人魚島~2つの呪い~(その4)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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迷いを見せる馬に、リュウガが再び言葉を掛ける。
リュウガ「……まぁ、人魚の姿にまでなったんだ。
どうしても馬がこの島に残って暮らしたいってのなら止めねぇけどな。」
お前の意思を尊重するぞ、と最後にリュウガは付け足した。
しかし、
ナギ「船長!」
リュウガの発言に納得がいかないナギが口を挟んだ。
こんな人類未開の島に馬を1人置いていくなんて選択肢はナギの中ではあり得なかった。
リュウガ「こいつなりに考えがあるんだろ。
ナギ、お前も受け入れてやれよ。」
ナギ「……ですが、」
リュウガ「なんなら2人で気が済むまで話し合ったら良い……俺は酒を追加してくる。」
リュウガはパタパタと手を振りながら扉へと向かった。
彼の向かう先はきっと厨房か倉庫だろう。
ナギ「……………」
リュウガが去ってからというもの、ナギはひたすら沈黙を貫いていた。
何か考え事をしているようだ。
そんなナギの態度を見て、馬はまたもや勘違いをする。
馬『ナギさん、難しい顔をしてる……そりゃあ、話もしたくない奴を見張っとかなきゃいけないってなったら嫌だよなぁ。』
自分がいればナギに煩わしい気持ちにさせてしまう。
やはりシリウスから出ていくべきだ、 と、馬は改めて確信した。
……………………………
現在のシリウス海賊団の状況はこうである。
逃亡を謀る馬をナギが付きっきりで監視し、 トワとハヤテは船の雑用をこなし、 ソウシは馬の身体を元に戻す方法を調べている。
シンはというと…
シン「紙とペン、持ってきたぞ。」
馬の供述を取りに、もとい、何があったのかを聞き取りにやって来た。
馬「…………」
シャワールームには馬とナギとシンの3人がいる。
馬『ナギさんとシンさん………威圧感のある2人に質問されるなんて怖すぎる……』
シリウス屈指のサディスト勢に囲まれた馬は自然と身体を強張らせた。
だが、
ナギ「……言いたくねぇ事があったら言わなくても良い。」
緊張する馬を安心させるため、ナギは馬の頭をポンと撫でてやる。
シン「それに具合が悪くなったらいつでも休んでいいぞ。」
次いでシンも普段のような刺々しい物言いをせずに気遣う様子を見せる。
想定外の気遣いを2人から見せられ、馬は戸惑った。
馬『えっっ…この2人が優しい!?
そんな馬鹿な……新種の拷問かな?』
ナギもシンも、馬への接し方を反省して優しくしているというのに、皮肉なことに、馬本人はさらに警戒心を強めてしまうのだった。
やはり日頃の行いは大切である。
『どうして人魚の姿になったのか?』
この質問をされた馬は口頭で説明出来ない分、シンが持ってきた紙とペンを使って答えようとしていた。
ガリガリガリ…
馬は、人魚になったせいで指と指の間にヒレのようなモノが出来ており、人間の頃のようにペンを持つことが出来ない。
よって、仕方なく掌全体で握りしめる形でペンを持ち、大きな字で書いていく。
人
魚
に
あ
っ
て
人
魚
に
し
て
も
ら
っ
た
これだけを書くのに結構な時間が掛かってしまったが、シンもナギも文句を言わずに静かに見守っていた。
Q.シン「元には戻れないのか?」
↓
A.私の力ではどうにもならない
Q.ナギ「どうやって人魚になったんだ?」
↓
A.人魚からもらった薬を飲んだ
Q.ナギ「……何でそんな薬なんか飲むんだよ。」
↓
A.好奇心(笑)
ナギ「(笑)じゃねぇよ…」
不真面目に見える馬の回答に苛立ちを覚えたナギを、シンが手で制する。
Q.シン「馬、お前はシリウスから降りて人魚として暮らしたいのか?」
↓
A.皆の和を乱す自分がいなくなれば丸くおさまる
ナギ·シン「…………」
この回答を見て、2人には考えさせられるものがあった、馬がこう考えるに至ったのは自分(ナギ・シン)のせいでもある、と。
馬「……?………?…」
急に険しい表情になった2人を見て馬はオロオロと狼狽えた。
そこに、
ガラッ…!!
ソウシ「馬ちゃんの好きなフンドシ付けて来たよ!!」
シリアスな雰囲気をぶち壊す革命児が乱入してきた。
馬「………!!……………カハッ…………!!!」
声を出して大笑いしたい馬だが、やはり喉に引っかかってしまい苦しくなった。
入院した日の夜の如く、苦しそうな馬にナギが膝をついて寄り添った。
ナギ「大丈夫か?」
馬「………」
コクコクと頷く馬に、笑いの魔の手が容赦なく襲いかかる。
ソウシ「筆談してたんだね!確かに筆談なら話も聞ける。
……馬ちゃんもフンドシが好きなんだよね?何色が好きなのか書いてみて。」
紳士的に紙を差し出されたが、フンドシ一丁の男から物を受け取るなんてシュール過ぎる光景である。
馬『ちょっとソウシさん(笑) 色を聞いてどうするの(笑)』
脳内でツッコミを入れるが、それですら面白く感じてしまう。
笑いたい声が突っ掛かり息が苦しい……馬は出来るだけフンドシソウシを視界に入れないよう、ナギの腕にしがみつきながら笑いの渦が引くのを待った。