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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬「密着してましたか…ね?」
寝惚けた事を言う馬の手を掴み、ナギはそのままベッドまで連れていく。
馬「いててっ…」
乱暴に扱われ、痛みを訴える馬だが、今のナギには彼女を気遣う余裕なんて無かった。
ナギ「………」
馬「った…!」
無理矢理ベッドに馬を座らせ、ナギ自身も腰掛けた。
そして、すぐに立ち上がろうとする彼女の腰を抱き上げた後はナギの膝の上に乗せた。
馬「わわっ…」
ナギ「………」
船長室で見たリュウガと馬の体勢を再現したわけだが、やはりこの体勢になるとかなりの至近距離で馬の顔を拝むことが出来る。
ナギ「これのどこが密着してねぇんだよ。」
ナギは突き放すように告げた。
ナギの意図に気付いた馬は段々と頬を染め上げて行き、終いには顔を俯けてしまった。
馬「近いですね…」
そして、ナギの言う通りだと認めた。
リュウガの時は全く何も感じ無かったが、何故かナギと同じ体勢になると急に恥ずかしさが込み上げてきたのだ。
馬が自分から触れに行く時や消灯後に近くで眠る時とも違い、白昼の下で彼から触れられるとこんなにも恥ずかしく感じるなんて…
ナギ「……お前って色んな男にこんなことやってんのか?」
馬「ち、違いますっっ、ナギさんだけですよ!」
顔を真っ赤にしながら否定する馬だが、先程のリュウガとのやり取りを見ていたナギからすれば信じられるわけがない。
ナギ「……説得力ねぇな。」
馬「……ですよね。」
とても悲しそうな顔をして目に涙を浮かべる馬。
ナギ「……船長と何話してたんだよ。」
馬「えっ……それは…秘密です。」
ナギ「…はぁ?」
馬「こればっかりは言えません!」
打って変わって睨む勢いでナギの顔を見ながら断言する馬。
そんな様子を見て、先程のリュウガと話している時の楽しそうな彼女とは真逆のようだ、とナギは感じてしまい…ここで極論に行き着く。
ナギ「……お前は船長のことが好きなのか?」
馬「え?はい、勿論!」
ナギ「………」
淀みなく即答した馬に、ナギは絶句し、ショックを隠しきれなかった。
馬「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとナギさん?!今まで見たことない顔をしてますよ? 大丈夫ですか?」
ナギ「……………」
喋る気力すら無くなったナギは膝上の馬を静かに降ろしてやった。
馬「ナギさん?ナギさんっっ!?」
馬は軽くパニックを起こしているようだが、それはナギも同じだった。
馬『ど、ど、どうしよう。 マイハートキラーナギさんのハートがブレイクしちゃってる!! 一刻も早くどうにかしないと… 』
表情も寡黙なところも普段とは変わりなさそうに見えるが、ナギ研究家の馬が見ると明らかに彼が気落ちしている様子がわかる。
馬「ナギさん、何で急に元気が無くなったんですか?」
ナギ「…………」
ナギのお得意の黙秘権が発動された。
お喋りな馬とは違い、彼は何か不測の事態が起こると黙って自分の中だけで解決してしまう。
そんな時は馬も邪魔をしないように静かにしているのだが、今に限っては放っておくと駄目な気がした。
馬「理由を教えてください、 私、ナギさんが悲しそうなのは耐えられません!」
ナギ「………」
ナギはほんの僅かに馬の方を見た。
馬『 反応アリ! 』
馬はベッドに座るナギの背後まで回り込み、そのまま彼に抱き付いてみる。
いつもは全体重をかけて乗っかるのだが、今は優しく包み込むようにくっついている。
馬「船長との会話が気になるんですか?」
ナギ「………もういい。」
背中に抱き付く馬を押し退けて立ち上がろうとするナギは、このまま部屋を出ていこうとしているようだ。
それだけは阻止したい馬は、
馬「ナギさん待って!!」
慌てて彼の手を掴み、会話を試みる。
馬「どうして怒ってるんですか? 私にはわかりません…」
ナギ「………」
馬「最後の質問の答えですか? 船長が好きって……」
ピクッとナギの手が微かに動いた。
それが理由か!と、原因がわかった馬は一気に畳み掛ける。
馬「私は船長も好きだし、ソウシさんもシンさんもハヤテさんもトワ君も大好きです!
でもナギさんは別です!!」
ナギ「……は?何だよそれ。」
ナギは軽蔑するような眼差しで馬を睨んだ。
しかし、馬は怯まずに正直な思いを告げた
馬「ナギさんの好きは皆さんとは違う好きです! よくわからないけど、一番好きとかじゃなくて別次元の好きなんです!
こんな気持ちになるのはナギさんだけです!!」
偽りなく思い付いたままの事を言葉にすると、ナギは手を強く握り返してくれた。
ナギの手は馬の手と比べると大きくて逞しい。
出来ればずっと繋いだままでいたいと馬は思ってしまう。
馬「……うぅ…ナギさん…行かないで…」
一度は拒絶されてしまったが、馬はもう一度だけ彼の背後から抱き付いた。
ナギ「………」
今度は馬の気持に応えるかのようにナギはそのまま動かずにいた。