人魚島~2つの呪い~(その2)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ソウシ「ナギ……朝からどうしたんだ?」
布団に身を隠す馬をそのまま匿った上で、ソウシはベッドから起き上がりナギと対話する。
ナギ「………そこの馬を渡してください。」
ソウシ「うーん、それは難しいな……馬ちゃん、何だか具合悪そうだし、診てみるよ。」
ナギ「………いや、さっき全速力で走ってました。」
ソウシ「足は速くても顔色はちょっと悪かったからね。
船医としてちゃんと診察しないといけないんだ。」
ソウシとナギは、ベッドで丸まっている馬入りの布団に目をやった。
馬『ひぃぃぃ……どうか鬼神の怒りが鎮まりますように………』
と、ブルブル震えて怯える馬の動きに合わせて、布団も小刻みに揺れている。
ソウシ「2人は喧嘩でもしたのかい?
馬ちゃんの方は私に任せて、ナギは料理でもして気持ちを落ち着かせて来たらどう?
今の君の顔は泣く子も黙るほど怖いから。」
ナギ「…………」
ソウシの癒しスマイルを受け、ナギは少しだけ冷静さを取り戻したようだ。
ナギ「……わかりました、でも、後で馬を厨房に寄越してください。」
そう言い残し、ナギはソウシの部屋を後にした。
パタン……と、部屋の扉が静かに閉められた瞬間、
馬「ぶはっっっっ!!布団、熱いっっっっ!!酸素も足りないっっっ!!」
ナギが居なくなった気配を察知した馬が、熱と酸欠で苦しそうにしながら布団から這い出てきた。
ソウシ「いやー、珍しくナギが凄く怒ってたね♪」
ソウシはボリボリと寝癖の残る頭を掻きながら、楽しそうに話し掛ける。
馬「うぅ……怖すぎて笑えないっす…」
馬の方はと言うと、ナギの鬼気迫る怒り具合を思い出して涙目になっている。
笑うソウシと怯える馬で、激怒するナギに対する2人の反応は対照的だった。
ソウシ「一体何を仕出かしたんだい?…って、まさか昨日の事がバレちゃったとか?」
馬「そ、そのまさかなんです。」
ソウシ「え……」
馬「実はですね…」
聡いソウシにいきなり核心に触れられてしまったので、馬は肩を落としながら今朝の出来事を説明した。
ソウシ「あぁ、これは立派なキスマークだね。」
ソウシは馬の背中を確認しながらにこやかに告げた。
馬「ぐっっ、そんなに目立ちますか?」
ソウシ「うん、白い背中に真っ赤な後が2箇所…かなり目立つよ。
前は……ぅわっ、ナギって面白いんだね……相手を追いつめたい心理ってやつかな?
前にばっかりキスマークを付けるのに背中には全く付けないなんて狩りを好む肉食獣みたいだ!」
シャツを捲る馬の身体を観察しながら、ソウシは興味深そうにナギの嗜好を分析している。
馬「あの…うちのルームメイトの性癖が独特ですみません…」
何故だか馬の方が気恥ずかしくなり、不在の当人に代わって謝罪した。
ソウシ「いや、気にしないで、人にはそれぞれの性癖があるからね。
私だってたまに浴槽にゼラチンを、」
馬「ちょっと待ってください、親しい人の、しかもマニアックそうな性癖なんて聞きたくないです!」
ソウシ「冗談だよ。」
ニコニコと笑うソウシだったが、その目は笑っていない事に馬は気付いていた。
馬『浴槽にゼラチン…不穏過ぎるワードだわ。
これ以上深掘りすると開けちゃいけないパンドラの箱を開けてしまうことになりそう……』
馬は危機回避能力に長けているのだ。