シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その6)
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……………………………
シリウス号に戻った直後、ナギの部屋に入り、すぐに自分の衣服に着替えようとするも、馬はどうにも着替えにくさを感じていた。
馬「ナギさん!いくら鋼のハートのアッシでもそんなに見られちゃぁ着替えが出来ませんぜ?」
ナギ「……………」
馬が下っ端口調で『退いてくれ』とアピールしてもナギは黙ってその場から動こうとはしなかった。
馬『まぁ、いっか…』
ここで馬の鋼のハートが発揮し、ナギの存在は気にしない方向で意識を切り替えることにした。
馬『この新しく買ったTシャツにしようかな♪』
馬は曲がりなりにも女である。
なので、新しい服を前にするとテンションが上がるのだ。
ナギに背を向けながらルンルン気分で服を選ぶ。
馬が借りていたトワのシャツを脱ぎ、胸当てだけの姿になった時、背後から何者かの体重がのし掛かってきた。
馬「おげっっっ!ナギさん、重ひ……」
こんな事をしてくる人物はナギしかいないのに、
ナギ「………………」
やはり彼は黙ったまま動かない。
馬「あわゎゎ……な、ナギさーん、アッシは着替えますぜ?このまま潰されちゃったら嫌っスよー?」
ナギ「……………」
動揺しつつも下っ端キャラを継続して、馬は再び退くことを要求するも、全く聞いてもらえそうにない。
馬「うーん、困った。」
馬は自分の首に回されているナギの腕を撫でながら、
馬「まぁ、ナギさんが無事だったから、アッシはオールオッケーなんスけどね♪」
と、三度下っ端キャラを継続しながら述べた。
ナギ「………お前が無事じゃなかったら意味無ぇだろ。」
やっと口を開いたナギは苦しそうに答えた。
ハヤテ「ナギ兄ー、シンが呼んでるぜー!」
扉の外からハヤテの声が聞こえてきたので、ナギはすぐに馬を解放した。
ナギ「………行ってくる。」
馬「いってらっしゃいませー!」
特別ナギに気を遣う事はせずに、いつも通りヘラヘラと笑いながら手を振る馬。
男性陣は今から出港の準備に入るのだろう、彼らの手を煩わせないように自分は大人しくしておこう、そう考えた馬はナギを見送ってから着替えの続きに入る。
先程のナギの言動について深く考えないようにしながら…
ザザン……ザザン……
船がいよいよ動き出し、大きな波音が常に聞こえるようになった。
シリウス号は無事にシャハイ島を出港したようだ。
ここで、サラから渡された荷物を確認してみる。
中には数点のドレス類と小物、化粧道具が入っていた。
そして手紙と見慣れぬ薬袋が一つ。
『馬ちゃんへ。 パトロンさんもお連れの方も懸賞金が掛かっているほどの有名海賊だったのね。
わかるわ~、とっても危ない恋って若い時ほど燃えるもの!
馬ちゃんを応援するためにアケミさんの秘蔵品『闘愛薬』を入れておきます。効き目凄いわよ!!
またお店に遊びに来てね、ケンも待ってるわ☆
サラより』
人を見抜く目の鋭いサラは変装していたナギ達の正体にも気付いていたらしく、どうやらトワとソウシの自己紹介も全てわかった上で聞いてくれていたようだ。
そして、薬袋の中身はなんと以前ソウシと噂をしていた『闘愛薬』だった。
馬はナギに試してみたくなったが、シャハイ島でされた仕打ちを考えるとシャレにならなさそうなので、苦渋の決断で保留にした。
ドレスと化粧道具と闘愛薬を丁寧にスペースにしまう。
ついでにカズトからもらった紙手裏剣もスペースの壁に飾った。
手裏剣はたまに取り出してハヤテ辺りに投げてみよう、と画策する馬だった。
……………………………
夕食も食後の片付けもシャワーも終えた馬は、借りたシャツを返しにトワがいる倉庫まで行く。
馬「トワ君、起きてる~?夜這いに来ました~!」
トワ「こんばんは、馬さん、明るい夜這いですね(笑)」
突然の訪問でもトワは歓迎してくれた。
馬「勿論夜這いは冗談なんだけど…あ、シャツありがとね。
そのまま返しに来ちゃったけど洗った方が良かったかな?」
トワ「そのままで結構ですよ!
あの、すいません、僕の方こそ、護衛の役に立てなくて……」
トワは元気なく答える。
馬「いやいやいや!あの人を警邏隊まで連れていってくれたしね。その役が一番危険だったよ!」
見習いとは言えども、トワも海賊である。
そんなことをしたら彼自身が捕まるかもしれないのに。
トワ「うぅ………僕、もっと強くなるように努力しますね。」
悔しそうに話すトワは今にも泣きそうである。
馬「と、と、トワ君!私はそのままのトワ君でも好きだよ。無理しちゃ、」
ナギ「馬!明日の仕込み手伝え。」
倉庫の食材を取りに来たナギに急遽手伝いを要求された。
馬「あ、はーい! じゃあトワ君、今日は本当に助かったからね♪」
馬はバイバイとトワに手を振ってから、急ぎナギの後を追い掛けた。
トワは受け取ったシャツを抱きすくめながら、馬の後ろ姿を見送った。
彼女が着ていたシャツからはささやかな甘い香りが残されていた。