シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その2)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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途中、中座してしまったものの、その後は無事にディナーをやり過ごすことができた馬。
食事の場所が個室だったお陰でいつもの船の食卓と変わらない気持ちで時間を過ごせたのが良かったのかもしれない。
ただ、馬が何か話すたびに、シンかハヤテのどちらかに、
「喋るな!一気に残念な女になるから喋るな!」
と、注意されたのが心外だったが。
そんな会食の時間が終わり、全員で店を出ようというタイミングで、シンが話しかけてきた。
シン「なんだ、ナギ制限はもう終わったのか。」
少しつまらなさそうに尋ねるシンに対し、馬は、
馬「はい!限度が過ぎなければ良いって許可が下りました!!
シンさん、私が渇れかけているときのフォロー、ありがとうございました!!!」
本日最高の笑顔で答えた。
シン「フン、まぁオレもナギを揶揄えて面白かった。」
ニヤリと笑うシンの先には、馬とシンの仲を見せ付けられた、つまりは今日のドッキリ被害者であるナギが睨んでいた。
ナギ「シン、馬、もう皆行ったぞ。」
馬「はーい、ナギさん♪」
待たせて申し訳ない、という気持ちよりも、待っててくれて嬉しいという気持ちの方が勝る馬は 歓喜の足取りでナギの傍まで行く。
馬「ナギさんナギさん! もうディナーとやらは終わったから、私、エスコートされなくても良いんですよね?本当はとんでもなく恥ずかしかったんです!」
と、ニコニコしながら力説する馬の発言に、ナギは疑問を抱かずにはいられなかった。
ナギ「…エスコート?」
馬「ん?シンさんがナギさんにエスコートしろって頼まれたって。だから私はシンさんにエスコートされて…え!?」
馬はバッとシンのいる方向を見たが、既に彼の姿は無かった。
今更ながらエスコート関連の話はシンの嘘だったと気が付いた。
馬『あの嘘つき非人道航海士め……私の気合いと恥じらいと…その他諸々を返せー!』
ナギ以外にもドッキリ被害者が一人いたようだ。
馬はシンに恨みつらみを募らせた。
……………………………
ハヤテ「おーい、馬とナギ兄ぃー!」
店の外では全員が二人を待っていた。
各々の立ち位置は、 ハヤテ・シン・リュウガのグループと、ソウシ・トワの2グループに分かれている。
その内のハヤテが手を振ってナギを呼んでいる。
そのままナギはハヤテ達の方へ、馬はソウシ達の方へ向かう。
ソウシ「馬ちゃん、私達は今からホテルに帰る組だけど君はどうする?」
馬「私は昔の知人とバッタリ再会しまして、今日から3日間その人のお宅に泊めていただけることになりました~、イェイ♪」
嘘である。
確かに今日はサラの自宅に泊めて貰えるが明日以降の約束はしていない。
なので馬はホテル代節約のために2日目以降は野宿を企んでいる。
弟に少しでも多くのプロテイン代を捻出してやりたいのだ。
ソウシ「そう、それは良かった。気を付けて行っておいで。
本当は可愛いドレス姿の馬ちゃんをもっと堪能したかったんだけどね。」
馬「まだ時間はありますよ、ソウシさん!
今もっと私を見つめてください!!! ほらほらほらぁ!」
次々と筋肉系のポージングを決めていく馬を、トワが慌てて止める。
トワ「今の馬さんは喋っちゃダメってシンさんもハヤテさんも言ってたでしょう。 僕のヤマト女性像を壊さないでください。」
ソウシ「アハハ!逆に逞しくて素敵だよ(笑)」
ソウシのツボには入ったみたいだ。
馬「そう言えば明日は何か手伝うことあるかな?」
トワ「明日は…うん!馬さんは大丈夫ですよ。 自由を満喫してください!」
馬「そっか、じゃあ明日こそ個人的な買い物に行こうかな。
今日はどこかの偉大なる航海士様のお陰で全然買い物が出来なかったから…」
シンに効かされた凄味は未だに馬の中で有効のようである。
あの地獄耳航海士は何処に居ても自身の悪口を聞きつけ、地の果てまで追ってくる気がしてならない。
ソウシ「くれぐれも人通りの少ない場所には気を付けてね。」
馬「はーい。」
ソウシとトワ、他の外出組にも別れを告げて馬は一人、サラの待つセレブファッション街を再び目指した。
既出の情報だが、彼女は方向音痴クイーンであることをお忘れなく。
ハヤテ「ナギ兄もこのままここに残るだろ? もうちょっと飲みに行かねぇ?」
ハヤテに誘われるも、ナギは暫く考えて、
ナギ「……いや、今日は宿に戻る。」
と断った。
ハヤテ「えー、何でだよ!久々の陸地だぜ、シャハイ特産の酒とかもっと飲もうって!!」
子どものようにぐずるハヤテに、ナギはきちんと理由を話す。
ナギ「俺、明日の早番だからな。」
ハヤテ「あ!ナギ兄だったっけ?」
ナギの夜遊び不参加の正当な理由に、ハヤテも納得したようだ。
ナギはふと馬の方を見た。
確か彼女はこの後にもう一度女店員と会う約束をしていた筈だが…
ソウシ「…気を付けてね。」
馬「はーい!」
ソウシ達に挨拶を済ませた馬は、こちら側までやって来て、
馬「それでは皆さん、またお会いしましょう………アディオスッッ!!!」
ビシッと、顔に手を添えて別れの挨拶をした。
本人的に格好良くキメたつもりなのも伝わってきた。
そしてそのままセレブ街とは見事に真反対の方角に向かって駆けていった。
馬「待っててねサラさーーん!!!」
確かに彼女はそう叫んで走っているのに…
方向音痴が過ぎる馬の行動に驚愕したナギは、
ナギ「……じゃあ俺も行くわ。」
と、努めて冷静に、皆に挨拶を交わしてからその場を去った。
メンバーは返事をしてくれていたが、ナギはそれを聞く余裕もなく、急いで自身のホテルへの道を進んだ。
途中、皆の姿が見えなくなる頃を見計らい、道を変更して馬の後を追いかけた。