sweet kitchen
こちらで夢小説の名前設定!
本棚全体の夢小説設定このブックはドリーム機能を使用しています。 名前を入れると、登場人物に自動変換します。
名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
背中に張り付く馬の温もりが、ナギには愛おしく思えた。
いつもはペット感覚で接していたのだが、今のこの感情は異性として見ていると言うか…
馬「ナギさん、ナギさん、ナギさん!」
ナギの名前を連呼して、背中に頭を擦り付ける馬。
彼女の一連の動作にナギは不覚にも身体が反応してしまいそうになる。
これ以上その動きをされるとまずいので、ナギは振り向き馬の顔を見据えて、
ナギ「……お前は、」
俺の事が好きなのか? と、改めて聞こうとしたが、自制して口をつぐむ。
この質問は自分からはしてはいけない気がした。
質問に対して馬に好きだと答えられると、きっと自分も同じだと答えてしまうだろう。
そうなると晴れて両思い、恋人関係になるということだ。
しかし、ナギは元山賊で、現海賊。
馬が高額の賞金首になっているナギの恋人だと世間に知れたら、彼女は危険な目に遭うだろう。
自分の身を守るだけなら簡単だが、馬という弱味が出来てしまうと非常に動き辛くなる。
はっきり言って今の『懐かれている』だけの状況が楽なのだ。
その関係を壊したくないと思うナギは自分でも狡いと思うのだが…
ナギは口に出しかけた言葉を飲み込んで、別の話題に変えることにした。
ナギ「…甘い物が好きなんだろう?」
馬「………へ?」
馬は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしている。
ナギ「……出来たぞ。」
馬「あ!プリンですか?」
ナギ「……あぁ。」
馬「!!!!」
甘い物の存在を仄めかしただけでこんなに目を輝かせられる馬は本当に見ていて飽きない。
ナギは二人きりの時だけは馬を独占していたいと思った。
プリンが出来たと言われてから馬の頭の中はプリンの事でいっぱいになっていた。
馬『…くぅ〜、プリンめ!どうやって食べようかな…カラメルと一緒に食べる、それとも別々に食べるべき…そんな事よりスプーンを入れる角度はどうしよう…30度鋭角が無難だよね…でも思いきって直角に突き立ててみるのも斬新かも…』
もうワクワクが止まらない!!といった馬はプリンに対する熱い思いから様々な思考を繰り出していた。
そうしてる間に、正面に立っていたナギの腕が馬を捕らえた。
馬「おひょぃっっ?!」
不意打ちの出来事に馬の心臓が跳ね上がる。
消灯後やナギがお酒を飲んだ時なら、彼の方から馬に触れてくることはたまにある。
しかし、今は日も高いし当然ナギは素面の状態だ。
それなのにどういう事なのか。
ナギに腕を掴まれた後は馬の頭はそのまま彼の胸に押しやられた。
間近に感じるナギの身体…馬は反射的に彼の匂いを吸い込むのだが、やはり良い匂いがしてふわふわとした感覚になってくる。
馬『こりゃあ極楽だ~、くぅぅー!』
まるで湯船に浸かった親父のような言葉が脳裏に浮かぶ。
暫く抱き締められていると、
馬『これは……もっとナギさんに触って貰いたくなるやつだ…』
何故だろう、誤って『闘愛薬』を舐めた時のように、また、この前の宴の時に泥酔した時のようにナギに触れてもらいたくて堪らなくなってきた。
ただ抱擁されているだけなのに…
馬「ナギさん!!」
ナギ「……?」
ナギは黙って馬を見下ろす。
対する彼女はまだナギの身体に顔を埋めているままだ。
馬「私はプリンに頭を占拠されてたみたいです!!」
ナギ「………そうか。」
馬「だけどナギさんにこんな事されてると、プリンが居なくなりました!!」
そう言って馬はナギの顔を見上げた。
彼女の顔は朱色に染まっている。
馬「プリンも大好きですが……ナギさんも大好きです!!」
ナギ「………菓子と同列か?」
馬の言葉から揚げ足を取り、ナギは意地悪そうに笑う。
当然、馬の絶対的存在のナギがプリンと同じレベルなわけがない。
馬「同列ちがーう!ほらほら、ナギさんこっち!!」
馬は顔を赤くしたまま、ナギの手を引っ張りベッドまで連れていく。
馬「ここに座る!!」
ナギ「……」
ナギは黙って彼女の言うことに従い、ベッドの縁に座った。
馬「お邪魔します!」
勢いのまま馬はナギの膝上に今度は自分から跨ろうとする。
そして、完全に跨がる前に、
馬「……良いですか?」
と、膝上に乗る了承を得るためにナギの顔を覗き込んだ。
ナギ「……あぁ。」
ナギも至近距離の馬の顔を見つめながら、了承してやる。
この時についつい馬の頬を触れてしまうのは、ナギにとっても彼女がとても魅力的だからだろう。