ほぼ無人島~脱出SOS!~(その3)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「暫くして、お婆さんが老衰で亡くなりました。
亡くなる直前に私に『辛くなったら村から逃げ出せ』と、言い残して。
その日から村の、特に男の人達の様子がおかしくなったんです。
弟が言うには…お婆さんが亡くなった日に村の長が男性達を集めて、その………私を村の男衆全員の嫁にする、と通告があったそうです。」
ナギ「………全員の嫁…?」
馬は1人しかいないのだから物理的に無理な話である。
馬「弟はその時は意味がわからなかったそうですが、 後の様子からして……私は村中の男性の慰みモノになる予定だったみたいですね。」
ナギ「…は?」
馬「………ね?トンデモ話でしょう。もう笑ってください。」
ナギ「……馬、」
勿論、ナギは笑わなかった。
代わりに馬を膝の上に乗せてから、真剣な表情で尋ねた。
ナギ「その時のお前は………大丈夫だったのか?」
馬「はい。 ありがたい事にタケルくん、弟が常に目を光らせてくれていて、それが牽制になってたみたいです。」
馬が答えた後、ナギは安心しながらもう1つの質問をする。
ナギ「……そんな状況からどうやって村から出れたんだ?」
馬「……………………」
馬はナギの胸元に顔を埋めた。
村から逃げ出す切っ掛けを話すにはナギの顔を直視しながらだと言えそうになかった。
馬「あの日、弟は長から用事を頼まれてました。
すぐ戻るから、と言って弟は出掛けて行って。
夕方頃、夜間漁に出る男の人が訪ねてきて、中庭…だったかな…。 そこで『幸黄泉』をしました。
男の人の目を見ている時に、弟はどうした?って聞かれて、そこで集中していた私は何も考えずに不在を告げちゃったんですよね。
そこからはあまり覚えてないのですが……」
伸ばされた男の手、 倒れた身体の衝撃、 衣服の裂ける音、 叫びたくても出ない声………これらの描写をナギに伝えたかったが、どうしても馬は言葉には出来なかった。
馬「……ッ………」
ナギはそんな彼女の様子に気付き、
ナギ「……もういい。」
と、静かに告げた。
ナギ「………悪ぃ、いらん事を聞いた。」
馬は首を横に振った。
確かに、思い出すのも嫌な出来事だったが、襲われるすんでのところでタケルが帰還し、結果的に無事だったのだ。
ここで話を終えてしまうと、今後ナギに気を遣わせてしまうことになるだろう。
恐怖に支配されそうになっている心を奮い立たせて再び馬は話し始める。
馬「少し取り乱しました、すっかり忘れてたのに久しぶりに思い出したからですかね。」
そして、気持ちを落ち着かせた後は微笑んで見せた、 つもりだった。
ナギ「…………笑えてねぇ。」
真顔のナギが馬の頬を両手で挟み込みながら見つめている。
馬「……え?」
自分が取り繕っていることをナギに見透かされた気がして酷く恥ずかしくなり、それと同時に哀しいような切ないような複雑な感情に陥った。
馬『何だ何だ…?』
馬が頭の中で必死に考えていると、頬をツーっと温かい物が流れてきた。
馬「……ぉょ?」
どうしてこの場で涙が出るのか。
これには馬も驚いた。
馬『私は物語のヒロインにでもなったのかな… いやいや、それは無いな。 至って残念な人間ですから!うん。』
元から感情的で涙腺も緩いが、気弱なタイプでは無い。
それなのにこの複雑な感情と突然の涙は何故なのか、馬はひたすら混乱していた。
馬「………!?…… あ、これは……いやっ、違うんです!………だ、大丈夫、大丈夫っすよ!!」
ナギは馬を落ち着かせるためにも、彼女の頬から手を離し、再び抱き締めた。
ナギ「…………………」
馬「ここに来てイケメン攻撃ですか!さっすがナギさん…………その…………アリガトーゴザイマス……」
最後の『ありがとう』という感謝の言葉は尻すぼみになってしまった。
優しく接してくれているナギに一番伝えたい大切な言葉なのに。
やはり自分は残念な奴だ、と馬は反省していた。
(その4に続く、ミニあとがきへ)
【ミニあとがき】
馬小説らしからぬ、最後はシリアス展開になりました。
作者はギャグ話の他にオカルト話や残酷話が好きなので、今後の小説で少しだけその要素が入ることがあるかもしれません。
しかし、出来るだけオブラートに包んだ表現にしますし、後味悪い結末にはしない予定なのでご安心くださいね。
トンデモ村話は村自体はフィクションですが、掟等は大昔の日本民話の暗部から持ってきています。
リアルな残酷設定は完全に作者の趣味から成ってますので、苦手な方がいらっしゃったらごめんなさいm(__)m
馬ときどき魔王 管理人より。(※と、2014年度の管理人が申しておりました!)