シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その2)

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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
主人公の名前




その頃…



先に部屋を出たの後を急いで追うナギ… そしてすぐに追い付いた。


ナギ『あの不審者は…やっぱりか。』


コソコソとしゃがみこむどころか、ほふく前進で進む女はくらいだろう。
彼女は不審者どころか完全にアウトな人間の動きをしていた。


にじにじとゆっくり進むのすぐ隣まで行き、 ガシッ と頭を掴む。


「ワッツ…!?」

ナギ「……どうされましたか、お客様。」


は頭を掴んでいるのがナギだとはまだ気付いていない。


『し、し、し、し、シェフに料理が素晴らしいってお伝え申したくて候…』

言葉選びも壊滅的だ。


ナギ「………アホ。」


聞き慣れた言葉に反応して、バッと勢いよく顔を上げる


「ナギ様ーーー!!!」


声を掛けてきた人物がナギでよっぽど嬉しかったのだろう。
思わず様付けで彼の名前を呼んだ。


ナギ「…何してたんだ?」


先程のほふく前進の理由を問う。何故人としての歩みを捨てたのか、と。


「恥ずかしながら…床が余りにもフコフコしてて…つい全身で体感したくなって……その…隠れるついでにほふく前進をしてみたらどうなるのかなという好奇心が勝ちました////」


は見られたことが相当恥ずかしかったのか、赤面しながら必死に答えた。


ナギ「……そうか。」


ナギは納得した。
一緒に暮らしているせいか、最近はが考えそうなことは何となくわかるようになっている。
彼女は心からこの床に敷かれた絨毯を満喫しようと思ってほふく前進を始めたのだろう。


「試して良かったですよ?手も足も全然痛く無いってわかったし♪」


ナギ「それは…良かったな。ほら立て。」


「よいしょっと。」


はナギの手を借りて立たせてもらった後にサッとスカートの裾を直し、彼と向き合った。

ところが、


「あ!」


途端に制約を思い出し、そのままクルリと180度回転して後ろを向いてしまった。


ナギ「……?」


本当にどうしたというのか、いつもの彼女では無さすぎる。
困惑するナギは直球で聞いてみた。


ナギ「何で避けるんだ?」


するとは後ろを向いたまま静かに答えた。


「ナギさんに話しかけないように頑張ってるんです…」


ナギ「…?」


「この島にいる時はゆっくりしてもらいたくて…」


ナギ「…ああ、出発前のか。」


ナギは出発前の会話の事を思い出した。
そしての融通の利かなさにも衝撃を受けた。


ナギ『普通、あの会話からこんな態度に繋がるか?』


いや、は普通ではなかった、とすぐに自身の考えを改めた。


はさらに声を潜めて、かつ勢いだけは無くさずにナギに囁きかける。


「さぁ、ナギさん。ここは私に構わず、お行きなさい!!」


勿論後ろを向いたままで顔すら見ようとしない。


ナギ「……………」


ナギは色々とツッコミ処が多すぎて、言葉を発する事が出来なかった。


「あれ?ナギさーん?」


反応の無いナギが心配になり、漸くが振り向いた。


ナギ「……」


「おーい、ナギさん?」


が自分だけを見つめる姿はとても可愛らしい…しかし、それ以上に彼女はアホ過ぎる、とナギは痛感している最中だ。
とにかく、ここは落ち着いて諭すことにした。


ナギ「……いいか、。」


「はい!」


ナギ「…度を越えない範囲でなら俺と話しても良い。 お前は極端過ぎる。」


「!!!!!!!」


の目が大きく見開かれた。

さらに、


「い、い、い、いい、良いんですか!! …ハァハァ……ナギ様に話しかけても良いんですか!!!」


興奮し過ぎて、一歩間違えれば犯罪者扱いをされそうなレベルの話し方になってしまった。


ナギ「………あぁ。」


「よっしゃぁぁっっ!!」


はグッと、拳の血管が浮き上がる程にガッツポーズをする。

そして思い出したように、


「……おこがましくも、な、な、な、ナギ様に…ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ触れてもいいんですかーーー!?!?」


おかわり質問をした。
の過剰な反応に引きつつも、


ナギ「……度を越えなければ。」


と彼は許可してやった。


「…ウッ…グスッッ……」


いきなりが泣き出した。
ポロポロと彼女の大きな瞳から涙が溢れるのを見たナギは焦ったが、はそれどころではなかった。


「目薬ィィィイ!!!!!!」


ナギ「……は?」


はイケメン目薬をずっとずっと味わいたかったのだ。
しかし、ナギはその過程を知る由もなく。
彼女の口から唐突に出てきた謎の目薬発言に疑問を抱きつつも、突進してくるを受け止めてやった。

高級レストランの廊下で抱き合う形となったとナギ。


冷静に考えてみると、二人は下船してからまだ数時間しか経っていない…こんな短時間だけしかと離れていないのに、彼女の態度が気になって仕方がなかったナギも相当色に染まってしまっているようだった。


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