ほぼ無人島~脱出SOS!~
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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大ダコに捕らえられた馬とナギは凄い勢いでシリウス号から離されていく。
連れ去られている最中、馬は諦めずにナギの身体に張り付くもう一本のタコ脚に鎌を引っ掛けた。
馬『絶対離しちゃダメ!!!』
自分に強く言い聞かせて、鎌を持つ手に力を入れる。
すると…
ズルリッッ
水中にも関わらず呆気なく脚が本体から千切れた。
とても運の良いことに、鎌を引っ掛けた脚は触腕だったようで、タコ自身が自切りをしてナギを切り離し、馬もついでに離したのだった。
馬『今だっ!』
馬はグッタリとしているナギの身体を支えながら、一気に水上へと目指した。
ナギ「ゴホッ、ゴホッゴホッ………」
再び空気を吸えたナギは、泳ぐ気力もないのか、ただ棒立ちのまま咳き込んでいる。
馬は立ち泳ぎをしながらそんな彼を支えていた。
馬「ナギさん………大丈夫?………」
ナギ「………ハァ……ハァ……」
馬「……ごめんなさい、私の……せいで……」
ナギ「……ハァ………ハァ……船は?」
馬「……遠くまで………引き摺られ……ちゃって………」
ナギ「………馬、」
馬「………はい?」
ナギ「…俺は………泳げない、」
馬「泳げ………え!?……お、泳げないんですか!?」
ナギ「………置いていけ………」
ナギはそれだけ言うと、意識を失った。
馬『泳げないのに海賊になってるなんて博打過ぎるでしょう!』
ナギから聞かされた彼の弱点が意外過ぎたので、馬は衝撃を受けていた。
しかし、泳ぎが得意な自分が頑張らなければ助かる見込みが無いと知れた分、却って馬に気合いが入る。
馬『絶対離しませんよ!!』
今死んだら自分達の墓石はタコの形にされてしまいそうだ、それだけは避けたい…と願う馬は、ナギと2人無事に生還する事だけを考えて一心不乱に泳ぎ始めた。
……………………………
馬「……ハァッ…………ハァッ…………ハァッ…………ハァッ…」
馬はナギを引き摺りながら孤島の海岸まで上陸した。
一体どれだけの時間を漂流したのだろう。
途中、流木に捕まりながらもナギを支えたまま馬は懸命に泳ぎ続けた。
気持ちはまだまだ諦める気にはならなかったが、体力はとっくに限界を越えていて…いよいよ馬の意識も無くなりそうになった時、遠目に島の形状が見えた。
そこからは最後の力を振り絞ったとしか言いようがない。
泳ぎが得意とはいえ、人を支えた状態で島まで泳ぎ切れた時には馬は奇跡が起きたのかと自分が成し得たことを信じられなかった。
馬「…………ハァッ…………ハァッ……………ナギ…………さん、」
ドサッ…!!
ナギを波の当たらない場所まで引き摺り終えた瞬間、馬自身も砂浜に倒れた。
すると、
?「……何だ、おめぇら。」
突如、年輩男性と思しきしゃがれた声が聞こえてきた。
馬「…………………遭難者……………です………」
馬は息も絶え絶えに答えた。
何故こんなところに年輩男性がいるのかを考える余力は彼女にはもう無かった。
?「おい、こっちの奴、息してねぇんじゃないか?」
馬「え、」
馬はすぐに起き上がり、急いでナギの容態を確認する。
ナギの顔色は非常に悪く、あまり芳しく無い様子が一目でわかった。
馬「いやぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!! ナギさん!ナギさんっっ、ナギさん!!!」
半狂乱になる馬を、男性が宥める。
?「ちょっと落ち着け!!」
馬「ぅっっ……ナギさん………うっ……」
次の瞬間、声の主は大きく口を開け、ナギの唇に吸い付いた。
馬「ぎょっっ!!」
思わず自分の感情を口走る馬。
馬『綺麗でカッコイイナギさんと、渋い年輩男性との熱烈なキスシーン…』
ゴクリ。
馬は緊迫した状況を忘れて生唾を飲み込んだ。
馬『あれ?』
人工呼吸を施す年輩男性の横顔を見た時、彼の顔に馬は見覚えがあった。
馬「梅さん…?」
梅「……あ?俺のこと知って……って、馬か!?」
まさかの再会だった。
ナギ「……ゲホッッガハッッ」
時を同じくして、ナギの口から海水が吐き出された。
こちらの蘇生も無事に成功したみたいだ。