ほぼ無人島~脱出SOS!~(その6)
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解体作業をあらかた終えた梅が肉の塊を抱えてやって来たのだが、ある人物を見て驚愕する。
梅「おめぇは!!!」
リュウガ「げっっ!! ヴァイカートのおっさん!!」
リュウガも梅の顔を見て驚いている。
どうやら梅とリュウガは互いに知り合いのようだ。
ナギ「……船長は梅さんと知り合いなんですか?」
リュウガ「知り合いも何も、俺を捕まえたくてしょうがない軍の狂犬ジジイだ……最近は見掛けなかったからくたばったんだと思ってたけどな。」
梅「フンッッ、若造が偉そうに!
俺はな軍から引退したんだ、今はか弱い一般ピープルでしかねぇよ。」
リュウガ「か弱い一般人が何でそんな血塗れで肉の塊を持ってんだよ、引くわ…」
梅「これは婿殿への土産だ。 相変わらずの減らず口だな、リュウガよ。」
リュウガ「婿殿ぉ?」
ナギ「……船長、梅さんは馬の親父さんなんです。」
リュウガ「はぁぁぁぁぁぁ!?嘘だろ? 全っ然、似てねぇじゃねぇか。」
梅「馬は養女だが俺の娘だからな。
あいつに変な事をしてみろ?地獄の果てまで追いかけてやる!」
梅はニヤリと笑ってリュウガを牽制した。
リュウガ「おっさんに言われなくても馬は立派なシリウスの一員だからな、手なんか出さねぇよ。」
梅「フンッ、海賊の言うことなんて当てにならんが……………その台詞忘れんなよ、リュウガ。」
リュウガ「あぁ、だからおっさんも安心してくたばってくれな!」
梅「おめぇが捕まるまでは死ねるか!!」
ナギ「…………」
ナギは2人のやり取りを見て、敵同士ながらも根本は気の合う2人なのだろうと察した。
……………………………
ハヤテ「船長とナギ兄ーー!! 馬がヤバいらしいから行くぞーって、何でそんなに荷物が増えてんだよ。」
馬とソウシを船まで返したハヤテが再びボートに乗って戻ってきた。
ナギ「……大事な荷物だからな、落とすなよ。これには生き物が入ってる。」
ハヤテ「生き物か……オッケー、気を付ける!」
ナギは先に荷物(ヒヨコ籠、保存魚、熊肉)をハヤテに託してから、梅達の元に行った。
梅とリュウガは、何やら難しい顔で政治情勢について語り合っていた。
ナギ「……船長、もう行くそうです。」
リュウガ「わかった!」
梅「隣のミゼル島に行くのか?
あそこには大きな病院があるが……ちときな臭い噂もあるぞ。」
リュウガ「でも馬をすぐに診せれる場所はそこしかねぇからなぁ。」
梅「そうか……」
梅はチラッとナギを見てから、
梅「まぁ、婿殿がいればなんとかなるだろ、ガハハ!」
バシバシとナギの肩を叩いて笑った。
リュウガ「婿殿、ね…」
梅「俺も島に行く予定だからな。
またおめぇに会ったらそん時こそ軍に引き渡してやる!!」
リュウガ「狂犬っぷりは衰えてねぇなぁ!」
梅「もうすぐ、俺の息子があの島の担当になるからな。」
リュウガ「あ?息子?」
梅「あぁ。馬の弟だ。期待の新人准将らしいから覚悟しとけ。
じゃあな、小童海賊王よ……」
梅は一通り話して満足したのか、島の奥地へと去って行った。
リュウガ「…はぁ?馬の弟っていくつだよ。准将っておかしいだろ。」
リュウガはブツブツ呟いている。
ナギ『…馬の弟、タケルか……ちゃんと生きてるじゃねぇか…』
ナギは考え事をしていたが、ふと視線を感じたのでリュウガの方を見た。
リュウガはとてもニヤつきながら、
リュウガ「婿殿(笑)、馬との初夜をあのおっさんに見られちまったんですか?」
と、ふざけた事を尋ねてきた。
ナギ「……違います。」
この後、シリウス号に戻ってからリュウガを兵糧攻めにした事は言うまでも無い。
……………………………
ナギが馬に再び会えたのは、その日の晩だった。
馬はナギの部屋ではなく、医務室に寝かせられていた。
ナギ「……………」
ナギは彼女を見下ろすだけで、何と言って声を掛けるべきかわからなかった。
馬「……………」
馬も、時折コホコホと苦しそうに咳き込む以外は、ただ静かに眠っているだけだった。
ナギは彼女の掌を握ってみた。
いつもより熱く感じる手に、後悔が生まれた。
ナギ『………気付いてやれなかった。』
梅が言っていた我慢強い性格が災いして、馬は倒れるまで症状を訴えなかった。
もっと自分が考慮していれば………
その時、
ガチャッ!
ソウシ「……ナギ?」
医務室にソウシが入ってきたのでナギは慌てて手を離した。
ソウシ「……フフ、気にしなくて良いのに。」
ナギが馬の手を握っていたことを知ったソウシはとても微笑ましく感じていた。
ナギ「……………」
しかし、当の本人はばつが悪そうにしながらソウシから視線を反らした。
やはり、シリウスメンバーに自分の私情を知られる事が気恥ずかしいのだ。
ナギ「……ドクター、馬の容態は?」
ソウシ「大きな病院で診てもらわない事には何とも言えないね。」
ソウシは、熱のせいで汗がにじんでいる馬の額をガーゼで拭ってやる。
ソウシ「抗生剤を2つ投与したけど、何分衰弱が激しいからね。
島に到着するまでに悪化しなければ良いんだけれど…」
ナギ「…………」
その後、ソウシがナギに休むよう促しても、
ナギ「俺の責任なんで…」
そう言って馬の側を離れようとはしなかった。
ソウシ「…わかった、ナギにも馬ちゃんの看病を手伝ってもらう。
不寝番と同じように付き添いを交代してくれないか?
今からは私がするから、次の交代までナギは寝ておいで。」
ナギ「……わかりました。」
ソウシ『やれやれ…これじゃあナギまで倒れてしまう。』
困り顔のソウシは自室に戻って行くナギの後ろ姿を見送った。
そんな2人のやり取りなど知り得ない馬は、未だ静かに眠ったまま長い夢を見ていた……
(終、ミニあとがきへ)
【ミニあとがき】
今回の無人島生活で、ナギさんの方が先に「自分は主人公の事が好きかも」と気付きました。
一方、主人公の方はと言うと、「ナギさんは自然界に超強い!凄い!!」と尊敬の念を強めました。
まさかの彼女の方が恋愛に疎いです(^_^;)
次は主人公の過去編(短編)を予定してます。
また気長に更新をお待ちくださいm(_ _)m
馬ときどき魔王 管理人より。
(※と、2014年度の管理人が申しておりました!)