シャハイ島~蝶とファラオの花畑~(その2)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬『…良かった、ナギさんの動きが止まった。 だけど… だけど…』
動きの止まってしまったナギを馬は上目遣いに恐る恐る確認した。
そこには小刻みに震える緑の鬼がいた。
馬『ナギさん、武者震いをなさるくらいに怒ってらっしゃる!!! 武者震い、否、鬼武者震いの表現の方が合っていそう!!』
ナギ「…………………」
馬「あ、あの…私のお守り返してもらいますね〜…」
馬は衣服から落下した黒い布を慌てて拾い上げ、今度はスカートの内ゴムに引っ掛けるように仕舞い込もうとしたが、その手をナギに遮られる。
ナギ「それ…俺のバンダナじゃねーか。」
馬「バレました?テヘッ☆」
ナギ「…………………………」
馬「…………おーい、ナギさーん。」
ナギ「………………………………………」
馬「あっ!さっきは私の股間から臀部にかけて堅い物が当たってたんですが、今は元気が無いみたいですね…」
ナギ「………うるせぇ。」
馬『お!元鬼武者のナギさんが照れた顔をしてる!!よーし、 』
馬が思い付く事は大体碌でもない事ばかりなのだが…
馬「ほらほら、ナギさんJr.、頑張ってーー!」
やはり碌でもない事だった。
下を向いてナギのズボンに向かって、つまりはナギのJr.に向かって応援し始めた。
ナギ「アホ。」
その応援は元祖ナギによって頭を鷲掴みにされて押し止められてしまった。
馬「アタタ…ナギさん、痛いですって。」
馬がナギの指導を痛がっていると、
サラ「やっと見付けた!!ちょっと馬ちゃん、探したわよ!!」
少し離れた位置から懐かしい声が聞こえた。
馬「あ、サラさん♪」
荷物を抱えたサラの登場である。
サラはなかなか戻ってこない馬が迷子常習者だったことを思い出し、セレブ街→歓楽街→住宅街の順で探しに来てくれたのだ。
サラ「あら?…お邪魔だったみたいね、ごめんなさい。」
ナギの上に跨る馬の衣服は乱れており、首筋には多くの紅い印が刻まれていた…そんな様子を見たサラは色々と察したようだ。
馬は慌ててナギから離れ、サラに対して怒濤の謝罪を展開する。
馬「サラさん、ごめんなさい!!!!! 私、サラさんのお店まで行こうとしたら、色々あってここまで来ちゃって…私を探しに来てくれたナギさんまで走って疲れちゃって、ここでちょっと休憩のつもりが穴を掘る事になって…」
サラ『穴掘り?』
必死になって説明するが大雑把過ぎてサラには全体像が掴めなかった。
サラ「とりあえず着替えましょう、今のアナタとっても大胆よ☆」
いつも通りニッコリと微笑む彼女からは怒りの感情は見えてこない。
馬は安堵した。
馬『この格好はナギさんのせいですよ!』
恨みの念を込めてチラッとナギを見る。
ナギ「………」
バッチリ視線が合ったのに、すぐに反らされてしまった。
一応彼にも自覚はあるようで、バツが悪そうにしている。
……………………………
ナギは馬の着替えが終わるまで少々離れた広場の外で待つことにした。
サラはドレスの着付けを直し、馬の首筋のマークが目立たないよう、自身のスカーフを巻いてやる。
着替えも一段落すると、サラが声を潜めて尋ねてきた。
サラ「今日はあの人と過ごしたいんでしょ?」
馬「え!!サラさん飲みに行きま、」
サラ「無理しなくても良いの♪束縛する人よりあの人の方が好きなんでしょう?」
馬『誰と比べてるんだろう……』
サラ「その代わり、明日の夕飯は一緒に食べましょ!はい、コレ。」
馬はドレスを着る前の普段着と手荷物(虫瓶等)をサラから渡された。
サラは言われずとも馬のため、わざわざ手数を負って荷物を持ってきてくれたのだ。
さすが店の元No.1、彼女の細やかな気配りは抜群のものだ。
馬「ご迷惑をお掛けしてすみませんでした、荷物までありがとうございます…」
馬は頭を下げて謝辞を述べた。
サラ「良いのよ。私もアナタくらいの時は愛に生きてたわ! あの素敵な彼と頑張ってね!」
サラの中では馬とナギの『禁断の愛』ストーリーが根本にあるままだ。
馬「は、はぁ…、とりあえず頑張りますね!」
馬も適当に話を合わせておいた。
サラ「それじゃあ明日は夜7時には仕事終わるから! 明日こそよろしく~♪」
アポイントメントを取り終えたサラは颯爽と帰っていった。
……………………………
広場の入口付近で馬達を待っているナギ。
すると、機嫌の良さそうなサラが一人で出てきたので声を掛けた。
ナギ「…馬は?」
サラ「まだ中にいるわ。彼女をよろしくね♪」
そう言い残して去ろうとするサラをナギは慌てて呼び止める。
ナギ「…女一人の夜道は危なくないか?」
サラ「え?私は男ですよ☆元だけどね。」
ナギは衝撃のカミングアウトに呆然としてしまい、ニッコリと手を振るサラをただ見送るしかできなかった。
一方その頃、広場の馬は…
馬「ここら辺にいないかなぁ。」
サラがいなくなってすぐに壁や草木やらを調べていた。
少しして、目的の物、広場の片隅に群生しているとある雑草の中に、虫瓶の虫と同種のチョウと思しき幼虫や蛹を複数発見する事が出来た。
馬「また明日来るからね。」
適切な場所を見つけてやり、まずは虫瓶の青虫達を放つ。
次に、サナギのハヤテ君の小枝を他のサナギの近くに立つように固定した。
虫達はこれでよし。
最後は自分の寝床だけだ。
馬はナギと抱き合っていたベンチに持ってきてもらった服を並べ、その上にコロンと寝転がった。
後は朝まで寝るだけだ。
ナギのことを放置したまま、馬は眠りに就こうとした。
(その3に続く、ミニあとがきへ)
【ミニあとがき】
最初の島ということで、シリウス団の上陸の様子を細かく書いたところ、長くなってしまいましたm(_ _)m
さぁ、今回は少しだけイチャイチャ描写を入れましたが、パスワードはつけていません。
だってナギさんは背中と首元しか触ってないんですもん、お気の毒に。
もし、イチャイチャ描写が苦手…そんな方がいらっしゃいましたら、名前変換で『百人の精鋭達』や『百戦錬磨の力士』等と入力してみてください。
一気にギャグ要素が高まります。
最後に…次章でやっとサブタイトルのファラオが出て来る予定です。
次章もよろしくお願い致します。
馬ときどき魔王 管理人より☆(※と、2014年度の管理人が申しておりました!)
※2014年頃は知識不足でしたが、船上の虫を外国の大地に放す事は、例え同種が居たとしても遺伝子の問題上駄目な事です( ;∀;)
フィクションの物語の事として認識していただけると幸いですm(_ _)m