡明なソウシでさえ戸惑ってしまう。
魔法婆「私にもわからないのです。
異国の言葉のせいで彼女が何を伝えたいのかわからない……独特の衣装、檻のような部屋、彼女を酷い目に合わす人間の雄達……人間の雄って野蛮なのですね、改めて認識させられました。
彼女の怨恨は深過ぎます。
多分、あなたでも彼女に触れられたらおしまい、正気を保てなくなるでしょう。」
ソウシ「まさか……」
ソウシには魔法婆が説明する内容に心当たりがあった。
そう、ミゼル島で廃人と化した院長の様子がそれと当てはまるのだ。
ソウシ「中の人って、
馬ちゃんが二重人格という意味ですか?」
魔法婆「いいえ、違います。
簡単に言うと、
馬さんの身体に2つの魂がくっついているような状態です。」
ソウシ「……は?」
魔法婆「何か手を打たないと
馬さんの魂の方が消滅してしまうかもしれません。」
ソウシ「…………」
魔法婆「信じられませんか?」
ソウシ「いえ、実際その女性の影響で壊れてしまった人間を見ましたから。
でもどうして
馬ちゃんが…」
魔法婆「
馬さんは非常に珍しい人間です。
彼女の内面を見た時、本人の歴史の他に、微かにアルフェラッツと民族衣装の人間の歴史も見えました。
もしかしたらその人間も
馬さんの血縁関係に当たるのかもしれませんね。」
ソウシ「…………」
魔法婆「普通はあなたみたいに1つの歴史しか見えないのですよ。
……しかし、あなたも変わってますね。
あなたは雄でしょう?それなのに雌の、」
ソウシ「あーストップストップ!!
自分の趣味を改めて言われると凄く恥ずかしいですね////
それは魔法お婆さんの胸に閉まっておいてください。」
医師という職業柄、あまり取り乱す事の無いソウシがこんなにも恥ずかしがる姿は非常に珍しい。
魔法婆「嫌な思いをさせたのなら、ごめんなさい。
人間の基準がよくわからなくて…」
ソウシの慌てる様子を見た魔法婆は思わず謝罪した。