人魚島~2つの呪い~(その4)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ナギ「……………」
馬「…………」
ナギと馬だけの空間になると会話は途切れてしまい、シャワールームには気まずい空気が流れた。
しかし、それを打ち消そうと、
ガリガリガリ……
またもや馬が紙に何かを書き出した。
『皆のごはん作って来てください』
ナギ「……下準備は出来てる、飯にしようと思えばすぐに出来る。」
ガリガリガリガリ…
『私はここに1人でいます』
ナギ「……ダメだ。」
馬の考えている事はわかっている。
どうせ1人になった瞬間に脱走を試みるのだろう、ナギはそれを懸念して決して彼女を1人にはさせなかった。
馬「…………」
自分の要望が通らないと知った馬は悲しそうな顔をしてナギに背を向けた。
馬は、『自分は口も聞きたくない程にナギから嫌われている』そう勘違いをしたままである。
顔を見るのも嫌だろうと、気を遣って後ろを向いたのだった。
一方、
ナギ『顔も合わせたくないくらい怒ってるのか…』
こちらも同様の勘違いをしていた。
ナギ「………」
改めて馬の背中を見つめながらナギは考えていた。
やはりすぐに目が行くのは2ヶ所の赤い印だ。
自分が見たもう1つの印は何処にある…?
ナギは反射的に虹色の衣(実際は昆布)を少しずらしてみた。
馬「……っっ!」
ずらした結果、見えた馬の素肌には3つ目の赤い印が存在していた。
ナギ「………………」
トワに襲われた、但し最後まではしていない、と聞いていたが、どこまでされたのかは本人達にしかわからない。
しかし、この場所に印があるということは上半身の衣服は全て取り払われてしまったのだろう。
馬の愛らしい胸を拝めるのは自分だけだと思っていたのに、一晩にしてトワに奪われてしまったのか…
感傷にふけるナギを尻目に、
馬『ちょっとナギさん……!?』
チャプンッ!!
急に背中を触れられ、衣服をずらされた馬は非常に警戒し、彼から距離を置こうと壁に体が引っ付いてしまうほど退いた。
ナギ「…………」
珍しくナギから行動を起こした。
グィッッ!!
顔を背ける馬の腕を引っ張り、強制的に自分の方を向かせた。
握った馬の腕は人魚になった影響もあるのか、体温が低く、いつもよりも湿り気を帯びている。
そんな彼女の腕をよく見てみると、捕縛した際に巻き付けられた鎖の痕が残っており、とても痛々しい。
ナギ「……夜中に泣いてたのは、怖かったからか?」
馬「……?」
ナギの急な問いかけに、馬は何の事を言っているのか、と首を傾げた。
ナギ「……夜中のお前、おかしかっただろう。
あれはトワに襲われたからか?」
馬「……っ!!」
ナギのストレート過ぎる質問に、馬は顔を真っ赤にした。
トワとの出来事、そして深夜にナギに取った自分の大胆な行動……それらを思い出し、急に恥ずかしくなってしまったのだ。
馬「………っっ」
馬は再び顔を背けようとしたが、ナギはそれを認めなかった。
ナギ「………こっちむけ。」
手を強く引かれると、力の弱い馬は簡単にナギの方に引き寄せられてしまう。
それでも馬はじたばたともがいて彼を拒絶した。
ナギ「……イエスかノーで答えられる質問をするぞ。
イエスなら頷く、ノーなら首を横に振る、良いな?」
馬「……………」
真剣な彼の表情を見ると否定は出来ず、馬は仕方なく頷いた。