おにいちゃんといっしょ~プチタイムスリップ~
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少し時間を遡る……
ナギは食べられる物を探している最中に、一軒の民家を偶然発見した。
辺境な土地に建っている家屋にも関わらず住民は健在のようで、窓からは明かりが漏れている。
さらに、夕飯時ということもあって食事の良い香りまで漂っていた。
ナギは住民との交渉材料に何か持っていないか、自身のズボンのポケットを探ってみた。
すると、
ナギ『買い出しの釣銭がそのままだったか…』
1枚のモルドー銀貨が出て来た。
ナギがいきなりやって来たこの土地はヤマト島土の何処かだと予想している。
流通しているだろうヤマト通貨とは異なるだろうが、この銀貨は一応は純銀製で価値がある。
これで何か食べ物と交換してもらえないだろうか…と、ナギは期待を込めながら家屋の扉を叩いた。
「…あれぇっ、誰だろう珍しい……」
扉を開ける前から女性の話し声が漏れ聞こえた。
「はぁい!」
ガチャッ!!
恰幅の良い中年女性が中から出て来た。
ナギ「………旅の者だが、いきなりで悪いが食べ物を分けて欲しい。」
「あらあらあらぁ!外国の人かい?
やだよっ、もう、アタシったら化粧もしてないのに…おにいさん凄いカッコいいからおばちゃん照れちゃうじゃない、いやぁねぇっっ////」
黄色い声を上げつつ、バシバシとナギの肩も同時並行で叩かれる。
ナギ「……あの、」
「はいはい、食べ物ね?良いわよ〜!」
Mrs.おばちゃんに圧倒されながらもナギは交渉を続けた。
ナギ「それで…モルドー銀貨で悪いが、これで交換してもらえないか?」
「あらやだわぁ~!お代なんかいらないよ。
こんなイケメンの顔を拝んだからにはこっちが払わなきゃいけないぐらいなのに〜!」
またバシバシとナギの肩が叩かれる。
「何ならここで食べてったらどうだい?」
ナギ「…気持ちはありがたいが、外で子どもが待ってるから、」
「まぁまぁまぁ!おにいさん、その若さと顔で子持ち狼なのかい!?
ワケありなのねぇ……わかったよ、ちょっと待ってなさいね!」
顔は関係ないと思うし、子持ち狼って何の事だ?と、おばちゃんの言動を受けて、ナギは色々と混乱していた。
「おにぎりと今日のおかず少しと、玉子焼き作ってきたから!子どもちゃんが好きだと良いんだけどね。
それと…言われてた塩ね!はい、お裾分け!!」
ナギ「……こんなにもらうわけには……やっぱ銀貨を受け取って、」
「あー、いらないいらない(笑)
むしろこんな質素な物しかなくて悪いねぇ。」
ヤマトの一般人は人情身溢れる人間が多いと聞いたことがあるが、まさかこれ程までに人懐っこくてサービス精神が旺盛だとは思わなかった。
ナギ「………すまない、恩に着る。」
ナギはヤマトのおばちゃんの優しさに感謝をし、頭を下げた。
「困った時はお互い様だからね。
私に恩返しじゃなくて、またおにいさんが困った人を見付けたら、その人を助けて恩返しすりゃ良いんだから〜!」
ナギ「……あぁ。」
「もぅっ、本当惚れ惚れしちゃうくらい男前だわ〜、良いもの見せてもらってこっちが感謝しないとだわ////」
最後もバシバシと肩を叩かれ、始終Mrs.おばちゃんにナギは振り回されていた。
……と、こんな出来事があったので、ナギとチビ馬の夕飯は豪華な物となったのだ。
とりあえず、ナギは採取したキノコを焼くことにした。
……………………………
馬「キノコって美味しいんだね。」
キノコの素焼きに塩を振っただけのシンプルな一品だが、馬は気に入ったようだ。
次におばちゃんからもらったおにぎりを馬に手渡した。
馬「キノコとごはん、一緒に食べても美味しいね…」
ナギ「……そうだな。」
普段より豪華な食事に興奮して饒舌になっているチビ馬を見て、ナギは微笑ましく感じていた。
チビ馬からすれば、大人のナギが自分の為に食事を用意してくれて、さらに一緒に食べてくれるなんて、嬉し過ぎてまさに夢のような一時に感じていた。