ほぼ無人島~脱出SOS!~(その5)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬はナギの膝の上に乗ったまま、再びウトウトとしだした。
彼女の黒髪が肩に触れる度に微かにくすぐったく感じる。
野外生活に慣れているとは言うものの、巨大タコに放り投げられてからの馬はナギを離さないまま1人で泳ぎきり、ちゃんとした療養をすることもなくしきりに動き続けていた。
疲れていないはずが無いのに、それでも彼女は動こうとする。
せめて自分の膝上ではゆっくりと休ませてやりたい、そんなことをナギは考えながら馬の手を握った。
すると、
ナギ『………熱い…?』
ほんの少しだけ違和感を覚えた。
馬「……ん……」
ナギに触れられたことで目を覚ました馬は、そのはずみで毛布の上でそのままになっているヒヨコの存在を思い出した。
馬「…ヒヨコは……?」
ナギ「……ちょっと待ってろ。」
眠くて動けずにいる馬に代わり、ナギがヒヨコの元へと行ってやる。
ヒヨコと毛布を同時に持ち上げると、静かに彼女の所まで運んだ。
ナギ「………馬、」
馬「……ん?……あっ!ありがとうございます…」
寝惚けた顔をしながらも、彼女はヒヨコをしっかりと受け取り、掌に包み込んでやる。
そして、そのまま地べたに座り込んでしまった。
結局、眠すぎる彼女の瞳は最後まで開かれることはなかった。
その様子を見たナギは、小さく折り畳まれていた毛布を広げ直し、綺麗に半分に折って地面に置いてから馬達を呼んだ。
ナギ「……馬、ここで寝ろ。」
馬「…へーい……」
ナギに言われてのそのそと立ち上がった馬は毛布まで無事に不時着し、寝転んだ。
それを見届けてから、ナギ自身も彼女に寄り添う形で横になった。
ナギ「……………お前の手…熱が込もってんな。 日に焼けたからか?」
馬「…あー……ヒヨコの熱を吸収しました…」
ナギ「…………」
馬は目を開けることなく、ほとんど無意識に質問に答えている。
ナギ「………この島の隣には大きい島があるそうだ。」
馬「へー………」
ナギ「…………船で2日位かかる距離らしいが、」
馬「ほー……」
ナギ「………シリウスの奴らはまずその島を目指したと思う。」
馬「ほほー…………」
ナギ「……そこでこの島の情報を得てから来るまでにまた2日、」
馬「うんうん………」
ナギ「俺の予想だと明日か明後日には救援が来ると思う。」
馬「…ほほー、すげー……」
ナギ「…………ちゃんと聞いてるのか?」
ナギは軽く笑いながら馬の頭を撫でてやる。
いつもと違って口数の少ない馬は、はっきり言って可愛らしく感じる。
馬「ナギさーん………」
ナギ「………何だ?」
今度は馬の方から話し掛けてきた。
しかし、今の彼女は睡魔によって意識は朦朧としたままだ。
馬「…明日で……サバイバル終わりですか………」
ナギ「……多分な。」
馬「ナギさんとのサバイバル生活……楽しいです………またしましょ……」
ナギ「……………」
ナギにとってかなり嬉しい言葉だったが普段通りの自分を装って、
ナギ「……海で遭難は二度としたくねぇけどな。」
あえて皮肉で返した。
馬はゆっくりと目を開け、ナギに視線を合わせた。
馬「フフッ………必ず私がお助けしますよ、ナギ王子♪」
ナギ「……!!」
いつもは奇妙な笑い声を上げるか、もしくは胡散臭くニヤリと笑う事の多い馬。
しかし、あまりにも眠すぎたのか、今の笑顔は自然な微笑みだった。
ふんわりと優しい空気がナギと彼女(ついでにヒヨコも)を包み込むような、真っ白でとても可憐で… 言葉には表しきれない程の何かだった。
初めてその様子を見たナギは衝撃を受けた。
ナギ『…今のは………ダメだ……』
胸の高鳴りを覚えた彼のことなどお構いなしに馬は、
馬「ウヒヒヒ、私は人魚姫……むしろ…………頭が魚で足が人の、魚人かも…しれない…………ムニャ」
直ぐに通常運転に戻り、再び目を閉じてまどろみだした。
ナギ「…馬、向こう向け。」
馬「…ん?……はいはい………」
馬はコロンと寝返りを打つ形でナギに背を向けた。
しばらくして、彼女の肩が呼吸に合わせて上下しだした。
どうやら完全に寝付いたみたいだ。
ナギ「……………」
これ以上彼女の顔を見ていると色々と抑えがきかなくなりそうだった。
ナギは小さな背中に手を伸ばし、 ギュッと背後から抱き締めた。
前方からだとヒヨコを潰しかねない、それ位強く抱き締めたい衝動に駆られているのだ。
馬「………カー…………………カー…………」
ナギの気持ちなんて知らずにいる馬とヒヨコは安らかに眠っている。