馬「い、イヤァァァアアアアアァァァァアァァァァァアアアアア!!!!!!!!」
シャワー室から
馬の悲鳴が聞こえてきた。
馬用のシャツを持ってきたナギは何事かと駆けつける。
ガチャッ!
ナギ「どうした?」
そこで彼の目にしたモノは……
?「お、おいっ、静かにしろよ、誰か来ちまうだろ!!」
馬「イヤァァァーー!!見ないでくださいよーー!!!」
ほとんど全裸の状態の
馬と、そんな彼女を押さえ付けようとするよく見知った船員の姿があった。
ナギ「おい、ハヤテ!!」
ハヤテ「げっっ!ナギ兄!!!!!」
馬「あ、ナギさん…」
険しい表情の金髪青年、もといハヤテのすぐ隣には今にも泣き出しそうな裸の
馬。
一見してハヤテが
馬を襲っているように窺えるが…
ナギ「ハヤテ……お前何やってんだよ。」
鬼の形相になるナギ。
シリウス海賊団の一員が女性に対して不埒な行為を働こうなんてあってはならないことで、例え仲の良い舎弟であっても許すわけにはいかない。
ナギは腰に携えた鎖鎌に手を伸ばす。
ハヤテ・
馬『ヤバっ、ナギ兄/ナギさん、めっちゃ怒ってる!』
同時に焦る二人。
ハヤテ「ち、違うんだナギ兄!こいつがいきなりシャワールームに現れて、洗濯なんかしてるからわけが分からなくなって……」
馬「なななな、ナギさん!私が熱唱しておっさんみたいにスパンスパンッてしてる姿をこの人に見られちゃったから…」
二人が同じタイミングで言い訳を始めるも、両者とも言い分がバラバラである。
ハヤテの言っている意味はギリギリ理解出来るものの、
馬に至っては言葉の選択肢からして理解が追い付かない。
ナギ「…熱唱?…おっさん?」
ナギは頭が痛くなった。
取り合えずハヤテは掟を破ってはいないようだが…
ナギ「…はぁ…取り合えず
馬は服を着ろ。」
ナギは溜め息を吐きつつも未だパンツ姿の
馬にタオルを被せやり、シャツを手渡した。
馬「は、はい!ただちに!!」
1人脱衣スペースへと舞い戻った
馬は男性Sサイズのシャツを急ぎ着る。
胸当ては部分洗いをしただけなので着用してもあまり気にならないが、汚れが直撃した肌着とシャツは丸洗いをしたので今着るのは不可能である。
同様にスカートもアウトで丸洗いコース、そのため穿くことはできなかった。
馬『仕方ない。スカートは無しで胸当て、パンツ、その上からこのシャツを着よう…』
馬『…これは逆セクハラで訴えられないかな?』
この脂の乗った太ももをイケメン達の前に晒すなんて逆セクハラで訴えられそうだ。
馬は鏡を見て愕然とした。
馬「ナギさーん!」
どうしたものかと思案した
馬は脱衣スペース外で待っているナギに声を掛ける。
ナギ「……何だ?」
馬「あの、やっぱりパンツ丸見えで歩くことになりそうです!!」
ナギ「………アホか。」
冷たい返事が返ってきたがここで引くわけにはいかない。
なぎとの会話を続けて何とか逆セクハラ問題の解決策を見つけなければ…
馬「でもスカートが無いので白いシャツからパンツが透けるし、生足だしで、色々とお見苦しい事になってます!」
ナギ「………はぁ。」
大きな溜め息が聞こえた直後、
ナギ「んなもん、そこらのタオルかなんかで隠せば良いだろっっ!!」
馬「ヒィッッ!!」
ついにナギに怒鳴られてしまった。
馬『こ、怖ぁ…無口な人が怒鳴ると本気で怖いや…』
だがしかし、ナギの提案する腰巻きタオル作戦は神対策に思えたので
馬は急ぎバスタオルを腰に巻き付けた。