シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その6)
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……………………………
馬「ナギさんっっ、トマト勢のヘタ取りを完了しました!」
朝の仕込みを手伝う馬だったが、ナギの態度にずっと違和感を感じていた。
ナギ「………………あぁ。」
いつもより間の長いナギの返事。
馬「ナギさん、シャハイ島でおニューのエプロン買ったんですか?
カッコいいです!!よっ!フレッシュ船上料理人!!」
ナギ「…………」
馬が何を話しても、何をしても、ナギの態度は素っ気ないままなのだ。
馬『うーん、ナギさんを怒らせた理由は…思い当たる節が色々あるなぁ。』
ナギを怒らせる心当たりが沢山あり過ぎて、原因が全くわからなかったが、とりあえず馬は自身の日頃の行いの悪さを反省することにした。
……………………………
朝の仕込みを全て終える頃には、他の船員達が寝静まる時間帯になっていた。
ナギの部屋にて。
ナギ「……寝るぞ。」
馬「はーい。」
ナギが部屋の灯りを消す。
馬「そーれ、ナギさーん!」
消灯した途端に馬はベッドからわざと転がり落ちた。
ナギの機嫌が悪かろうと、馬は欠かさず床で寝るアピールをするのがポリシーとなっている。
ナギ「……………」
馬「…あれ?」
いつもなら、ナギは『やめろ』とか『危ねぇ』とか『アホ』等の言葉で罵るのに、やはり無言を貫いている。
今の罵倒してこないナギには違和感しか感じない。
馬「ナギさーん、さっきから怒ってます?」
ナギが寝ている横でしょんぼりと正座をする馬。
ナギ「………いや、」
馬がしおれた態度を取ったものだから、やっとナギが返事をした。
それと同時に、馬の腕を引いて自分の傍に来るように促した。
馬「デヘヘ、おじゃましまーす。」
馬の表情はコロコロと変わる。
今度は嬉しそうにする馬を見ていると、ナギの胸は熱くなった。
ナギにとって今日は色々とあり過ぎたのだ。
トワと親しげにする馬、 蝶と戯れる馬、 ナギのために離れようとしない馬、自分を犠牲にして危険を顧みない馬…
全てが馬が関係している事で、特に馬があの女の標的にされたことを思い出すと今でも肝を冷やす感覚に陥ってしまう。
命に別状が無かったから良かったが、これからも彼女が危険な目に遭うのかもしれないと考えると嫌で堪らなかった。
自分が気に掛けている人間が命を落とす事はあってはならない…幼馴染のように。
ナギはこれらの想いを言葉には出来ない分、先程から無言だったのだ。
ナギ「………馬、」
馬「YES、ボス!!」
ナギ「今後は俺のために危ないことをするのはやめろ、」
馬「答えはNOですね!」
即答だった。
ナギ「………アホ。」
馬は自身のマタタビスポット、ナギの脇腹に頭を擦り寄せている。
馬「私は、大事な人が怪我をするくらいなら、自分で全部引き受ける方がマシっすよ!フシュッ!!」
鼻息荒く話す彼女は本心からそう考えていそうで、ナギはまた心を痛めた。
ナギ「…………」
ナギは思う、馬は意外と逞しい。
あんな憎悪と殺意を向けられてどうして機敏に身体を動かす事が出来たのか。
普通の女なら、身を竦めて動くこともままならないはずなのに。
そんな彼女の逞しさは少し異常に感じた。
馬「いやぁ〜このマットの寝心地は最高っすね〜♪」
ナギ「………」
しかし、今の締まりの無い顔で笑っている彼女を見ると、考え過ぎのようにも思えた。
……………………………
夜中になるといつも馬は目が覚めてしまう。
普段なら床に降りる作業をするのだが、今日は最初から床で寝ている。
代わりにナギの体に薄い布団をかけてやり、その上からポンポンと軽く撫でる作業をする。
馬『明日も床で寝よう!ナギさんはおNEWマットレス、私はファラオの寝袋を使って!!』
そう堅く決心し、再度床に寝転んだ。
暫くして、
馬「スカ〜〜〜」
ナギ「………」
馬の独特な寝息が聞こえた頃、実はずっと起きていたナギは馬に布団の半分を掛けてやり、寄り添うようにしてから寝直した。
(シャハイ島~蝶とファラオの花畑~終)