ほぼ無人島~脱出SOS!~
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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孤島で偶然再開したのは馬の育ての親でもある『梅さん』なる人物だった。
馬の言葉で彼の印象を言わせると、『元軍人のスーパー爺』である。
訳あって馬と、その弟のタケルの面倒を見る事になった梅は、共に暮らすと決めたその次の日から軍人さながらのスパルタ生活を2人にさせた。
心身を鍛える事を狙いとした生活だったが、それ以上に過酷過ぎたせいで、これらの日々が後の2人の性格や進路に大いに影響してしまった。
馬は危険な事や面倒事からすぐに逃げ出そうとする保守的な性格になり、逆に真面目なタケルは軍の入隊を希望するようになったという。
スパルタ生活を暫くした後はヤマトの都会に3人で上京した。
そこで馬達姉弟は梅が開業した『便利屋』の仕事を手伝うようになり、 猛毒バチの巣の駆除や、夜逃げ作業の手伝い、何か恐ろしい事件があった後の部屋の片付け、悪霊払い等々、日常とはかけ離れた仕事をして生計を立てていた。
スパルタ生活も都会生活も、梅の破天荒な生き様を間近に感じられ、馬達姉弟は刺激的で決して飽きない日々を過ごせていた。
そんなある日…
梅「便利屋を廃業する。」
と、梅に突然宣言されたのが馬が18歳、タケルが16歳の時だった。
タケル「は?ジジイいきなりなんだよ。」
不意打ち宣言に納得のいかないタケルは絶賛反抗期中だったということもあり、梅と殴り合いの喧嘩にまで発展した。
しかし、引退済みとはいえ梅は鬼軍曹として名を馳せた人物。
まだまだ若齢のタケルでは全く歯が立たなかった。
梅「もう終わりか?」
ニヤニヤと笑いながら梅はタケルを挑発する。
タケル「っくしょぉ……」
ボコボコにされたタケルは実に悔しそうにしながらも負けは負けだと素直に認めた。
梅「…タケル、おめぇはもう16だ。軍に志願出来る。 馬、おめぇには俺の知り合いのところに住み込みの話を通してある。」
タケル「…ジジイはどうすんだよ。」
馬「そうだよ… 私、梅さんとタケルくんとずっと一緒にいたい。」
梅「バカ野郎、おめぇらはもう一人で生きていける歳だろ!」
タケル「………」
馬「…………」
梅「それにな、そろそろ俺の夢を叶えておかないと寿命の方が先に来ちまいそうなんでな。」
ニヤリと笑う梅。
彼には、未だ人が踏み入れていない未開の大地を一人で生き抜く究極のサバイバル生活をするという夢があるらしい。
その夢を抱えながらも梅は馬達が自立出来る年齢になるまでずっとヤマトに留まり手元に置いて育ててくれたのだ。
梅には充分過ぎるほど世話になったし、これからは彼の好きな事をして生きてもらおう…と、馬とタケルの意見は一致し、ここで梅とは離別することとなったのだ。
以上が馬と梅との思い出である。
……………………………
馬は梅に協力してもらいながら意識のないナギを木陰にまで運んだ。
梅「ほら、馬。脱がすぞ、手伝え。」
馬「うぃ。」
馬はかつて便利屋業をしていた頃のように梅の指示に的確に従い、ナギの濡れた衣服を淡々と脱がしていく。
馬『乾かさないと…』
脱がした後は、馬はナギの方をあまり見ないよう気遣いながら濡れた服を陽のよく当たる場所に並べていった。
梅「次は馬も脱げ!」
馬「え゙!」
梅「え、じゃねぇ。 溺水者には保温が大事なんだよ。おめぇが温めてやらんでどうする。」
馬「そ、そっか。」
ナギさんの為だ、衣服なんて一刻も早く脱ぎ去ろう…そう決意した馬が服を脱いでいくと、服に仕込んでいた様々な道具もガシャガシャと地面に落ちていった。
馬が下着だけの姿になった時、
梅「よっしゃ、目が覚めるまで温めてやれよ。 俺は大事な用事があるから島の北側に行く。後はおめぇらでなんとかしやがれ。」
ニカッと笑う梅は自分の荷物から毛布を一枚取り出して馬に手渡した。
梅「これは餞別だ。」
馬は受け取った毛布を直ぐにナギに掛けてやった。
馬「待って梅さん、まだ話したいことが、」
梅「悪ぃが本当に急いでる。そういう運命だったらまた会えるだろう。」
馬「…わかった。」
梅は馬の頭を軽く撫でてからあっという間に居なくなってしまった。
足腰の強さは昔のまま衰えて居ないようだ。
馬『速いな〜。さすが鬼神として恐れられていた梅さん…』
梅が居なくなったことを確認してから馬は下着も全て脱いだ。
やはり濡れた下着を身に着けたままでいるのは気持ちが悪い。
ナギの衣服の横に自分の下着も並べた。